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ドラゴンのいる異世界を、じいちゃんと  作者: 秋乃晃
この一打にかけろ!
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第10話


「この人を捜しておるんじゃが、依頼として掲示してもらえないかの」


 スケッチブックに描いた似顔絵をギルドの受付嬢に見せるじいちゃん。じいちゃんにとっての妻、おれにとってのばあちゃんの顔。じいちゃんの服を買うときにいろいろと調達したっぽくて、じいちゃんは麻袋を背負っている。パイモンさんありがとう!


「じいちゃん、絵うま!」


 じいちゃんは絵の才能もあるのだ。初めて見たときにおれが「じいちゃん超やばいじゃん。うますぎるし、画家になれるよ。売れる売れる」と褒め称えたら、ちょっと照れて「昔から絵は描いておったが、いろんな装置を作る前に、完成図をこうやって描いてたら自然とな」と謙遜していた。


 こういうのって日々の積み重ねなんだな。わかるぜじいちゃん。おれも野球部の頃は素振りしまくったもんな。


「そうだろうとも。アザゼルは学生時代からセンスがあった」


 む。おれ、今、旧友マウント取られてる?


「そうは言ってもパイモンさんは十二歳になるまでのじいちゃんしか知らないだろ?」


 じいちゃんはすげーんだぜ。パイモンさんの知らないじいちゃんのすげーところ、おれが教えてあげないと。


「見てくれ、じいちゃんの発明品の数々!」


 おれは現代日本から持ってきたタブレットを取り出して、動画リストを表示させる。オフライン状態でも見られるようにしといてよかったぜ。サムネイルにじいちゃんの発明品をどどんと配置して、動画本編でどれだけ素晴らしい発明品かを紹介していく動画の数々。タイガーチャンネルのメインコンテンツだぜ。再生数あんま伸びなかったけどな。じいちゃんの【歌ってみた】のほうが伸びてた。


 パイモンさんは画面をスクロールさせて「ほう」と感心している。クライデ大陸にはこんなハイテクな発明品、なさそうだよな。自動車はおろか、自転車もなさそうだし。電車だって見当たらなかった。


「こちらには魔法があるからの。このような発明品は必要ないじゃろ」


 おれとパイモンさんのやりとりをよそに、ギルドの受付嬢から「こちらを記入してください」と言われた紙にペンを走らせていたじいちゃんが補足した。こういう科学技術が発達しなかった代わりに、魔法でなんとかする文明なのね。


「貴様は魔法が使えぬのか」

「使えません」


 正直に答えたら「その年齢でか」と鼻で笑われた。じいちゃんの話を思い出すと、クライデ大陸では義務教育段階で基本的な魔法が使えるようになるんだっけか。


 だって、現代日本に魔法はないもん。あったらみんな使うし、魔法関連の法律が作られてそう。便利じゃん。


「ちょうどいい。キー坊、パイモンから魔法を習おう」



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