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17話「ライバル同士のナセロンとブラッドが共闘!!!」

 ニーナはナセロンを家族に会わせて、そして封印の(ほこら)から金色の破壊神の封印を解いてしまう。

 解放された破壊神の一部は自らスペリオルを名乗ってきた。

 その実力は中級魔族クラスで、ナセロンと同格のヨスイが抹殺されてしまった。


「さて……この邪神スペリオルをナセロンは倒せるかな?」

「ニーナ!? 俺を騙していたのか!!?」

「どうだろうね」


 ワナワナ震えるナセロンに、あくまで冷淡にそっけなくするニーナ。


「やはりな!! 凶悪な魔道士(マジシャン)ニーナは金色の破壊神とグルだったか!!」


 なんと暗黒騎士(ダークナイト)ブラッドがフッと時空間転移して、ニーナとスペリオルを睨む。


「おまえが来るとは……!!?」

「貴様が他のヤツに殺されると、ナッセへ永遠に挑めんからな! ここはヘドが出るが手を組んでヤツを倒すしかない!!」

「くっ! 仕方ないよ……!! だが組むのは今回限りだ! だがナッセは俺が殺す!!」

「もちろんだ! だがナッセを殺すのは貴様ではなくオレだ!!」


 主人公とライバルが組むという激アツなシーンなんだが、起点がナッセなので当人は複雑な心境だった。


「じゃあ仲良くあの世へ逝け!! 神滅球(ラグナフォトン)!!!」


 スペリオルが手をかざすと、圧縮された破壊球が地面を抉る。既にナセロンとブラッドは飛び上がってかわしていた。


「不遜なる神を断罪すべき、軌跡を描いて切り裂け!!! 神殺しの光輝よーッ!!!!」

「愚か者どもを駆逐すべき、黒の閃を描いて切り刻め!!! 愚滅の漆黒よーッ!!!!」


 ナセロンは光の剣を具現化して人が変わり、ブラッドも漆黒の剣を具現化した。

 そして二人ともオーラを溜め込んで凄まじい力を漲らせていく。


「カミナリトッパー!!!」

「降魔・深淵刺殺剣!!!」


 二つ並ぶ光線のように、オーラを纏ってナセロンとブラッドがスペリオルへ突進する。

 しかしスペリオルは両手でそれぞれを受け止めていた。


「その程度か!?」


 スペリオルは両手を突き出し、二人を技ごと吹っ飛ばす。

 ナセロンとブラッドは「ぐわああああ!!!」と飛沫を噴き上げながら転がっていった。


神滅剣(ラグナスレイヤー)!!!」


 スペリオルは稲光を周囲から集めて、金色の電撃剣が右手に備わった。

 それを振るうと、一直線と電撃の斬撃が走った。地面を裂きながらナセロンとブラッドへ襲いかかる。


「あぶねぇッ!!!」

「ヌッ!!」


 切羽詰まったナセロンとブラッドは互い離れてかわす。

 その間を電撃の斬撃が通り過ぎて、向こうの山脈を豪快に真っ二つにしながら、遥か彼方の空へ消えた。

 なんという切断力。まともに食らったら即死だ。


「ほう! 神滅球(ラグナフォトン)!!」


 次々と即死級の破壊球を連発されて、あちこち大地を抉りつくしていく。

 それでもナセロンとブラッドは必死にかわし続けていった。なんとかと間合いを詰めたナセロンが光の剣でスペリオルの頬を殴った。


「んッ!? いい度胸だ!!」


 ゼロ距離で破壊球を放とうとするが、ブラッドの放った三日月の漆黒刃が手に直撃して逸らさせた。

 向こうへ破壊球が飛んで森林を塵芥にした。

 ナセロンとブラッドは互いに頷き合い、全力疾走でスペリオルへ迫る。


「うおおおおおおおおおおーッ!!!」

「フンヌウウウウウウウウッ!!!!」


 裂帛の気合いを吠えて、光の剣と闇の剣が交差(クロス)するように振るわれる。

 主人公とライバルが力を合わせた太刀筋が鋭く煌めいた。カッ!!!


「それがどうしたッ!! 吹き飛べっ!!! 神滅破撃(ラグナルーイン)ッ!!!」


 今度はスペリオルが突進技を放ち、後方から飛沫を巻き上げながら超高速でナセロンとブラッドを撥ねた。

 高々と土砂を噴き上げて木々の破片などが舞う。ドッ!!!


「ぐぎゃあああああああ!!!!」

「がばあああああああ!!!」


 モロに喰らったナセロンとブラッドは上空を舞って血飛沫を撒き散らした。

 そのまま地面へ落下激突。

 煙幕が流れて、二人は微動だにできない。


「まだだ!! この辺はストーリー通りだ……!!」

「ええ」


 傍観していたナッセとヤマミは頷き合う。

 笑んだスペリオルはトドメを刺そうと手を振り上げていく。


「待て!!」


 案の定、ナセロンの兄であるビクターが現れた。引き締まった顔でスペリオルとニーナを見据える。

 ナッセとヤマミに「これを!」と何かを投げつけた。

 受け取ると剣のマークが付いたペンダントだ。


「聖騎士の証をナセロンに与えろ!! 騎士(ナイト)がバージョンアップされる!!」

「分かった!!」


 瀕死になっているナセロンが震えながら起き上がろうとしていた。

 ナッセがペンダントを首にかけた。すると光球がナセロンを包み込んでいく。なんか魔法陣が幾重も現れて、古代文字の羅列がナセロンへと吸い込まれていく。

 ダウンロードされているんだ。


「クラスチェンジするシーン来た!! 強い精神力で信念を語らないと死んでしまうという設定だけど、実はいい加減な言葉でも成功するアレね!!!」

「え!!? や、ヤマミ!!?」

「これで騎士(ナイト)から聖騎士(パラディン)へとパワーアップするのね!!!」

「……オレの読んだ???」

「ううん。全然読んでない」


 ドギマギするナッセに、ヤマミは首を振ってしらばっくれた。


「ホントかな……??」


 疑心暗鬼になってるナッセをよそに、ナセロンは「天下無双になってやるーッ!!!」といい加減な信念を叫ぶと、聖騎士の証はダウンロードが完了して砕け散った。

 途端に凄まじい威圧が膨れ上がって、周囲に烈風が巻き起こる。

 同時に地響きがゴゴゴゴゴ……と大きくなっていく。

 ナセロンのボロボロの衣服が癒えて、純白の服に切り替わり青いマントが揺らめく。縁が黄金で白い手袋とブーツがつく。

 ニーナは「計画通り」とほくそ笑む。ニヤリ……!


聖騎士(パラディン)ナセロン!!!」


 凄まじい旋風を纏って、キリッとナセロンがスペリオルを睨み据える。

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