序章
何の修練も無しに、必死にもがいて書いた作品です。
どんどん泥沼化して行く戦争を停戦させようと奮闘する物語です。
よろしくお願い申し上げます。
とりあえず人がいる。
一人。
名は赤田克典。
性は男。
今年で十七になる。
日本という国に住んで起きながら,彼は銃らしきものを握っている。
ぽつり。
「……糞ったれが。」
突如降り始めた雨にか,はたまたどこの誰かも分からん奴に対するものなのか。
定かではないが彼は舌打ちしながら毒づく。
ここは地球。
そして日本。
康応八十年。
第五次銀河大戦の真っ最中。
平成と言う名の,非常に温い時代は三十年になる一日前に,幕を閉じた。
そして戦争。
教科書に載っているような典型的な戦争が行われ,仲介を挟み終わった。
……と言うような終わりを迎えていれば,先程の彼が銃を握る様な状況は,断じて生まれてなかったであろう。
北朝鮮と韓国の戦争から火の輪が広がり,米やら露やらを盛大に巻き込み,第四次世界大戦開始。
日本が最後に巻き込まれた国だったのは,まさに不幸中の幸いと言うやつだろう。
最後まで,憲法と言う名の脆い盾を翳し続けて,参戦を拒みまくった。
そんな事をした挙句,誘われた国全てに反感を買われてしまう。
自業自得…とは少し違うのだろうか。
進んで参戦していても,どの道先程の彼は,銃を握る羽目になっていたに違いない。
もう今となっては,そんな事を考えている暇はない。
がちゃり。
「…何の用だ。」
突如現れたドアに,赤田はきつい睨みを入れて声を発する。
ドスの効いた低い声。
尚且つ,彼は幼い頃の事故により,左目の上部から顔面に沿って頬まで長い傷跡が残っている。
はっきり言って,彼と初対面の人は物凄く慄くのではないか。
更に性格が,無口で冷静,且つ頭の切れる皮肉屋。
完璧に顔と一致しているのが,何だか腹立たしい。
そんな彼が敵意を込めて語りかけているのだから,相当な悪であろう。
「なあに。ちょっと暇だから立ち寄っただけさ。HAHAHA。」
前言撤回。
中からでてきたのは,いかにも「私は阿呆です。」とアピールしている,赤田と同じぐらいの年代の男性であった。
「…用もねぇのに邪魔すんな,阿呆。」
半分呆れ,半分怒りの二つが混ざった声色で,赤田は返す。
「ふむ…。興味深い意見だね。」
「はあ…?」
「つまり,君に用があれば邪魔しても良ゴフッ…!」
あれは痛い。
グリップが綺麗に鳩尾に入った。
「…とりあえず黙れ。そしてこの場から速やかに立ち去れ。」
不愉快全力の攻撃を繰り出した赤田は,ここにいる事すら面倒だと言う風に立ち去ろうとし
「ま,まあ待ってくれたって…いいじゃん…。」
鳩尾を押さえながら,何とか喋りかけてくる阿呆を
「待つだけ無駄だ。」
ばっさり切り捨てる。
「君にとって…有益な…情報だぞ…。ああ,痛い…。」
「そうか。」
再び去ろうとする赤田。
「く……。空間転移…。」
すると阿呆(名称決定)は,鳩尾を押さえながら何とか立ち上がり,ドアノブを手に取り,何やら呟く。
と同時に,ドアと阿呆は瞬時に消え去った。
「……くそ。本降りになってきた。」
空を見上げて呻く赤田。
あの阿呆との時間が無ければと,つくづく思いながら雨宿りの場を探すのであった。
始めまして。
作者の花紅楼牙BlackRockShooterです。
如何でしたでしょうか。
楽しみが余り感じる事の出来ない、読んだ後は必ず欠伸が出てしまうような長ったらしい文章でしたが、これから色々と修練を積んで面白くしていきますので、次回作もよろしくお願い申し上げます。
次回作は、クリスマスまでには挙げるよう努力致します。
それでは、この作品を読んで下さった皆様方に、感謝の意を表し、後書きに代えさせて頂きます。