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第8話 沙苗の絶縁宣言(1)

 僕からだけでなく詩織からも全取引の終了を宣言された誠二郎が、項垂れてから暫くの時間が経過した。

 泣き止んで落ち着いてきた沙苗さんが、唐突に頭を上げて誠二郎の方を向いて言った。


「私、西園寺 沙苗は───現時点を持って西園寺家とは完全に絶縁し、瀬戸崎家に住まわさせていただきます!!!」


 沙苗さんが言った、西園寺家との絶縁&僕のこの家に住むと宣言した言葉に、僕や詩織を含めたこの場に居た全員が無言になる。

 それから暫くして、先に沈黙を破ったのは沙苗さんの父親だった。


「絶縁宣言だとーー!?そんなこと、儂が許すはずないだろうが!?

 しかも、この家に住むなど以ての(ほか)だ!!」


 この発言に対して、沙苗さんが口を開く。


「許すはずがない?仰ってる意味がまるで理解できないのですが?

 実の娘の私を政略道具としてしか見ていない───そんな貴方に絶縁を宣言するのは当然の事だと私は思いますが?」


 その沙苗さんの言葉に対し、誠二郎は反論する。


「なにが、当然ではなくて?だ!!

 道具如きが儂に刃向かうなど100年早いわ!!

 儂は認めぬぞ、そんな宣言なぞ……絶対にだ!!」


「そのようなことを仰る貴方から離れたい───そう思うのは当たり前のことです!!私は貴方の政略道具ではないのですから!!」


「……あくまでも、儂の言うことを聞くつもりはないと?

 お前はそういうのだな?」


「だから、先程からそう言っていますが?

 ……何ですか、そのニヤけた顔は」


「そうかそうか。 それなら儂にも考えがある。

 先ずは、城西学園の理事に言ってお前を強制退学にさせてもらうとしよう。

 城西学園の理事は儂の後輩故、儂の言うことは素直に聞いてくれるだろうて」


「そ、そんなっ………貴方って人は、どこまで腐り果ててるのですか!!」


「なんとでも言うがよいわ!!

 素直に儂の言うことに従っておればよいものを……儂に逆らうからこうなるのだ!!」


「この、下衆がっ………!!」


 ここまでの沙苗さんと誠二郎とのやり取りを黙って聞いていた僕が言う。


「……僕からもいいですか?」


「なんぞ言いたいことでもあるのか?」


「ええ、そもそもの話なんですが……貴方の一存で沙苗さんを強制退学にすることなんて出来ませんよ?」


「若造、なにが言いたいんだ?ん?」


 この問に対して答えたのは……僕ではなく詩織であった。

 本当は僕が言いたかったんだけどなぁ……。


「ですから、俊吾君が言ったように()()()()()()()()()()()()()退()()()()()()()()()()()()って言ったんですよ?」


「貴様ら……それは一体どういうことだ!?」


「それはそうでしょ。あの学園は──俊吾君が会長をしている()()()()()()()()()が運営してるんですから」


「なん……だと…!?そんな話しは聞いたこともないぞ儂は!!」


 その言葉に対し、今度こそ僕が答えた。

 決して詩織に対抗意識を燃やしたなんてことはない!とだけ言っておこう。


「世間一般に公表してませんから、貴方が知らないのも当然の話なんですよ。

 だから僕や詩織が言ったように……貴方の一存で沙苗を強制退学にすることなんて出来るわけないんですよ。

 西園寺財閥会長、ご理解いただけましたか?」


「私も知らなかったのですが……。

 城西学園が、瀬戸崎財閥グループによって運営されてたなんて話は……」


 初めて知った事実に驚く沙苗さんに僕は言った。


「うん、僕も瀬戸崎財閥グループの会長に就任してから初めて知った事だからね」


「だから、俊吾さんは余裕そうな表情をしていたのですね。

 ……あの人が、私を強制退学にすると言い出した時も」


「そういうことだね!」


 そう──沙苗さんの父親が、沙苗さんを強制退学にすると言い始めた時にも僕の表情は全く変わっていなかったと思う。

 何故なら、瀬戸崎財閥グループの会長に就任してから最初に僕が行ったのが、瀬戸崎財閥グループに所属してる企業等を全て把握し、頭に叩き込む事だったのだから。

 その過程で、私立城西学園が実は瀬戸崎財閥グループが運営してるという事実を知ったというわけだ。

 その事実を知った沙苗さんの父親が、膝から崩れ落ちながら口を開く。


「私立城西学園が、瀬戸崎財閥グループによって運営されてたとは……これでは沙苗を強制退学にすることなぞ完全に不可能ではないか!!」


「ご理解いただけたようでなによりです。

 それと僕から一言だけ申し上げます。

 瀬戸崎財閥グループを舐めるのも大概にして下さい!と。

 伊達に日本最大規模の財閥グループを名乗ってるわけではありませんので」


 僕の言葉に続くように沙苗さんが誠二郎に言う。


「お父様……これで分かったのではないでしょうか。

 瀬戸崎財閥グループを敵に回すのは愚の骨頂であることを、です」


「うるさい!!儂の言うことは絶対だ!

 儂が……儂が1番なのだ……儂が1番偉いんだ!!」


 瀬戸崎財閥グループの権力の強さを知って尚の発言に対して、沙苗さんは呆れながらも言う。


「これだけの力の差を見せつけられても尚のこの発言──呆れを通り越して哀れに思ってしまいます……」


 それから続けて、沙苗さんは自分の父親に言う。


「西園寺財閥グループ現会長&西園寺家当主の西園寺 誠二郎に対して再度宣言します!!私、西園寺沙苗は───現時点を持って西園寺家とは完全に絶縁させて頂きます!!」


 本日2度目の絶縁宣言を、沙苗さんが誠二郎に対し再び言った。

 その宣言を聞いていた詩織が、一言だけ誠二郎に言う。


「実の娘に見放されるとは……愚かですね」と───







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