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第四十三話『裏切りの魔女』

私の名前はユースティティア。ジョン副団長達にはレアという偽名を使っているのは秘密である。かつて異端と呼ばれ法国から追放された魔法師だ。数多の研究成果を法国へと齎し繁栄にも十分に貢献したと思う。しかしながらあの国は私の才能を恐れてか追放しやがった。まるで用済みであると言わんばかりに。私は腸が煮えたぎる程に怒りを感じた。いつの日か復讐してやると息巻いていたが、その感情が日に日にと薄れて行くことを感じていた。最初は復讐の第一歩だと偽名を使い帝国の騎士団へと入隊した。法国では研究ばかりに没頭していた為、帝国内に置いて私の素顔を知るものはいない。


「私の名前はユー......レア.....うん、レアよ!」


パーティーに配属された初日、私は母の名前を偽名として使ってしまった事に後悔を感じる。


「宜しく頼むぞ、レア。」


私のパーティーリーダーは傭兵上がりの帝国騎士団副団長だ。第一次進行作戦の後に任命された噂の黒騎士である。そして副官として騎士団の華と呼ばれる『騎士ヴェヌス』がこのパーティーには配属されていた。実力はマールス現団長と比類されると言われている。そして新米騎士であるアイネイア。当初は無能だと思っていたが、西方面での経験を得て実力を開花せたようだ。それと何故だかは知らないがジョン副団長を敬愛し過ぎている。正直に気持ち悪い。


(まぁ、何ていうかさ..........強過ぎない?)


騎士団の華であるヴェヌスも花蓮で美しいけど、何よりもジョン副団長の強さが異常過ぎる。


「ねぇ、副団長って本当に人間なの?鎧の下を一度も見た事ないんだけど。」


魔物を一撃で切り伏せる腕力に鎧の重さを感じさせない俊敏さ。まさに英雄と言う言葉が彼には相応しい。


「レア、あの方は人間だ。とても凛々しく_________何よりも美しい。見惚れてしまう程にな。勿論容姿的な意味も含めるが何よりもあの方の在り方が好ましいのだ。」


騎士ヴェヌスは私と同じく性格がキツイと聞いていたが......


「当方は副団長殿についてゆく。我が命が尽きるまで。」


重いよこの子.........


「て言うかヴェヌスさんってジョン副団長の素顔を見た事あるの!?」


誰も副団長の素顔を見た事が無いと言うのに。


「あぁ。当方の他に見た事があるものは団長、聖女様、我が姉シアリーズと聞いている。」


それ、帝国の重鎮じゃん。


「............凄い気になる。」


ヴェヌスはふっと鼻で笑うと背を向けた。


「精々副団長殿に惚れぬ事だな。あの方のお側には当方さえ入れば良いのだから。」


私が惚れる?ないない。美男のマールス団長にさえ心がピクリとも動かなかったんだから惚れる訳がない。


「___________嘘でしょ!!?」


なんて思ってた次期がありました。いやいや別の意味で人間じゃないじゃん!


「ぐはっ!?」


鼻血が出る。て言うか美男を通り越した神秘さえ感じる。いやいや、あの男に惚れない女は女としての機能を失ってるとしか言いようがない。


「美人だ........」


隣のアイネイアは男だと言うのに見惚れている。気持ち悪い。


「________ユースティ、レア、アイネイアと共に後方の警戒を頼む。」


..............あの、私の正体がバレているんですけど。て言うか何でこの人私の事知ってるのよ!いや、嬉しいけど

もさ。


(いやいや待て待て私!嬉しがっちゃ駄目でしょ!)


帝国に報告されたら私、牢に打ち込まれるって。


「あの副団長、「あぁ、お前の出自は知っている。気にするな。」いやいや気にするわよ!!」


「なんだ、異端の魔術師だか魔法師だかの通り名で呼ばれた方が嬉しいのか?」


「嬉しい訳ないでしょ!て言うか止めてください、何でもしますから!」


本当に何でもしちゃうよ、私?えっちな事でもエッチな事でも!て言うか、騎士ヴェヌスが遠くからこっちを睨みつけて来るんですけど!


”コ・ロ・ス・ゾ”


あの人怖い。て言うか目がグルグルしてして怖い。


「何でもする、か。なら、アイネイアの面ど「ヤダ」アイ「ヤダ」はぁ、少し手合わせをしてやってくれるだけ「ヤダ」お前なぁ、少しは彼奴を「ヤダ」」


絶対にそれだけはやりたくない。


「まぁあ、でも副団長が私を抱いてくれるって言うなら考えなくも「此れでいいか?」う、うん........//」


抱くの意味が多少違うが嬉しいものは嬉しいもんだ。処女だけどもさ!研究フリークで彼氏なんていた事ないんだからしょうがないでしょう?もう三十路も近いんだけど、私だってまだまだピチピチなんだからね、うん!


「と言うか私は決してそこ等の物語に出てくるチョロいんでは無い事を言っておく!!」


うがあああと北塔の最上階から叫ぶ。


「お前は誰と話しているんだ?」


独り言を叫んでいるとアイネイアが奇怪な目で自分を見てきた。死ねばいいのに。


「死ね。酷たらしく死んで頂戴。土下座するから。て言うかもう此処から飛び降りて、切実に、ね?」


「お前が死ね。」


まぁ、こいつの事はどうでも良い。何が私が言いたいかと言うと、このパーティーに入ってからと言うもの案外楽しく過ごしせている自分がいると言う事です。

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