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135話「金色の破壊神としての最後の未練!!!」

 世界会議中で金色の破壊神が冷徹な目を見せて戦意を見せてきたのだ。


「例え女神マザヴァスとの創造主ゲームが終わっても、私は天地無双を成し遂げる……!!」


 バリバリ稲妻迸る高次元オーラを噴き上げながら、挑発気味に言い放ってきた。

 父の発言にニーナは「あわわ……」としどろもどろだ。

 そんなクゥナーレにナセロンとブラッドとルシアは息を呑む。

 皇帝ライティアスもルーグも成り行きを見守る。そんな緊迫する中……。


「私が勝ったら破壊神(わたし)を抑える名目として、ナッセはこの世界に残れ。もし万が一私が負けたら、元の世界へ帰るなり好きにするがいい」


 クゥナーレは神々しい黄金の剣『神々の没落(ラグナロク)』の切っ先を突きつけてきた。

 ナッセは息を呑み立ち上がる。

 最強格の皇帝ライティアスと同等以上らしい強者。だがしかし、今なら……。


「分かった!! 受けて立つぞ!!!」

「違う!!」

「え?」


 なんとクゥナーレが首を振ってきて、思わずナッセは素っ頓狂な顔を見せた。

 クゥナーレの視線がナッセからナセロンに向けた。

 誰もが汗を垂らす。


ナッセ(おまえ)とじゃない! 同じ天下無双を目指す者として、相反してしまったナセロンと白黒をつける!! それが金色の破壊神としての最後の未練だ!!」

「ボクと!!?」

「フィーリア天地が蘇ろうとも、愛娘が生き返ろうとも、これだけは外せん!」


 ナセロンはコクリと頷く。

 ニーナはドキドキ緊迫して様子を見守る。


「それから……ナセロンに与したい仲間がいるなら、まとめて相手してやる!!」

「それは我も望むところ……!!」

「フン!! ナセロンは仲間ではない!! あくまで宿敵としてだ!! 勘違いするな!!!」


 なんとナセロンの左右にルシアとブラッドが並んだ。ザザン!!

 雌雄を決するべきと互いが睨み合う。


「あの……、オレもナセロンに与しているので一緒に……」

「ナッセ、それからヤマミとリョーコは恩のある相手。対象外だ。悪いが蚊帳の外にさせてもらう」

「えー……」


 きっぱり断られて、ナッセは肩を落とすしかない。

 一緒くたにされてリョーコは「え?? あたし何もしてないけどー??」と驚く。

 ヤマミは目を細めてため息をついた。


「ぐぬぬ……妖精王救世主(セイヴァー)でなら勝てたのに~!!」

「恩人だからという理由で敬遠されちゃ仕方ないわ……。それだけあなたが強いって事よ」


 悔しそうに震えるナッセをヤマミがなだめる。

 リョーコはジト目で「インフレの弊害(へいがい)ねー」とボヤく。



 なんやかんやあって再びアロンガ魔法都市の浮遊コロシアムでイベントが開催された。

 満席とばかりに詰め込むほどの大勢の観客が賑わう。


「「「どわあああああああああああああああああああッッ!!!!」」」


 高台でルーグが黒いシルエットで魔導マイクを手に盛り上げていた。


《……というわけで今回はエキシビションマッチなのじゃー!!! あの金色の破壊神クゥナーレを相手にナセロンとブラッドとルシアが挑戦するのだー!!!》


 広いグランドの中心に丸い闘技台があり、その上でクゥナーレとナセロンとブラッドとルシアが立っていた。

 それを観戦するしかないナッセは「むー!!」とジト目で口を窄めていた。


「二週間も煮え切らないままで悪いけど、主人公(ナセロン)を信じてやったら?」

「そうそう原作でも金色の破壊神に勝ったんでしょー?」


 ヤマミとリョーコがそう言うも、ナッセは唸るばかりだ。


「万が一負けたら、オレたちは一生を終えるまでこの世界にいなきゃならないんだぞ!? あっちの世界どうなってるか……!!」

「大丈夫よ。その心配はないわ」


 なんかヤマミが冷静すぎて怖いぐらいだ。


「確信でもあるのか?」

「原作の終盤ナセロンより、今のナセロンの方が断然強い。それに……」


 ヤマミは言葉を止めてしまう。素知らぬ顔でダンマリだ。


「それにー?」

「なんだ? 他にあんのか?」

「このエキシビジョンマッチが終わってから言うわ」


 なんか悪巧みしてそうに妖しい笑みを見せてきた。フフフ……!


 ともかく、観戦してるのオレたちだけじゃねぇ……。

 皇帝ライティアスも第二王子クロリア、聖騎士団アーサー、グランハルト、アレフもいる。

 バレンティア王国の父ヴェレンデア国王も第二王子ガルンシアもマーレ姫もいる。

 ホワイデー王国の王様や聖女だっている。

 ザイルストーン王国の連中ももちろんいる。

 とにかく主要キャラはほぼ全員集合して観戦しているぞ。



「待て待て待て────ッ!!!」

《おおーっと!!! 七つの魔王さんが乱入してきたぞー!!?》


 七つの魔王のアリエルとティメーアとゴルンレーヌが飛び込んできて、観客が戸惑いの声を上げていく。

 そしてルーグがノリノリでアナウンサーする。


「おまえらは……!? こんな時に何の用だ?」


 クゥナーレが仏頂面を向ける。

 怒り顔のアリエルはビシッと指差す。


「忘れたとは言わせないよっ!! 私らをクビにして路頭に迷わせた恨みいぃ~~!!! ここで晴らしてもらうからぁ~~!!!!」

「あたしはアリエルに同意。金色の破壊神コロスわ!!」

「はっはっは。私は気にしてませんけどねー」


 アリエルはご立腹。ゴルンレーヌは静かに怒ってる。逆にティメーアはにこやかに笑んでいる。

 ナセロンが「はれ? 勝てるの?」と聞いてきて、アリエルがキッと睨む。


「七つの魔王が三体!! しかも最強の私がいるからねぇ~!!! あんたらの出番ないから~!!!」

「構わん。前座にちょうどいい……」

「へぇ~!! その前座で這い蹲らしてやるわぁー!!!!」

「アリエルさーん、どうどう」


 そんな様子にナッセはジト目で「なんでアイツらがよくて、オレはダメなんだぞ……?」とブツクサ言う。

 リョーコはジト目で「展開の都合ってやつでしょー」とボヤく。


《今回はこのグラウンドが戦場ではなく、亜空間で対戦してもらいまーす!!!》


 なんと上に大きな映像が映し出される。

 溶岩の海、赤黒い大地、噴火する火山……。荒廃したフィーリア天地だ。

 本物のそれではなく、亜空間で具現化された仮の戦場だ。ちなみに監修は作家としてのナッセ。

 原作でも荒廃したフィーリア天地を舞台にして、ナセロンたちが金色の破壊神と最終決戦していたので、それの再現というわけだ。


《さああああー!!! まずは金色の破壊神 対 七つの魔王三体の試合からだぞー!!!》


 クゥナーレと七つの魔王三人が転移されて、映像に映っている場所に現れた。

 取り残されたナセロンとブラッドとルシアは映像を見上げる。

 観客も盛り上がって歓声が轟いたぞ。


「「「わあああああああああああああああああああああッッ!!!!!」」」

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