1.付与術師、追放される
過去に投稿していたのかわからず、もう一度投稿することにしました!
「あなたにはこのパーティーから抜けてもらうわ」
「えっ……」
「前々から思っていたけど、正直あなたにはこのパーティーは合わないのよ」
俺は何を言われているのか理解出来なかった。
確かに女性ばかりのパーティーに俺がいるのはおかしいと思っていた。
だけど、誘ってきたのは向こうからだ。
「だから早くパーティーから抜けてちょうだい」
「わかった」
納得はできないが、力がない俺はパーティーから外れる選択しかなかった。
結局どこのパーティーに入っても捨てられる運命。
前回も前々回も、初めて冒険者になった時のパーティーもそうだ。
いつも急に俺はパーティーから追放される。
追放理由は全て聞いているが、この子達はそれを知った上で誘ってくれたはずなのに、やはりこの展開になるとはな……。
「ちょっと待ちなさい」
ああ、これは毎度ある身ぐるみ剥がされるパターンだな。
俺は着ているローブに手をかける。
付与術師の俺には直接戦わないから装備はいらないだろって毎回言われていた。
もう何回も追放されていたら聞き慣れている。
「わかった――」
「これはあなたが買った装備でしょ。私達にはいらないものよ」
彼女達は目の前でいきなり装備品を脱ぎ出した。
突然の行動に俺は戸惑う。
「ちょちょ、どういうことだよ!」
「こっ……こんな防具つけてたら忘れられないわよ」
さらに何を言っているのか俺には理解できなかった。
彼女達は自分の装備を脱いでいるのだ。
突然の行動に俺は戸惑いながらも、奥にいる受付嬢に目を配る。
男ばかりの冒険者ギルド内で女性が突然装備を脱ぎ出すことが、どれだけ迷惑行為になるか彼女たちはわかっていないのだろう。
そういえば、彼女達の装備は俺がプレゼントしたものだったけ。
「早く持っていきなさい!」
「ああ……」
結局は俺が彼女達に与えた装備もそのまま返されてしまった。
本当にこのパーティーに俺の存在場所がないのだと露骨に思い知らされる。
手に渡された三人分の装備品からは少し温もりを感じた。
「はぁー、あいつらなんなんだよ」
宿屋に戻るとベットに倒れ込み大きく息を吐く。
周りには誰もいない環境に力が抜けると、少しずつ頭の中が整理される。
「俺が今までどれだけ我慢してきたと思ってんだよ。そもそも女性が苦手って言ってるのに、女性ばかりのパーティーに誘うとか意味不明だろ」
俺は昔から女性と話すと緊張して話せなくなる。
だからこそ、俺はスキルでそれを緩和していた。
付与術師一人では戦うことができないから、どうにかパーティーの役に立とうとしていたのにな。
《ステータス》
[名前] クロウ
[種族] 人間/男
[能力値] 力C/D 防御C/D 魔力S/SS 速度C/D
[職業] 付与術師
《スキル》
[職業] 付与術師
力強化 100
防御強化 100
魔力強化 100
速度強化 100
状態異常 100
耐久性 100
精神耐性 100
レベル調整 100
性質変化 100
俺は付与術師のスキルである精神耐性を強化して、やっと彼女達と一緒の空間にいることができるぐらいだ。
話しかけられても「ああ」や「わかった」などの返事しか今までしていなかった。
結局それがダメだったのだろうか。
前のパーティーでは女性陣が怖がっているから抜けろと言われたし、戦ってもいないのに経験値を俺ばかりたくさんもらうのはおかしいと言われて追放された。
「なぜ、俺ばかりこんな仕打ちを受けなきゃいけないんだ……」
そもそも付与術師は戦闘向きでもないし、サポートしかできないのはわかりきっていることだ。
あいつらも……いや、過去に追放してきたやつらもそれは知っているはずだぞ。
考えれば考えるほど、俺の中ではイライラが増してくる。
「あー、そもそもパーティーに合わないってなにが合わないんだよ!」
見た目は他の冒険者よりは細身だが、身長は高めのため隣にいても気持ち悪くないはずだ。
それとも女性じゃなかったのが、やはり問題だったのだろうか。
さすがに付与術で性別を変えることはできないからな。
それが理由ならそもそも声をかけてくるなと言いたい。
「やっぱりうまく話せないのが原因で、パーティーから追放されたのか?」
だって、女性と話すと緊張して頭が真っ白になるから仕方ないだろ。
返事をするだけで精一杯なんだぞ。
それにちゃんと付与術師としての仕事はしていたはずだ。
他の人と性格がズレているのが原因だったのか?
特に気にする素振りもなかったが、一体何が問題だったのだろうか。
「あー、気になって寝れないじゃないか!」
気づいたらパーティーから追放された理由を考えすぎて眠れなくなっていた。
「ははは、あいつら覚えていろよ……」
俺の中で彼女達の存在が、どんどんと違う方向へ変わってしまう。
――追放したことを後悔させてやる
俺の中に残っていたのは、彼女らに対する復讐心で溢れていた。
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