130話「女神マザヴァスと最終決戦だッ!!!!」
チート移転者の魂で編み込んで強化した究極生命体に女神マザヴァスが入り込んで、ついにグレチュア天地の登場人物となって降臨された。
そうする事によって創造主ルールの抜け穴をつけた。
これで圧倒的すぎる女神の力を地上界でも存分に振るえるのだ。
「あーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!!!」
「やめて!! 腹が苦しいわ……!!! ぷぷ……くくくくッ!!!!」
抱腹絶倒するナッセとヤマミ。空中で笑い転げて腹を抱えて震えているぞ。
なにしろ究極創造神マザヴァスとのたまって、全身を白いマスクマンみたいに覆って腕を組んで直立不動したのだから……。
《ペプシ……マン……!?》
恐れおののくとばかり思っていたマザヴァスも呆然するしかない。
「くくはははは!!! ああ、そっか。こっちの世界知らねーんだな!!」
「ふふふ!!! そうね、私たちの世界にペプシマンってキャラクターがいるからね。それと酷似してて……ダメ!!!!」
バカにされているようでマザヴァスはプルプル震えだした。
ビキビキと表面に血管が浮かび、両目のある部分が凹んで眉間にシワが寄せられ、なかった口元が憤怒の形に現れて、ギリギリ歯軋りする。
「ゴメンゴメン!! バカにしてるわけじゃねーけど、笑っちまうぞ!!!」
「つられて笑ってしまって……くくく……!!!」
「やめろよ!! こんな最終決戦でペプシマン出すの反則だろ!!! はーっはははは!!!!」
究極創造主は激怒して顔面に険しいシワが浮かんでいく。ギギギギ!!!
そんな時、妖魔神ズクケィールードンが渦を広げながら宇宙を展開してきて強襲してきたぞ。
「よくも皇帝ライティアスとのダンスパーティーを邪魔してくれましたねぇ!!!」
マザヴァスが降臨した余波で深淵殿造が破られたらしく、怒り狂った妖魔神が我先にと殺意を向けていた。
広がってくる宇宙から、赤紫の巨大な木星が震撼を呼びながら落ちてくる。
ズズズズズズズズズズズズズズズズ……!!!!
「デスマッシーアハ・ゼウス・アビス!!!! 怨ッ!!!」
圧倒的巨大な木星が唸りを上げながら急速落下していくが、マザヴァスは振り向きもせず腕をブンと振るって粉々に砕いてしまう。
あの超巨大な赤紫の木星が木っ端微塵に爆発して上空を爆風が広がっていって烈風が吹き荒れていった。
まさかの一撃で破られるとは、と誰もが驚愕する。
「なっ……なんですって……!!?」
《場違いは失せろ!!!》
ペプシマンことマザヴァスは瞬時に妖魔神の腹をワンパンで貫いた。ドン!!
盛大に鮮血が背中から噴き上げる。妖魔神は素っ頓狂で何が起きたか把握できず、ワナワナ震えていく。
カッと閃光が溢れると妖魔神は爆散してチリ一つ残さず虚空へ溶け消えていった。
「むう……!! あの妖魔神をも一撃で!!?」
皇帝ライティアスがやってきたが、マザヴァスの圧倒的すぎる強さに戦慄するしかない。
そして異様な姿にも恐怖がこみ上げてくる。
全身真っ白で覆い尽くし、口以外顔面は丸々。背中からは八枚の翼が仰々しく蠢いている。
この世とは思えない恐ろしい女神の姿……。
《この姿は、きさまら下賎な下等生物に見せる顔などないとスッポリ覆い尽くした神の姿を描写していたのだ!! それを!!! ナッセェきさま!!! 笑いおったなッ!!!!》
ゴオオオッ!!!!!
怒りがそのまま嵐になって吹き荒れて、周囲の地形が大きく揺るがされていく。
ビリビリと戦慄すべき威圧にナッセは切羽詰る。
「よおおしッ!! 笑ってる場合じゃねぇ!!! 行くぞ!!!」
「ええ!!!」
「「クラスチェンジッ!!!!!!」」
なんと妖精王のままでナッセとヤマミは光柱を伸ばして天を衝く。
天地を震わせながら容姿が変わっていく。
そして威風堂々と妖精王のクラスチェンジされた姿が威風堂々と現れた。
「妖精王バージョンの救世主ナッセ!!!」
「こちらも同じく妖精王バージョンの支配者ヤマミ!!!」
ド ン!!!!
誰もが膨れ上がった尋常ならざる威圧におののくしかない。
一気に戦闘力は三〇〇万を超えているはずだ。ただ空中でマザヴァスと対峙しているだけで星が壊れそうなくらい激しい震撼が絶えない。
《チッ!!! 圧倒的無双でムシケラのように嬲ってやろうと思ったのだがな!!! だがそれでも戦闘力一〇〇〇万誇るこの私に勝てぬわッ!!!》
「ところがどっこい!!!」
「私たちは長らく苦難を共にした仲!! それは永劫に続く絆!!!」
ナッセとヤマミが手を繋ぎ、そこから閃光が溢れる。カッ!!!
二人の『連動』によってそれぞれの戦闘力は更に倍加する。凄まじい高次元オーラが天まで昇るほど噴き上げていってマザヴァスも脅威を覚えた。
一気に戦闘力六〇〇万にも達したのだ。
「「行くぞッ!!!!!!」」
《来いッ!!!》
ペプシマン、ナッセとヤマミが同時に吠えた。
瞬間、時間が限りなく遅延した世界で幾度なく数千数万もの激突を繰り返し、遅れる衝撃波が連なっていく。
ナッセの幾重も繰り出す光の軌跡が踊り、ヤマミの繰り出す黒い小人の爆撃が連鎖していく。
ペプシマンは「しゃらくさい!!!!」と脳筋パンチ連打で圧倒する。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ!!!!!
丸い星が狭く感じるくらい、縦横無尽に超高速で飛び回りながら激しい格闘が繰り広げられていった。
一発一発の超絶な威力もさる事ながら、摩擦による核融合も合わさって、通常時間でその破壊事象が行われるならば星が欠けていくほどの恐ろしい威力になるだろう。
しかし限りなく遅滞した時間の中で連鎖する破壊事象はゆっくり広がっていくしかない。
もはや衝撃波はおろか物理事象を置いてきぼりにするほどの、超高速バトルが繰り広げられている状態だ。
《いい気になりおってえええええええッ!!!》
なんとペプシマンが左右にいくつも分裂して、わらわらと何十体も展開されていく。
しかも個々の戦闘力が一〇〇〇万を誇る恐るべき多重影分身。
ナッセとヤマミを袋叩きにすべき、四方八方から一斉にパンチの超高速連打を繰り返しながら迫っていく。
一発一発が核融合の数千万倍もの威力っぽい。
《死ね!!! この『絶対完璧粛清撃』でチリ一つ残さず殴って殴って殴ってやるうううううッ!!!!》
まともに喰らえば、余裕で惑星すら砕くほどだ。
しかしナッセは太陽の剣を正眼に構え、ヤマミも刃を生やした杖で正眼を構えていた。
二人ともカッと眼光を煌めかす。
「「行くぞッ!!!!」」




