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第百六十八話『吸血鬼と三皇五帝』

「あぁ〜たくさんの血が流れるなぁ〜♪いい匂い♪いい匂い♩」


中華人民共和国の貿易経済都市、上海のある路地裏にて麗しい容姿をした吸血鬼がいた。周りにはガラの悪い男たちが吸血鬼を囲み、ニヤニヤと醜い笑みを浮かべる。


「あらま♩君達、ボクに欲情でもしたのかぁい♩くく、あははは!う〜ん.....でもまぁ、しょうがないかぁ♪ボクって可愛いし、かっこいいから、ね?」


男の一人が笑みを止め首元を掴み上げる。


「开玩笑也要适度啊」

(約:ふざけるのをやめろ!!)


しかしふざけた様子を止めない吸血鬼。その行為に更にイラつきを感じたのか、服を引きちぎり犯そうとする。


「ボクの肌に気安く触れようとするな、下等種。」


だが、真紅の瞳が男たちを睨みつけると硬直した様に動かなくなる。


「ふふ、それでいいんだよぉ♪」


ゆるりと首元を掴んでいた男の頬へと触れる。するとたちまち男は枯れる様に皮だけの存在となった。


「おぇ、きたなーい(ノД`)」


興醒めしたのか人差し指をくるりと回すと他の男たちは水風船の様に割れ血だまりだけがその場に残った。


「____________それでぇ、何か用かい?」


物陰から姿を現す黒色に近い赤色のスーツを着込んだ男。


「なに、そろそろ我らも動き出した方がいいのではないかと思ってね。」

「ふ〜ん、でもデュポーンちゃんがいっしょじゃないよねぇ。ベトナムにいったんじゃなかったけ?」


苦笑いをすると壁へと背を付けため息を漏らす男。


「仮に成功していたとてあの者をこの様な文明地へとは連れてはこれないさ。巨大過ぎる。」

「てことは、やっぱり蚩尤ちゃんは失敗したんだぁ♪」


吸血鬼は心底楽しそうに笑う。


「そもそもフレイアちゃんとフレイちゃんが最後に頑張ればいいってプランだったじゃん〜。何でこんな中途半端な局面で『蚩尤』ちゃんは動き出そうとしてるのかなにゃぁ〜?」

「君も気づいいるだろう。」


小馬鹿にする様に問う吸血鬼に対し、蚩尤は苦笑を浮かべながら答える。


「ガルーダちゃんと例の未知数との衝突が近いって話でしょ。」


吸血鬼は笑みを止める。


「あぁ、そうだ。」


その言葉を聞き再び歪んだ笑みを浮かべる。


「でもでもガルーダちゃんってかなり強いでしょー♪ボクよりも強いしぃ♪」


吸血鬼は歩き出す。其れを追う様に蚩尤も後ろへとつく。


「それは君と彼との相性問題にあるだろう。聖鳥である彼と生と死の狭間に存在するあやふやな存在、即ち不死者の王である君が衝突すれば結末は容易に想像出来ると言うだけだ。実際には分からない。」


二人は路地裏を抜け大通りに出る。


「蚩尤ちゃんも口が上手いねぇ♩」


眼を細め舌を出す吸血鬼。そして蚩尤へと背を向け人混みの中へと入っていく。


「それでは君も彼と同じ様に傍観を貫くと言うことでいいのかね。」

「うーん、気分次第♪ボクはも〜とこの世界を楽しんでいたいからねぇ〜♪死にたくないし、願いだってある。」

「そうか。ならば気分が向くなら戦場に来てくれ。私は行くとするよ。さらばだ。」


蚩尤は迎えの車へと乗りその場を去る。


「再�〜♪」

(約:またねぇ〜♪)


そして、その言葉を最後に吸血鬼も上海の街へと消えて言った。













「あ、あのぉ、わ、私はど、どうすれば、い、いいのでしょうかぁ、あわわ(>_<)」


ネパールの首都、カトマンズにてフレイアとフレイの元を訪ねる創作物の一人『プシューケー』。


「君は余り動かないでもらいたいかな。」

「そうだねぇ、プシューケーが動いちゃうと色々な因果が可笑しくなっちゃうから。」


フレイアは困った表情を見せ、フレイは苦笑を見せながらプシューケーの肩へと触れる。


「ふえぇ!?じゃあ、わ、私、今度はどこに行けば良いんですかぁ( �̶�`ロ�̶�́)」

「好きなようにすれば良いんじゃない?」


フレイが諭す。


「えぇ、私、一人じゃあ何にも出来ないですよぉ(/ _ ; )」

「良い加減にして頂戴、プシューケー。私達が貴方を仲間に誘ったのは貴方が余計な事をして混乱を齎さない為よ。貴方の受けたウェヌスの試練を知っているわ。貴方には天啓がある。其れはどの様な災難に見舞われようとも因果が貴方を成功させる様に動くと言うデタラメな加護よ。」


プシューケーが涙目になる。


「其れとそのあざとい動きをやめなさい!色々と被ってるのよ!私と!」


(.・* ́ω`*・.)と言った表情で同情を誘う様な動きをしてくるのだ。フレイアは若干だがイラつきを感じていた。


「そんなぁ、私、死にたくないよぉ...........一緒に行って良いですか?」

「い!や!だ!終わり!」


フレイアは使い魔である二匹の巨大猫を召喚し車(古代の戦車の様なもの)を上空へと牽いてもらう。


「え、え!?ま、待って下さぁい。 ゚( ゚ ́ω` ゚) ゚。」


空へと手を伸ばすプシューケー。


「ごめんね、プシューケー。僕も行くよ。」


フレイは黄金に輝く猪へと跨り、プシューケーへと謝罪をすると飛び去ってしまう。


「ふえぇえぇ。・ ゚・(ノД`)・ ゚・。この薄情者ぉ!乗せてくれても良いでしょう!もう!もう!もぉおおおおおおお!!!!」


プシューケーの叫び声が鳴り響いたと言う。

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