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初接続〜亜衣の場合〜

接続コネクト!」


 ジェットコースターが急降下する寸前のような浮遊感を感じると、亜衣は真っ暗な空間にひとりで漂っていた。


竜宮パラレルゲート(RPG)にようこそ」


 突然、明るい女性の声が響く。


「私は精霊AIのセーレー。これよりあなたをナビゲートします」


 亜衣の目の前に、ソフトボール程度の大きさの光る立方体キューブが現れた。


「まずはお名前を登録してください。そのままアバターネームとなります」


「なんでもいいの?」


「登録はモチロン可能ですが、サトーの注意にあったように、あちら側で仲間内が認識出来る名前を推奨します」


 亜衣は「うー」と唸るが仕方がない。


「亜衣」


「アイ……登録しました。次は職業を選択してください」


 アイの目の前にパッと文字が浮かび上がる。


 剣士(片手剣セイバー

 付与スキル「ファントム」

 敵視を集める幻影を設置


 剣士(両手剣グレートソード

 付与スキル「カタパルト」

 対象を任意の方向に射出する力場を設置


 神官(斧槍ハルバード

 付与スキル「ヒール」

 アバターの治癒力を高めるナノマシンを展開


 銃士(短銃ハンドガン

 付与スキル「バーストバレット」

 触れたものの力を利用した銃弾を作成


 アイは「うわー」と瞳を輝かせた。


「アバターは職業に見合った成長を行いますので途中で変更出来ません」


 しかしアイは悩まなかった。


「私、銃士にする!」


「支給武器を確認しますか?」


「え?じゃあそうする」


「了解しました」


 短銃ハンドガン

 グロック26モデル。

 クイックモード

 持ち主の生体エネルギーを弾丸に自動変換し攻撃する。連射が可能。アバターの成長とともに攻撃力が上昇する。

 バーストモード

 バーストバレットが装填された状態。複数装填不可。超高火力の攻撃を行う。


「問題ないよ」


「了解しました。それでは登録を行います。『ハンドガン』と音声入力により、瞬時に利き手に装着されます」


「カッコいい!…ところでさ、武器の名前って変更できるの?」


「…可能です」


「じゃあさ、ライトニング!」


「了解しました。登録します」


 アイは満足そうに、にんまり微笑んだ。


「次はアバターの設定を行います」


「見た目は変えていいんだよね?」


「可能ですが、サトーの…」


「あー、そーいうのいいから!」


 アイは右手をひらひらと振りながら、セーレーの言葉を遮る。


「髪形はこれでいいけど、金髪にして。瞳は碧。耳はエルフみたいに尖らせて」


「服装はどうしますか?」


「服装?」


 考えてなかった。でも制服気に入ってるし「これでいいや」とアイはひとりで頷いた。面倒になってきたのも理由のひとつである。


「向こうで着替えてもいいんだよね?」


「可能ですがアバター着衣は生体部と同様、汚損や破損をしても時間経過とともに自己修復します。転位者の皆さまにはアバター着衣を推奨します」


「アバターって、傷が勝手に治るんだ!」


「切断等による部位の欠損は戻りませんが、自己修復機能は搭載されています」


「欠損したら、どうするの?」


「そのまま継続使用するか、初期アバターに戻るかを選択します」


 またまたアイは「うー」と唸った。いろいろ簡単ではなさそうだ。


「とにかく制服のままでいいよ」


「了解しました。これでよろしいでしょうか?」


 目の前に、アイの全身図が表示される。


「いいよ」


「職業や外見を鑑みて、こちらで微調整を行ってもよろしいでしょうか?」


「モチロン、いいよ!」


 アイは大きく頷いた。


「了解しました。最後に私の携帯端末の外見を変更しますか?初期設定は目前にある立方体です」


「なんでもいいの?」


「私のデータベースに保管されているものなら可能です」


「だったらさー」


 アイは好奇心一杯に瞳を輝かせた。

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