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痛い自作漫画に異世界転移しちゃったぞ!? そいつはオレに効く! やめてくれぞ!!  作者: ターバン
リョーコの自作小説『没落令嬢ファンタジー』編
48/140

48話「異世界移転者三人の圧倒的無双!!!」

 夜が更けたところで、ホワイデー王国へ妖魔大軍勢が夜襲を仕掛けてきたのだった。

 国を覆う肝心の聖女バリアーは、魔貴族の大ボスである妖魔神ズクケィールードンが直々に聖女へ向かったために無効化されてしまった。

 完全に不意打ちとなり、王国中の人々は大混乱だ。

 このままではホワイデー王国は滅ぶしかない。



 しかし!!!


「おおおおおおおおおおおッ!!!!」

「やああああああああああッ!!!!」


 ナッセの嵐のような剣戟と、ヤマミの黒い小人と爆撃によって魔騎士は蹴散らされていく。

 あれだけ士気高揚していた大軍勢の勢いが徐々に失われていった。


「もう一丁!!! スラッシュスレイヤーッ!!!」


 更にリョーコが天照大神斧(アマテラスアックス)を振るって放った巨大な三日月の刃が大軍勢を通り抜けて、一斉に上下両断していく。


「つ、強ぇえ!!!」

「なッ、なんなんだッ!!?」

「こいつら一体何者だーッ!!?」

「こんなん聞いてねーぞ!!!」


 驚き戸惑う魔騎士。しかし後方から巨人のような骸骨騎士が数十体なだれ込んでくる。

 魔貴族は「進軍せよ!!! 我邪髑髏騎兵団(ガシャドクロナイツズ)!!!!」と号令する。

 巨体で鈍重そうに見えるが、なんと素早い剣戟を振るってくるぞ。さすがは精鋭の魔騎士団だ。


流星進撃(メテオラン)!!!! 四〇連星────ッ!!!!!」


 構わずナッセは流星群のような一瞬連撃を繰り出して、我邪髑髏騎兵団(ガシャドクロナイツズ)を粉々に殲滅していく。

 一気に爆ぜるように骸骨の破片が四散して、魔貴族は冷や汗いっぱいに驚愕。


「なにいいいッ!!!? 嘘だろおおおおおおッ!!!!!」


 そんな魔貴族を、ナッセが四〇撃最後の一太刀で頭を叩き砕く。ボンッ!



 たった三人に無双されて、次第に劣勢になっていく。

 無数の馬車に乗っていた魔貴族たちはテレパシーで動揺の会話をしていた。


「は、話が違うではないか……!!!」

「大体、ホワイデー王国の聖女から潰して、ヒト牧場を整理する話だったろうがッ!!」

「そもそも騙したヒトの貴族が大聖堂爆破を失敗したからケチがついたんだ!!」

「つーか妖魔神ズクケィールードンさまがわざわざ聖女を抑えてくれたというのに、これでは面目丸潰れだッ!!!!」

「ようやく物質界で我ら魔貴族の領地を広げられると思ってたのに!!!」

「聖女だけではないのか!!? ヒト風情が我らを騙したなッ!!!」

「クソー!!! 逃げ惑う大勢のヒトの阿鼻叫喚を楽しむだけだったのに!!!」


 魔騎士軍勢が徐々に数を減らされて、こちらにも危険が押し寄せてきて焦らざるを得ない。

 ナッセ、ヤマミ、リョーコの威圧がじりじり迫ってきて冷や汗が噴き上がる。


「止むを得んッ!!!」

「こうなれば、取って置きを出すしかない!!!」

「行くぞ!!! 我らが秘術!!!」

「これまで貯蔵してきたヒトの魂を練り上げて作られし!!!!」

「大召喚ッ!!!! 絶望の死霊王(ディスペア・レイス)!!!!」

「「「「(オーン)ッ!!!!」」」」


 数百もの魔貴族が両手を掲げて、上空の夜空で巨大な魔法陣が複雑に構築されていった。

 すると白い輪郭から巨大な骸骨がのっそりと浮かび上がっていく。

 全長数百メートルほどのありえない大きさ。

 王国にいる人々にとっては映像のようにも見え、恐怖に震えるしかない。


《オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!!!!》


 白く巨大な骸骨は虚ろな頭蓋骨で吠え、ゆらりと赤黒く輝く斧を振り下ろそうとしてくる。

 余りにもデカいゆえにゆっくりした動きに見えるが、実際はものすごいスピードで巨大すぎる斧が王国へ振り下ろしているのだ。


「いっせーのォ……!!!」


 王宮の屋上でリョーコは天照大神斧(アマテラスアックス)を後ろに構え、ありったけのオーラを開放し凝縮させていく。

 迫ってくる巨大な斧へ、リョーコは眼光を煌めかす。


「クラッシュ・バスタ────ッ!!!!!」


 渾身の振り下ろしが、絶望の死霊王(ディスペア・レイス)の赤黒い斧を豪快に粉砕する。

 轟音とともに大気の振動が広がり、破片が四方八方へ飛び散った。

 その破壊が斧に留まらず、腕にも及んで粉々に破裂。


《オオオオオオオ……!!!!》


 絶望の死霊王(ディスペア・レイス)は上へ仰け反って苦悶の叫びを上げる。

 しかし怒り心頭と目が赤く輝き、地上へキッと顔を向けた。開いた口からコオオオ、と赤黒い光球が膨らみ始めていく。

 やぶれかぶれと王国を火の海にする気だ。


「させないからー!!!!」


 なんとリョーコが天照大神斧(アマテラスアックス)を後ろに構えたまま、絶望の死霊王(ディスペア・レイス)の腕を飛沫を上げながら走っているではないか。


《オオオオオオオオ!!!!!》


 絶望の死霊王(ディスペア・レイス)はリョーコへ顔を向けて、光線をぶっぱなす。

 赤黒い極太の光線が大気を震わせながら一直線とリョーコに迫る。


「いっせーのォ!!!!」


 眩い閃光がリョーコを覆う瞬間、天照大神斧(アマテラスアックス)が振るわれた。

 それは回転丸ノコギリのようにリョーコは前転宙返りで斧を振り続け、光線を裂き続けていった。まるで丸太を縦に切り裂く勢いで絶望の死霊王(ディスペア・レイス)の頭蓋骨へ迫る。


「ロォ────リングゥ・デストロイヤァァ────ッ!!!!!」


 膨大な光線さえ打ち破り、リョーコはトドメと渾身で天照大神斧(アマテラスアックス)を振り下ろす。

 それは見事、三階建ての家くらい巨大な頭蓋骨をも左右に両断。ズガンッ!!!!

 しかもその衝撃波で下の首から胴体、下半身へと亀裂が走っていった。


 バカンッとアジの開きのように絶望の死霊王(ディスペア・レイス)は豪快に真っ二つ。


「「「「な、なにぃ────ッッ!!!!!?」」」」


 大召喚を敢行した魔貴族はもちろん、王国中の人々も、王宮の王族貴族さえも、目を丸くする。

 あまりの光景に頭が真っ白になるほどだ。

 妖魔神ズクケィールードンも初めて驚愕の表情に広がっていく。


 ドパアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!!!


 絶望の死霊王(ディスペア・レイス)は爆破四散して、おびただしい量の魂が四方八方へと飛び散って夜空へと溶け消えていった。

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