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第百二十二話『出発』

「はーい♩皆さぁ〜んチケットですよぉ♩」


現在、日本を発つために空港にいる。そしてディアーナがチケットを各自へと渡していた。


「ねぇ私達ってインドネシアにまず行くのよね!私のチケット、モンゴルって書いてあるんだけど?」


カミーユがチケットの行き先を見て尋ねる。自分もチケットを確認するが、しっかりとインドネシアと書いてあるが間違えて購入してしまったのだろうか。


「あれれぇ?言っておりませんでしかぁ、ふふ♪旅は二手に別れると行ったではありませんかぁ♪」

「聞いてないわよ!!」

「勿論、ジョンは私の側について来て貰います。」


ルキフェルが自分の握るインドネシア行きのチケットを毟り取ると皆へと見せつける。


「そもそも芙蓉がいなければ、敵方の位置を知る事が出来なかろう?」

「そうよそうよ!」


ブランチェがそう言うが、ディアーナとルキフェルは鼻で笑った。


「私の能力は皆さんも秘かにご存知の通り、捕食を兼ね備えております。取り込んだ降霊術師の記憶を辿り敵が密集している居場所は大方把握しております。先ず初めに傍観を決める大きな獲物を狩るため最南端、インドネシアから私とルキフェルさんが攻めます。そしてブランチェさん達にはモンゴルに存在する『英雄』と『悪魔』の相手をして欲しいのです。私とその『英雄』では相性が悪く殺されてしまうでしょうし。」


如何やらディアーナは秘かに戦略を練っていたようだ。


「二手に別れる.....別にいい.......少年......よこせ」

(性欲が満たせないだろうが。ジョンを渡せよ、クソ女。)


「そうよそうよ!ジョンさえ来てくれれば私は文句言わないわ!!」


旅自体に行かないという選択肢もあるのだが。


「あ、その選択肢はありませんので、悪しからず。」

「心を読むな。」


そもそも此奴らはいつ、パスポートを発行したのだろう。もう何でもありだな。


「______じゃんけんで決めればいいんじゃない?勝った方について行くよ、もう。」


ため息をつき、そう進言する。


『WTF』『boooooo』


ディアーナとルキフェルが嫌な顔をしながら外国人のようなリアクションをしてくるが無視だ。そもそも皆んなで一緒に同じ所に行けば良いだろ。リスクも減るし。


「無理です♩時間がありません♩」てへぺろ


ディアーナが自分の表情を察したのか、舌を出してそう言って来た。遊んでいたお前らが悪い。


「はぁ、分かりました。では一本勝負ですよ。」


ルキフェルが手を前へと出す。そして芙蓉がカミーユ側から出て来た。


「勝負.........」


芙蓉は欠伸をしながら、自分をジッーと見てくると股間部へと視線を落とした。


「さっさとやれ。」


芙蓉の頭を上げルキフェルの方へと向ける。


「もう!私がやりたかったのにぃ!!」


「芙蓉は良い眼を持っておる。心配するでない。」


ブランチェはそう言うが、芙蓉だぞ。正直に言うと信用ならん。


「最初はグ〜」

「.....じゃんけん」


「「ポン」」」


うん、分かってた。


「負けちゃた......テヘペロ...ぺろぺろ......ふひ」


ルキフェルの勝利である。


「もう!何してるのよ、芙蓉!!」


カミーユが芙蓉の肩を揺らすと頰を赤くする芙蓉。


「やめて.....感じる.....から」


此奴は本当に一度、矯正をした方がいいと思う。


「其れでは私達のフライト時間が迫っているのでチェックインを済ませてしまいましょうかぁ、ふふ。」

「えぇ、参りましょう。」


ディアーナとルキフェルは自分の腕を掴むとカミーユ達に対し見せつけるようにニヤリと表情を見せた。


「ああああああああもぉう!ズルいわ!!ジョン行かないで!!」

「ディアーナ..お前...セーブデータ......消す....確定」

(帰って来たら、ディアーナ、お前のプレイするラディアンスシリーズの全セーブデータを消してやる。)


カミーユが叫ぶ。芙蓉は何やら不穏な事を言っているがディアーナのセーブデータが消えようと自分には関係のな

い話だから別にいいか。


「ブランチェ、二人を頼む。それと芙蓉、出来ればカミーユが戦闘でピンチに陥ったりしたら助けてやってくれ。あいつは豬突猛進だからな。」


二人へとそう伝えるとディアーナとルキフェルが自分の首根っこを掴み引き摺る。


「あぁ、勿論とも。其方こそ、無事であれ!」


ブランチェは拳を握り上に掲げる。


「「また会おう!」」


二人は笑い別れを告げた。








自分以外、手ぶらなのだが荷物は如何した?


「え?ありますよぉ♪」

「私も同じく。」


パスポートを見せつけてくるルキフェル達。いやいや、荷物の話だよ!


「クレジットカードがありますし、大丈夫ですよぉ♪」

「荷物など現地調達をすれば良いのです。」


トランクスーツにバックパックを背負う自分が可笑しいのだろうか?


「無駄遣いをバンバンするつもりだろうが、金を一気に使おうとするなよ。引き出す時、ブランチェ達のことも考えてやってくれ。」

「その点に置いては安心してください。我々の資金は均等になるように二つのアカウントに分けましたので。」


手際の良さにつくづく驚ろかされる。


「受付を開始しましたね。」

「そうですねぇ、列に並びましょうかぁ。」


インドネシア行きの便が受付を開始したようだ。


「_____海外か。」


海外に行くと言う点ではやはり興奮を隠せない。


「えぇ、私も同じ気持ちですよ、ジョン。」

「新天地と言う言葉を思い浮かべるとやはり支配をしたくなりますよねぇ♩」

「ならねぇーよ!」

「ふふふ♪」


飛行機へと搭乗する。自分達は窓際にある三席の様だ。


「ファーストクラスじゃなくて、エコノミーなのは何でだ?」


普通、こう言った所が宝くじの金を使う機会だろうに。


「ファーストクラスでは此れほどまでに密着が出来ないじゃあないですかぁ♪」

「えぇ、この空間こそが我らに相応しい。」


自分を中心に両脇に座るディアーナとルキフェル。て言うか、凄く距離が近いし狭い!!


「ふふふ、楽しい旅になりそうでぇす♪」


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