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百合な少女は異世界で笑う  作者: テト
Girls, be ambitious
39/133

さり気ない一文が後の伏線、それは基本(以下略

さり気ない一文が後の伏線、それは基本だけど、あまりにも主人公一行が伏線に気付かないと傍目にはアホに見えるから、キャラクターに気づかせ、敢えて無視させ、というバランス感覚が作者には求められます。天才系主人公なんかは特に大変です。


この作品の場合、主人公一行はアホと世間知らずだから、アホに見えるように書くのが正解なんだと思う。


なんだかんだで勇者か英雄の卵に伏線回収させるから、ソラは脳天気のままで問題無し。




というかソラで伏線張り忘れても、勇者か卵に貼らせるから問題無し。


なんだか文字数少ないですが、これも勇者と卵に……ごめんなさい無駄な前書きなんかじゃ誤魔化しきれないですよねごめんなさいごめんなさい。




三つ目の「ごめんなさい」までが、正式なサブタイトルです。



2014/3.17 誤字修正

 人が歩くよりは早く、走るよりは遅い。


「結局、引き受けるのね」


 され慣れてきたお姫様だっこ。首に腕を回したりなんかして、耳元で囁く。


「魔物の特徴がペルギルのボスと似てたからね。もしかしたらボス素材が取れるかもしれないと来たら、行くしかないよ」




 ゲームでは必ず決まった場所に居るボス。倒した後、宿屋に泊まれば何故か復活している。



 だがそれはゲームであって、些か現実的ではない。


 『Persona not Guilty』のボスの素材を落とす魔物がボス級の強さだと決まっているわけでも、世界の至る所に広く分布している可能性も、そもそも落とす魔物が存在しない可能性だってあるのだ。



 くすぐったそうにしながらも満更ではなく、仕返しと言わんばかりに耳元で喋るソラ。


「ボス自体は序盤なんだけど、後半で作れる、ボス素材を集めた全身シリーズがカッコ良くてねー」


「……それは、今着ている服より強いの?」

「ん、弱いよ?」


 本日のソラの装備は、ざっくり開いた胸元と正面からしか見えない絶対領域がポイント高い、黒と紫の布地多めの所々に金属が輝く、改造ローブ姿だ。


 ざっくり開いた胸元も、胸が無ければ……。



「全身黒でダークな印象、あの日の僕らの心を擽る、悪魔素材を惜しげもなく注ぎ込んだ『破滅シリーズ』です」


「あの日の僕ら?」


「女性用装備は、ショートパンツとロングソックスの組み合わせ、そしてそれをローブで隠している所が気に入ってます。ローブは胴体装備なので、そこを変えても楽しいです。但し、ローブの癖して胸元セクシーなので、そこんとこ要注意」


「ソラ、あの日の僕らって、何?」


「気安く触れてはならない青春の一ページ、だよ」


 『一種の呪い』と、ベルには教えた。







 高々と育った木々を飛び越えること数分。


「とうちゃ~く」


 まるでそこに居る・・・・・と分かっていたかのように、一直線。



「本日の獲物、『花咲きトカゲ』の群で~す。聞いてたよりもなんだがすごく群れてま~す。厳つい系のトカゲの頭にお花が一輪、実にシュールで~す。花咲かせてる癖に草食で、特にお花が好物で~す」


 やる気の削がれる、ソラの実況レポート。


「普通のリザード素材なら失敗、『リーフドラゴン』の代替え素材なら大成功、それ以外ならギャンブル」


 ベルを地上に下ろしたソラは、喋りながら魔法を使う。



───ベルを中心とした、人が五人ほど、立ったまま入れる程度の魔法的な円。



「攻撃行動が一切出来なくなる代わりに、敵の侵入と中への攻撃を防いでくれるから。出たら効果切れちゃうから気をつけて」

「悪魔の時は使わなかったのに?」

「群だからねー。突っ込むつもりだからベルから目を離しちゃうし、悪魔は単体で雑魚だったし」


 悪魔は単体で国を滅ぼせるとかは、もう言わない。


 悪魔の怖ろしい所は、殺しても殺しきれない不死性と、接触だけでも感染してしまうことだが。

 倒した敵の亡骸が消えてドロップアイテムとなってしまうソラの能力は『蘇生封じ』の能力といえるし、ソラは「状態異常対策は基本だよ」と、感染を防止できるそうなのだ。



 魔物すら半径数キロ圏内には近寄らない悪魔の、最大の弱点。



「『マジックガールズ・スティック』の材料どもめ、大人しく『べるたん最強化計画 ~お姫様、時々、魔法少女編~』の礎となるがいい!」



 悪魔の天敵が今アホみたいなことを叫びながら、三桁に届きそうなほど、異常なまでに群れたトカゲへと飛びかかっていった。




 おかしな計画を組まれていることをまだ知らないお姫様は、ソラの戦闘は死体が出ないからグロテスク半減ねと、何処からか取り出した本に「ソラ戦闘中なう。花咲きトカゲ異常繁殖」と書き込んだ。


 中々来ない返事に、本の持ち主を増やせばやり取りも楽しくなるかしらと思いながらベルは、トカゲが宙を舞う姿を観戦するのであった。

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