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136話「金色の破壊神 対 七つの魔王!!」

 ナッセの監修を受けてルーグが亜空間の中で創造された荒廃したフィーリア天地。

 赤黒い大地に溶岩の海。更に活動的に噴火を繰り返す火山。赤く濁る空。


「さぁ!! 目に物言わせてやるわよぉ!! ゴルンレーヌいきなさぁい!!!」

「言われずともいくぞ!! 死にな!!」


 ゴルンレーヌは七星剣と火星弓をかざし、キュインキュイン光子をかき集めていきカッと閃光が溢れた。

 金色の破壊神クゥナーレは未だ構えず突っ立ったままだ。


「上位階梯黒魔法『火星嵐弾(フレンジーストーム)』!!!!」


 ボバアアアアアアアッ!!!!!


 容赦なく光弾がばらまかれて、巨大な爆発球を連ねていったぞ。

 ボガーンと広範囲が吹っ飛ぶほどの破壊力だ。

 亜空間でなければ、狭い闘技場とグラウンドだけでは障壁の壁をストローのように伝って上空へ爆風が噴いていたところだ。


「ティメーア行くわよ!!!」

「はいはい全力で行かせていただきますよー!!」


 アリエルはオーラを爆発させるかのように、背後から青い輪郭で覆う漆黒モミジを肥大化させたら、今度は逆に超圧縮して大剣に形を整えた。

 ティメーアもグナングルを自由自在にビュンビュン周回させるように飛び回らせていく。


「上位階梯黒魔法『混沌魔導剣(カオスマギアブレード)』ッ!!!」

「上位階梯黒魔法『天空王魔槍(グナングル)』ッ!!!」


 爆煙が晴れて、平然とするクゥナーレへ挟み撃ちするようにアリエルとティメーアが飛びかかる。

 漆黒の大剣と白い魔槍が斜交(はすか)いして強烈に炸裂した。


 ズ バ ンッ!!!!


 なんと十字状(クロス)の大きな亀裂が赤黒い大地に刻まれて、フィーリア天地が震え上がった。

 凄まじい烈風が巻き起こって破片が流され、溶岩の海が荒れていく。


 ズズズズズズズズズ……ッ!!!!


「やった!!!」

「ですかね……? というか、フラグ立てないで欲しいんですが」


 しかし立ち込めた煙幕からクゥナーレは威風堂々と神々の没落(ラグナロク)をかざしていて、全くの無傷を誇示していた。


「嘘っ!!?」

「受けてみなーッ!!! 火星凶貫光砲(フレンジーガンキャノ)!!!!」


 なんと前もって溜めてたらしいゴルンレーヌが斜交(はすか)いさせた七星剣と火星弓から、ズオビッと螺旋光線を纏う真っ直ぐの光線が超高速で放たれた。

 レイミンが放った時よりも大きく、周囲に飛沫を上げるほどの高威力。

 そんな絶大な貫通力と速度で打ち破れるかと、誰もが固唾を呑む。


神滅砲(ラグナブラスト)!!!」


 なんとクゥナーレの突き出した神々の没落(ラグナロク)から扇状に巨大な雷が迸って、貫通光線を消し飛ばしつつゴルンレーヌを押し流してしまう。

 軌道上に飛沫を巻き上げながら、地平線の彼方にまで迸るほどだ。


「ああああああああああああああッッ!!!!!」


 さっそくゴルンレーヌが黒焦げにドサッと横たわり、絶句するアリエルとティメーア。

 微動だにしない事から気を失っているみたいだ。


「前座にもならぬではないか」

「く!! こうなったら破れかぶれよ!!!」

「しょうがないですねぇ。付き合ってあげますよ」


 再びアリエルとティメーアが漆黒の大剣と白い魔槍が斜交(はすか)いさせて切り裂かんと突っ込む。


神滅剣(ラグナスレイヤー)!!!」


 クゥナーレが横薙ぎに神々の没落(ラグナロク)を振るい、巨大な雷の斬撃が三日月の軌跡を描いてアリエルとティメーアの武器ごと粉砕した。

 そのまま向こうの赤黒い火山をいくつもの両断して飛び去っていった。


「「ぐわあああああああああああッッ!!!!」」


 アリエルとティメーアはバリバリと感電して、赤黒い大地を滑っていって果てにボーンと飛沫を噴き上げた。

 敢なく二人も黒焦げでプスプス黒煙を吹いている。


《おおおーッ!!! あの七つの魔王が三体もなすすべなく完敗ーッ!!! さっすが金色の破壊神だーッ!!!》

「「「「わああああああああああああああああああああああああッッ!!!!」」」」


 もはやエンタメとしてのエキシビジョンマッチなので観客は大盛り上がりで大歓声を上げていた。

 圧倒的強さの金色の破壊神にファンができたのか「金色の破壊神イケメンよー!!」「こっち見てー!!」「あとでサインもらおうよー!!」などとキャーキャー喚く人が出てきた。

 ニーナは「あはは……」と苦笑いした。


 横を通り過ぎるように救護隊が「えっほえっほ」と七つの魔王三体を担架で運んでいったぞ。

 あの七つの魔王が全く歯が立たなかった……。

 戦慄して息を呑むナセロン。ブラッドとルシアはそれぞれナセロンの両肩に手を置く。


「次はこちらの番だ。心して挑むぞ」

「フン!! この試合が終わったら、きさまと雌雄を決したいからな!!? その為にヤツに勝たねばならん!! 覚悟しろ!!!」

「うん!! 行くよ!! ルシアとブラッド!!!」


 怯みかけていたが、後押しされたか勇気が湧いて頷く。

 ナセロンは頼もしい友人二人と一緒に歩む。


《さー!!! 今度は聖騎士(パラディン)ナセロンと超魔獣王ルシアと暗黒君主(ダークロード)ブラッドで、金色の破壊神へ挑むぞー!!!!》


 ナセロンとブラッドが渦を巻いて光柱を発生させて、ともにクラスチェンジした。

 威風堂々と変身を済ませた制汗とする彼らに観客も大音響を浴びせた。


「がんばれー!!!」

「ナセロン!!! まさかルシアとブラッドと一緒になってるとは驚いたけどいいユニットだぞー!!」

「うおおおおおお!!! 夢の共演ブラボー!!!」

「今度ライブでもやってくれええええ!!!!」

「大会で見せた根性をまた見せてくれー!!」

「ナセロン!!! ナセロン!!! ナセロン!!! ナセロン!!!」

「ブラッド!!! ブラッド!!! ブラッド!!! ブラッド!!!」

「ルシア!!! ルシア!!! ルシア!!! ルシア!!!」

「「「どわあああああああああああああああああああああああッッ!!!!」」」


 まるで応援が力になって全身から最高潮のエネルギーで満ちていく気がした。


「「「行くぞ!!!!」」」


 気合いを漲らせてナセロンとブラッドとルシアは吠えて、シュパーンと転移した。

 そして荒廃したフィーリア天地で、ついに因縁の金色の破壊神と対峙する。


 ド  ン!!!

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