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百合な少女は異世界で笑う  作者: テト
「テンプレ改変乙」
12/133

テンプレ改変な異世界事情?

4/1、微妙に書き足し。

1013/10/13 カタリナのオバサンっぽい口調修正と、ちょこちょこ改稿。当時、眠かったんだね。

「……村?」


 テンプレ的に、滅んだ村の次は中から大規模の都市だろうと決め付けていたソラ。

 勇者が召喚された神殿近く。つまり都の程近くであるのが普通勇者テンプレだ。



 遠くに見えるのは、期待を裏切る長閑な風景。



「大きな街なら、ここから一週間は歩かないとダメかな」


 ショッピングしたい、と嘆くニーナ。


「アタシらは今、昇級任務中でね。ハンターの昇級任務は周辺の適正レベルに見合った、ギルド支部の無い村への長期滞在だからさ」


 ここはワインの産地らしく、カタリナはあと数年は暮らせると豪語。




 本来、ニーナ達は首都のギルドに所属しているのだが、ハンターランクを上げるために田舎へ派遣中。


 こうすることにより国の隅々にまでハンターを行き渡らせることができ、滞在するハンター数に極端な偏りを出させない。

 という、ハンターズギルドと友好的な国との協定の一つなのだとか。


 実際は魔物を倒したり素材を納めることでポイントを貯め、村ごとに違う合格ポイントで昇級……なので、運が良ければ早く昇級して都会に帰れる。──が、ポイントは決められた魔物でしか貯まらず、例え、始まりの村にドラゴンが現れて倒したらところで昇級はしない。しかし村を守る義務があるために戦わなければならないという、ただの不幸。


 配属先の合格ポイント数が高く、魔物との遭遇率が悪い場合は最悪、年単位で掛かるのだとか。


 愕然とするソラ。


「……ハンターって、意外と自由が少ない?」

「次、昇級すれば国外。自由な旅」


 言葉足らずなネルフィー。要はギルドからの信頼を得ないとギルド登録した国から出られない、という制度。



 『ハンター』はテンプレ的冒険者のことだと思っていたソラだったが、「ギルドマスターに目を付けられて短期間でSクラス」「国から独立した、何事にも縛られない組織」「国から国へと旅する渡り鳥」とは、いかない様子。


 確かに、とんでも技術なギルドカードでもない限り、犯罪歴とか指名手配とか本人偽証とかその他諸々、把握しきれる訳がない。

 組織で一番偉いからと独断専行を許すのは後世のギルドに悪しき前例を作ることとなる可能性が高いし、皆が皆、自由に旅をしていては緊急時の場合、誰が居て誰が旅立ったのかが非常に不明確で危うい。


 ファンタジーなのだから通信機が無い世界であろうと、自動でデータの書き換えや滞在報告をしてくれるカードくらいあって欲しいものだが、残念ながら、パーティー名とチームの紋章が書かれた特別な機能も何もない鉄板がギルドカードだ。



 登録は大都市のギルドのみ。入会には金と面談、実技と筆記のテスト。

 誰でも彼でも入れるどころか野蛮な職業ではなく、エリート、なのだとか。


「庶民がなれる職業の花形だな」


 騎士は貴族しかなれない。そして騎士の実態は、警備と大会用の対人訓練ばっかりで、魔物と戦うどころか城壁から滅多に出れないそうだ。金は貰えるらしいが。


「知り合いに英雄志望の騎士が居るんだが、酒が入ると『止めてハンターになる』としか言わなくなるな。そいつ曰わく騎士は、『跡を継げない貴族の保育所』、だそうだ」


 夢の無い話をするオード。アルセは騎士に夢を持っているらしく、耳を塞いで「あああああああ」をしている。



 地球の騎士を調べたことがあるソラは、そんなもんなのか、と流した。







 ソラは目の前の風景を見て、呟いた。


「……田舎だ」


「極上のワインを水代わりに飲める素敵な村、よ」


 普通勇者召喚なら城の中とか首都の近くだろうと心の中で王道に突っ込むソラだったが、前言を訂正してきたカタリナが視界に入った、その瞬間。



 ただの推察だが、これ以外無いだろうという理由を察してしまった。



「(転移魔法か!? そういえば召喚やった数秒後に有象無象を帰しちゃうような王道ブレイカーを最初にやってたよねあの人達! そりゃ、遠くにある神殿だろうと一っ飛びで行き来出来るよね!)」



「……カタリナさん」

「さっきまでカタリナって呼んでたのに、いきなりさん付け?」

「……転移魔法、ってありますか?」


「ああ、王宮勤めのヤツらが自慢してたアレね。目的地に陣を書かなくちゃいけないし、一回使ったら陣が消えてしまう微妙な魔法よ。帰りは楽だけど、詠唱に時間が掛かるからそれ以外には使えない……それがどうかしたの?」




「(神殿に魔法使いを送り込んで陣を書けばいいんですね、判ります!)」




 同行人の変化には気付かず、話ながら進むハンターパーティー。


 村の入り口には、この世界のテンプレ外しに大きな痛手を負い、地面に膝と手を着いたソラ。 


 と、手触りを気に入ったのか、チャンスと言わんばかりに仮面の毛皮を触りまくるネルフィーが取り残されていた。

このパーティーの中に、空気が居ます。


あれですね、弓使いは主人公、ヒロイン、主人公の親友キャラ、弓使いと呼ぶことに違和感を覚えるキャラ以外、空気に近くなる宿命があるんでしょうね。きっと。


魔力を矢にして撃つ球切れ知らずとか、狙い適当でもホーミングする光の矢とか、作中最大級の威力を誇る特注の極太レーザーとかは、もはや弓ではないと、ただの異世界ロマンだと思う。


作中で出す気満々ですけどね、弓型ロマン砲。


物理限定。距離が魔法以下。矢が有限。当たりが地味。素人が書くと、超人で、弓の構造的に不可能な技を使う、なんちゃって弓使いになる。嗜む人が書いても超人にはなる。

主人公やヒロインともなると、矢が光るのは当たり前、貫通するのも当たり前、虹色軌跡、爆発、触れたら消滅、分身、追跡、長長距離、魔法効果、状態異常、果ては近接技までこなす万能職に。


もう一度書きますが、作中で出す気満々です、魔改造弓。


大好物ですよ、ファンタジー弓使い。


実は剣や魔法より好きですよ、弓。

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