魔術結晶
魔法結晶、魔術結晶、クリスタルオブマジック。
これらはみな、同じ一つの鉱物を示している。
魔術結晶と通称されるそれが、魔術粒子でできたとてつもない鉱物だということについては、発見されてからすぐに検討がついていた。
問題は、どうしてできたかだ。
この鉱物が発見された10世紀前半には、魔術も科学もそこまで発達していなかった。
そのため不十分な推定により、他の意思と同じように魔術粒子が凝集してできたのだと推定されていた。ある意味ではそれが正しい。
それが別の意味で間違いだと分かったのが20世紀になってからだ。
凝集してできたのは分かっていたが、それだけではなく、魔術粒子同士が相互作用を行うことにより、ある魔術結晶では単一の魔術粒子が、別のものでは複数の魔術粒子がそれぞれ統合してできたもののだということが分かった。
だが、どうしてそれが凝集したのか、という肝心のものについては、今も昔も謎として残されている。