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痛い自作漫画に異世界転移しちゃったぞ!? そいつはオレに効く! やめてくれぞ!!  作者: ターバン
リョーコの自作小説『没落令嬢ファンタジー』編
47/140

47話「突然の夜襲!!! 妖魔大軍勢!!!」

 リョーコと合作したせいで、ナッセはバレンティア王太子としてホワイデー王族の歓迎されて王宮へ泊まる事になった。

 仲が悪いと聞いていたが、実は双方の貴族が勝手に敵対していて、それが噂になったのが真相。

 ソースはホワイデー王族。


「これから魔貴族の侵略が始まるんだよな……?」


 ナッセはカーテンをよかして大窓から大海を眺める。

 ヤマミはソファーにくつろいでて、ベッドキャノビーに寝転がるリョーコへ視線を向ける。


「いつ大侵攻が起こるの?」

「これから晩餐を行った後に、魔貴族が軍勢を率いて襲撃してくるよー」

「おいおい。聖女いるんだろ? 結界あるんじゃないのかぞ?」

「ううん。イケメンになれると魔貴族に騙されてデブ男爵が大聖堂にある聖女バリアー装置を爆破してしまうからねー」

「それなら事前に止めればいいんじゃ……?」


 するとリョーコが慌ててベッドから飛び起きた。


「あ~だめだめ~!! 話進まないからー! あのイケメン王太子とフラグ立たないからねっ!!」

「……そんなもん、どうだっていいだろ」

「ホントにね」

「テンショー去ったから、せめてイケメン王子とフラグ立てなきゃね。そもそも逆ハーレム物語再現したいもん……」


 ナッセとヤマミにジト目で見られつつ、リョーコはぶすくれる。

 ヤマミは背後から黒い小人をニョキッと生み出し、スルスルと隙間を伝播して城を脱出。黒筋となって建造物や地面を走っていって、大聖堂へ向かう。

 案の定、狭い路地で怪しいデブ男爵とごろつき二人組が大聖堂の裏口から侵入しようとしていた。


「いいか? 失敗するなよ? 成功すれば、みんなイケメンになるからな? モテるぞー!!」

「おう!! もちろんだぜっ!!!」

「へっへっへ!! ついに俺にも彼女ができるぜー!!!」


 すると狭い路地に兵士たちがなだれ込んできていた。


「変な影がそこへ入り込んだぞ!!」

「ムッ!?」

「お前たち!!? 何をしておるかっ!!?」


 地面を走る影を追いかけたら、怪しいデブ男爵たちを発見したのだ。


「なッ!!? なぜここがッ!!?」

「御用だー!!!!」

「「「なんでだああああ──ッ!!!?」」」


 デブ男爵どもは右往左往と慌てるが、なすすべもなく捕縛されていった。

 それを屋根の上からヤマミの小人が見届けた。


「オッケー。上手くいったわよ」

「ああ。ありがと。ヤマミ」


 ソファーでくつろぐナッセとヤマミがフフッと微笑んだ。



 その後、晩餐を行うなど王族貴族らしく優雅な時間を過ごしていった。

 後は就寝するだけと三人で夜更かししていた。

 するとどことなくザワザワするのが聞こえるような……。コンコンノックがする。


「王太子さま!!! 就寝するところ失礼します!! わ、我が国の一大事ですッ!!!!」


 なんと麗しいイケメン騎士が慌ててバタンと扉を開くなり、跪いてきたぞ。

 ナッセとヤマミは思わず立ち上がる。リョーコは「きたきた!!」と張り切る。


「真夜中に一体なんだぞ??」

「ま、魔貴族が軍勢を率いて攻めて来ていますッ!!!!」

「えっ!? なんで攻めて……!!?」

「待って!! 聖女の結界は健在なんじゃないの!?」


 オレもヤマミも面食らう。

 そんなん寝耳に水だぞ!! まさか……、物語のルートは変えられない!?


「それが……!!! 突然消えました!!」




 数十分前のこと、耳障りな軋み音を立てて、大聖堂にいる聖女の元に空間の亀裂が走っていた。


 ギギギギギィィィ…………!!!!!


