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百合な少女は異世界で笑う  作者: テト
「テンプレ改変乙」
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なんか違う魔法

間違ったの載せちゃうし、書き途中のは消えちゃうし、散々でした。

 村人が遠巻きに見守る中、仮面の子供・・が外で肉を焼いていた。

 ここは、ニーナたちのパーティーがこの村に派遣された際に住むことになった一軒家の脇。木造建築だから火事を警戒してか、はたまた土地が有り余っているからか、家同士の間隔はそれこそ家がもう一件は建つほど空いていた。


「ふんふふん、ふふふ、ふんふふん、ふふふ」


 大きめの石を円形に組み乾燥していない燃えにくい木で骨組みを作ると、金属の棒で貫いたウサギをぐるぐると回しながら焚き火で炙っている。


「ふふふ、ふふふ、ふふふ、ふふふ、ふふふふふん!」


 鼻歌にタイミングを合わせ、勢い良く肉を振り上げた。

 突然の行動にビビる村人。


「……もうちょい」


 上げた生焼け肉を、大人しく火の上に戻した。









「うめぇ」

「うわぁ、調理されたお肉だよ! 焼いただけじゃなくて味付けされたお肉だよ!」


 ガツガツと肉に群がる、ハンターパーティー。

 特に、似たところが少ない兄妹は同じペースで喰らいついている。


「料理できる人が居ないって、大変だね」

「ああ、こんだけ女が居るのにな。にしても、うめぇなコレ」


 久し振りの美味しい肉にとうとう涙まで見せた妹を見て冷静になったらしいオードが、皿から顔を上げて調理人を見る。

 どこからか取り出した自前のナイフとフォークで食べる、目と鼻を隠した仮面を付けたままの少女。


「ウサギ料理は作ったことが無いから、腹の中に色々詰めて表面に即席の調味液塗って丸焼きにしただけ。素材に助けられた感じがなー」


 小さな口でウサギ肉を頬張るネルフィーを見ながらエルフも肉を食べるんだと仮面の下でニコニコしながら、料理の出来に納得がいっていないらしいソラを、テーブルを囲む他の面々は信じられないものを見る目で見る。



「……これからは、もう少し頑張ります」


 調理担当のアルセは、焼くだけだった過去を反省した。






「魔法は、空気中に漂う魔力を感じるところから始めるの」


 そこで大体躓くわねと軽く言うカタリナに、そんな大雑把な説明で出来たら苦労しないよとニーナは言う。


 遅いお昼を済ませた一行。

 美味しい肉のお礼に泊まらせてもらい、ついでに魔法の使い方を習うソラ。



 居間にはソラ、カタリナ、ニーナ、アルセが残り、オードは部屋を追い出され、ネルフィーはお昼寝。


「──なるほど、これが魔力か」

「判るの!? って早っ!?」


 スキル<超感覚>が宙に漂う違和感を捉えたことを、半ば本能的にソラは悟る。それに驚くニーナ。


「(<超感覚>、回避率アップのはずなんだけど……)」


 ゲームの効果が現実となった今では変わっているものがあるのかと、後々に確認作業をすることを決定。


「才能があるのかもね。なら、その魔力を指先に集めるように意識して……」

「んんんんんん…………ん?」


 そんなことを考えていたが、今はこちらが大事なので指先に集中。


 と、魔力らしきモヤモヤが動いた。



「……対人戦の場合、いかに相手より早くその場の魔力を支配するか」


 空気中に塊となって漂う魔力の一つを、ゆっくりと慎重に、指先に呼び寄せる。念じれば動くらしく、集まる早さを例えるならば、泥に両足が埋まった状態から前に進もうという努力くらい、か。

 じれったく感じつつ、思ったことを口にした。


「そうね、よく気がつきました。コツさえ掴めば集まるのも早くなるし一度に複数の魔力を支配できる。魔法使い同士が戦う場合、決着は戦う前から決まってはいるのが殆どね」


 カタリナが気だるげに上げた指先に、ソラが動かそうとしている以外の部屋中の魔力が集まるのが解る。

 すいすいと取っ掛かりもなく動く魔力を感じたソラは、泥の中を力押しで無理矢理動くのではなく、程良く脱力し、小川に浮かべた笹舟のような、魔力自体を動かすのではなくて引き寄せる流れを作る、ということを理解した。


 それと同時に、自分の中で複数のスキルが動き出すのを感じた。




「……分かった」



「集まった?」


 尋ねるカタリナと顔を真っ赤にして指先を睨み付けているニーナを敢えて無視して、ソラは指先を、部屋の中で唯一魔法とは関係のないことをしているアルセへと向けて、放った。




「『エンチャント・ファイア』」


「きゃっ!」


 可愛らしい悲鳴を上げたアルセ。




「……何を、やらかしたのかしら」

「ぐぬぬぬぬぬぬ……!」

「ニーナ、アナタは才能無いから諦めなさい」


 驚愕とツッコミを素早く使い分けるカタリナ。


 呆然と、手放して床に落としてしまった矢を見つめるアルセ。



 未だ指先に集中するニーナ。



 そしてソラは。




《ソラは『魔法』を使えるようになった》




「よっしゃー!」


 慣れてきた脳内アナウンスと目の前に表れた文字に、ソラは人目も忘れてキャッキャとハシャいでいた。

本当なら説明回のまとめのような、分かり易く解説した話を書くつもりでしたが、消えちゃったので話を進めました。

あと数文字でアップできたのに……

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