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パーティーを追放された付与術師の俺。なぜか元仲間に嫌がらせしても喜んでいるんだが?  作者: k-ing☆書籍発売中


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3/10

3.付与術師、初めてのストーカーをする

 気づいたら朝になっていた。

 それまで俺はあいつらにどうやって仕返しをするか考えていた。


「何かいい案はないのか……」


 いざ仕返しすることを考えても、特に何も思い浮かばない。

 あいつらが何を嫌っているのか知らないからな。


「装備を買い直さないといけないわね」

「少ないお金でやりくりしましょ」


 すると同じ宿屋に泊まっている彼女達の声が聞こえてきた。

 そういえば、昨日まで同じパーティーに所属していため宿屋も同じところに泊まっていたのを忘れていた。

 依頼のお金はなぜか俺が半分もらっていたから、彼女達はあまりお金を持っていないのだろう。


 それは貢献度によって報酬を分けていたからだ。

 大体付与術師は貢献していないって言われることが多い。

 だから報酬をもらえないことが多いのに、彼女達は俺にちゃんと報酬を与えてくれた。

 そんなことされたら、俺も本当の仲間になったと勘違いしちゃうよな……。


「はぁー、どうしたら仕返し――」


 部屋の片隅に置いてある装備が目に入った。


「あー、装備に付与すればいいのか!」


 俺の付与術なら簡単に仕返しができるかもしれない。

 閃いた俺はすぐに宿屋から出て彼女達を追いかけることにした。

 これが初めてしたストーカー行為になるとは思いもしなかった。


 俺は彼女達が武器屋に向かうところに合わせて、部屋を出てこっそりと後をつける。

 付与術師は基本に敵に見つかってはいけないと言われている。

 戦闘では付与してあとは逃げているだけだからな。

 だから、隠れながら人を追いかけるなんて朝飯前だ。

 俺の性格からして付与術師は天職だと思う。


「おっ、あいつらいつもの店に入って行ったか」


 彼女達が入ったのは御用達の武器屋だ。

 あそこなら幅広く武器を取り扱っているから、武器を選ぶにはちょうど良いだろう。

 ただらあそこの店はそれなりに値段が高い武器が揃っていたはずだが……。


 外で中の様子を伺っていると彼女達は武器屋の店主と話をしていた。

 しばらく待機していると、武器屋から出てきた。


「やっぱりどの武器も高いわね」

「ソフィアと私は魔法が主だからどうにかなるけど、ルーダはしっかりとした武器が必要だわ」

「いやいや、あたいは素手で――」

「「それはダメ!」」


 俺を昨日パーティーから追放したばかりなのに、楽しそうに話す姿を見て、さらに怒りが増してくる。

 俺は彼女達の装備の耐久度を低下させて仕返しすることに決めた。


「最悪、私とモナが魔法で魔物を倒すわ」

「すまない」

「いいのよ! 私達は同士なんですから」


 俺が見ているのも気づかないのか、楽しそうにどこかへ去っていく。

 彼女達が店の前からいなくなったタイミングで、俺はすぐに店の中に入った。


――カラン!


「おお、クロウじゃないか」

「お久しぶりです」


 店に入ると店主は声をかけてきた。

 俺も彼女達に買った武器はここで買っているからお得意様だ。

 お互いに顔見知りで、店主は男だから気にせず話せる。


「さっきパーティーのやつらが武器を買いに来たんだが、あんな装備を買ってどうするんだ?」

「どれを買ったんだ?」

「この三つだが外れ武器だぞ?」


 俺は魔導具を着けて鑑定する。


「あー、これはやばいな」


《謎の剣》

レア度 ★

説明 ダンジョンで稀に発掘される謎の剣。耐久度が低くすぐに刃こぼれや折れてしまう。抜剣するときは勢いよく抜かないように注意。


 彼女達が買った武器はどれも同じような性能だった。

 俺は嬉しくなって笑みが止まらない。

 これは仕返しするどころか、剣を抜いた瞬間に壊れてしまうだろう。


「まぁ、武器屋の店主としては買ってもらった方がいいけどな」

「俺にもあいつらが何を考えているか分からんからな」


 このままじゃ仕返しをする前に魔物に殺されるだろう。

 俺は自分の手で復讐したいから、それは困るしな……。


「少し武器を借りてもいいか?」

「ああ、いいぞ」

「エンチャント"耐久性"増加」


 俺は武器を手に取ると付与術を発動させる。

 付与術の中でも簡単な"耐久性増加"を武器に付与した。

 これで魔物と戦っている時に剣がポキッと折れれば、間接的に仕返しができるはずだ。

 戦いで逃げ出すことになれば屈辱的な気持ちになるだろう。

 そうすれば、俺のありがたみが少しはわかるはずだ。


「くくく、これは楽しみだぜ」

「おい、気持ち悪い笑みを浮かべて変なことはしていないだろうな?」

「ああ、大丈夫だ。あいつらには俺が来たことを言わないでくれよ」

「わかった」


 俺は武器屋の店主と熱く握手をする。

 女性じゃないから触れても問題はない。


「ただ、その気持ち悪い顔を戻してから店を出ろよ? そんな顔して店から出て行ったら客が帰っちまう」

「おお、そうか……。また来るよ!」


 彼女達が魔物討伐に行った時のことを考えると笑いが止まらない。

 そのまま店から出ると、店に入ろうとした客達が逃げていった。

 ひょっとして武器屋の店主は予知魔法でも使えるのだろうか。

お読み頂き、ありがとうございます。

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