(オーン)!!!!」

 

 聖女(セント)ピーチラワーは緊迫し、白い杖を構えていく。

 開いた亀裂から、三日月の巨大な弓の上に座ったまま冷徹なイケメン魔貴族が悠々と忍び寄ってきていた。


「フフ……、夜遅くに失礼しますよ……」


 深淵の闇かと思える圧倒的な怨念のオーラが溢れる。ズズズズ……!!!

 それに耐えられず、周囲のシスターやイケメン神父が昏倒して横たわっていく。


「あ、あなたは……妖魔神ズクケィールードン……!!!!」

聖女(セント)ピーチラワーさま。今宵お付き合いいただけないでしょうかね」

「お引き取り願いますッ!!!」


 舐めずるような妖魔神に、聖女はキッと気丈に見据える。


僧侶(プリースト)からクラスチェンジ!!! 高位僧侶(ハイプリースト)!!!」


 地響きとともに眩い光が広がり、神々しい装飾を備えるオフショルダー神官服に切り替わったピーチラワーが現れる。

 しかも更に「クラスチェンジ──昇華ッ!!!!」と叫び、二段変身を繰り出したぞ。

 再び眩い光が広がり、ズクケィールードンはビリビリと威圧が響いてきて笑んでいく。


聖女(セント)ピーチラワー!!!!!」


 揺らめく天衣がついたオフショルダードレスのピーチラワーが威風堂々と、大きく変化した杖をかざした。


「四魔貴族や七つの魔王さえ上回るであろう聖女……。あの皇帝ライティアスにも匹敵するという最強格。お初にお目にかかれて光栄ですよ」

「御託はいいです!! 早々にこの国から退きなさい!!!」


 ズ  ン!!!!


 二人の尋常じゃない威圧が膨れ上がって、衝突し合う。

 戦ってすらいないのに周囲が壊れそうなほどに振動が激しくなっていく。


 ズズズズズズズズズズズズズズ……!!!!!


 もちろん、そんな状況でホワイデー王国を結界で張り続ける余裕などなく……割れた。パリィン!!!




 夜空から大勢の魔騎士と地獄馬車が紫雲を足場に、ホワイデー王国へなだれ込もうとしている。

 待ちに待ったと、士気高揚と悪意を剥き出しに魔貴族たちが笑う。


「「「ヒャハハハアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」」」


 静かな真夜中だったが、知らせを聞いて逃げ惑う人々。

 そして必死に迎撃せんと兵士騎士たちが持ち場へ奔走する。早くについた兵士たちから大砲や弓矢で放って、夜空の魔騎士の数人を落としていく。

 それでも圧倒的大勢がジワジワ王国を覆い被さろうとする。


「な……なんという事だ……!!」

「父上ッ!!!」


 絶句するホワイデー国王。そして剣を手に急いできた王太子ソロア。

 慌てて行き交うイケメン騎士将軍。


「それより王太子ナッセ殿、ヤマミ令嬢、リョーコ令嬢には至急連絡したであろうな?」

「もちろんでございます!!」



 イケメン騎士が知らせてくれたので、素早くナッセとヤマミとリョーコは屋上へ着いた。

 夜空一面に広がっている妖魔大軍勢が圧巻だ。

 もはや数千数万ほどの超本気。


「なんてこと……もう結界破れてるわ…………!!」

「マジだ……!!」

「よーし!! ナッセ、ヤマミ行っくよー!! 太陽が如し魂を具象化せよ!! 天照大神斧(アマテラスアックス)ッ!!!」


 張り切ってるリョーコは日章を紋様とする巨大な戦斧を具現化すると、後ろへ構えて「いっせーのォ……」と気合いを込めて凄まじいオーラを凝縮させていく。

 ナッセも聖剣を具現化し、ヤマミも黒い小人を生み出して周回させていく。


「スラッシュスレイヤ────ッ!!!!!」


 リョーコが思いっきり横薙ぎ一閃と斧を振るうと、巨大な三日月の刃がすっ飛んでいく。

 それは多くの魔騎士を上下両断していく。ズザンッ!!!


「「「ぐああああああああーッ!!!」」」


 夜空で左右に流れるように爆発球がボボボボーンと連鎖していく。


「ちぇ……行くっきゃないか!!」「ええ!!!」


 ナッセは足裏から出せる空中手裏剣で空を駆け抜け、ヤマミも『偶像化(アイドラ)』を纏って空を飛んで、妖魔大軍勢へ挑むぞ。

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