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第16話
しばらく立ち話で盛り上がったあと、時計塔の鐘が鳴った
ライシア「もうこんな時間かぁ…そろそろ本部に戻らなきゃいけないにゃ」
シセイ「はい。長くなってしまいましたね」
ライシア「でも楽しかったにゃ!」
そういうとライシアは跳ねるようにシセイの家とは逆の方向へと歩いていった
シセイ「僕も帰るか…」
なぜか時計塔の鐘を聞いてると悲しくなってくる。1日が終わってしまうから?もっとライシアと話したかったから?
どこか切ない気持ちに襲われる
シセイ「はぁ…」
最近ため息が多くなってきた。足取りも重くなってくる
学園祭とかも楽しいはずなのに、みんな頑張ってるのに…また役に立てないせい?
シセイ「(いや!元気出さないと!みんなに迷惑はかけたくないし!)」
シセイはうつむいて小さな声で大丈夫大丈夫とつぶやいた
大丈夫、という言葉はなぜか安心するだという
昔のことをシセイはあまり覚えていない。それほど覚えているような印象的なことは起きなかったのだろうか