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アイとおキクとついでにイオと

アルファポリスさんで見向きもされなかった作品ですが、コチラで晒そうと思います(^^)

カメラアプリより過去作になってまして、モチベーション不足のためエタり気味になっております。諸刃の剣は分かっておりますが、敢えてこの場に発表して読者の是非を問いたいと思います。よろしくお願いしますm(_ _)m

 上尾亜衣うえおあいは中学2年生。竜宮市立第三中学校に通っている。肩まで伸びた黒髪をポニーテールにしているのだが、シッポは短くちょんとハネ気味。活発そうな顔をした、小柄な少女である。


 今日から新学年の新しいクラス。亜衣は男女混合の出席番号の3番目。一番窓際の席になる。


 植岡菊うえおかきくは中学2年生。竜宮市立第三中学校に通っている。艶のあるストレートの黒髪は背中にまで届いており、前髪は眉の上で真っ直ぐに切り揃えられている。少し身長のあるスラリとした体型で、日本人形のような落ち着いた表情の美少女である。


 今日から新学年の新しいクラス。お菊は男女混合の出席番号の4番目。一番窓際の席になる。


 亜衣は今年初めて同じクラスになった少女のことが、とても気になって仕方がない。休み時間になると直ぐさま振り返り、後ろの少女に話しかけた。


「はじめまして植岡さん。私は上尾亜衣」


「はじめまして上尾さん。私は植岡菊です」


「あの、えと、私たち五十音並んでるね」


 あいうえおかきく…


 亜衣は少し照れながら、しかし恐る恐る言った。


 お菊はそんな亜衣の心情を察したように、にこやかに微笑んだ。


「そうですね。私も思ってました」


 ふたりは目を見合わせて同時に笑う。お互いの共通点を確認しあい、一気に距離感が近くなる。


 ふたりが親友になるのに、そんなに時間はかからなかった。


 ~~~


 阿上伊緒あうえいおは亜衣より2つ年下の小学6年生。最近近所に引っ越してきた。少し刈り上げられた黒い短髪で、軽くつり上がった目をした元気な男の子だ。余談だが、身長はすでに亜衣を越している。


 伊緒の両親は共働きで、母親同士が仲良くなった亜衣の家に、遊びに来ることが多くなった。


 伊緒が亜衣の家に来るときは、だいたいお気に入りのゲームを持参した。ガンコンと呼ばれる銃の形をしたコントローラーをテレビ画面に向けて撃ち、敵を倒していくというものだ。


 いつしか亜衣もハマってしまい、亜衣が家にいるときは、亜衣が独占してしまっている状態である。


 今日の亜衣は冴えていた。


 クリア時に発表される称号が「ライトニング」と映しだされる。


「え?これって…」


 亜衣は興奮で、フルフルと身体が震えた。


 称号には4種類あり、下から「ビギナー」「プロ」「マスター」「ライトニング」である。


「確か伊緒くん、前にマスターランクだって言ってなかった?」


「言ったよ」


 伊緒が無表情に答える。


「や、やったーー!」


 亜衣はバンザイして喜んだ。あまりの声にキッチンにいた母親が、一瞬ビクッとしたほどである。


「喜んでるとこ悪いけど、難易度てのがあるんだ」


「ん?」


 亜衣は首を傾げる。そんな亜衣に伊緒が難易度の説明を始めた。難易度には下から「ノーマル」「ハード」「ヘル」の3種類が存在し、段々と難しくなっていく。難易度をひとつ高くすると、一気に半分の面もクリア出来なくなるほどである。


「亜衣姉ちゃんが今までやってたのは、ノーマル」


 伊緒は意地悪そうに笑った。


「俺は、ヘルモードのマスターランク」


 伊緒のドヤ顔を見せつけられ、亜衣は雷に打たれ骨まで透けた。ぷすぷすと黒い煙を噴きながら、亜衣は「ぐぬぬ」と唇を噛んだ。


「伊緒くん、今日からこのゲーム、私借りることにするわ」


「いいゼ!姉ちゃんの成長を楽しみに待ってるよ」

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