わたしのお兄ちゃん。 ~病弱少女の王子様~その2
魔性として暴走している少女、天童美香くんこと妹君。
彼女は――修行を終えた愛弟子の野ケ崎要くん、ぶっ飛んだ彼の腹違いの妹なのだが――。
少女がやってみせたのは、私の腕を弾け飛ばすという離れ業。
で――!
私は大魔帝ケトスで、ダメージを受けることすら滅多にない大物なのだが。
吹き飛んだ腕をそのままに、私は片手で肩をすくめてみせる。
『へえ……! 君、面白い子だね。人間ごときが――この私にダメージを与えるだなんて。痛みや怒りよりも感心が先に出てしまうよ』
影の中に消えていく腕に驚愕し、野ケ崎君が珍しいほどの真顔で叫ぶ。
「モ、モフモフ師匠! だ、大丈夫なのか!?」
『大丈夫、すぐに再生するさ――しかし、危なかったね。人間の姿だったから良かったけど、もし猫の姿で手が吹き飛んでいたらこの世界は終わっていたかもね』
きっと、魔王様もホワイトハウルもロックウェル卿も飛んできて――。
うん。
すっごい事になっていただろう。
もしかしたら今頃、ジャハル君辺りが必死に止めている可能性もあるが。
ともあれ私は車椅子の少女に目をやる。
白い肌が美しい無垢なる少女。
その身体にはマリアの影が憑依している。
『心臓に寄生している……? もしマッチポンプなのだとしたら、君、外道だね』
こちらが鑑定を発動している間に、相手が動く。
追撃だ。
けれど、表情は明らかに引きつっている。
「存在ごと消してあげるつもりだったのに――っ、なんでお兄ちゃんを素直に渡してくれないのよ!」
『そうか。君、格上を相手にしたことがなかったんだね』
ふふっと私は微笑し、この私にダメージを与えた少女をじっと見る。
神父姿で余裕な笑みを作る私。
とっても美しいね?
『残念だけど、今の攻撃程度じゃあ私を倒す事なんてできやしないよ。ま、その力は認めてあげるけどね。浮かない顔だね? けれど、本当に認めているんだ。君は誇っていいよ? この私の防御を貫通だなんて、神様だってできやしないのだから』
兄を求める少女の心は強し。
心は魔性の力の源――兄が欲しい、ただその一点の心で私の防御を貫通。
ダメージを与えたのだ。
これは――うん。
すっげぇブラコンである……。
ぷぷぷー!
野ケ崎君……! 妹とはいえ、変なのに懐かれてるでやんの!
さて――こんなシリアスな空気な中、戦いが始まってしまったわけだが。
私はポンとネコの姿に戻って、ニヒィ!
もちろん五体満足な状態である。
『憑依させた聖母の力と、月日をかけて大量に他者へ授けた異能力――その両方を加算させて私の防御を突き破るほどの力を作り出した。それはなかなかできることじゃない! 君に興味がでてきてしまったよ!』
ああ、いけないいけない。
魔術師ネコとしての私の好奇心が、うずうずとして止まらない。
ギラギラギラと、ネコの瞳が少女を見る。
少女は髪の先を魔力で揺らし、天使を介して不可避の閃光を放ってくる。
バチンバチン……っ。
存在を否定することによる精神干渉攻撃だ。
「お兄ちゃんを返して!」
『返してもなにも君のモノじゃないだろう? 彼は私の弟子。まだまだ遊ぶ価値のある命。君にあげるわけないじゃないか』
一度ダメージを受けたからだろう。
魔猫としての邪悪な部分が前面に出てしまう。
まずは相手の領域となっている戦場の上書きが必要か。
ああ、試したい。
新しい魔術、技術。シラナイモノを知る感覚、あの瞬間がたまらない。
ヒゲを蜘蛛の足の様に広げ――。
猫口が闇を謳う。
『空間掌握、フィールド汚染。さあ、世界よ! 暗黒世界に沈み給え!』
領域汚染魔術。
《偉大なる無貌な千のトリックスター》が発動する!
世界が暗黒フィールドに落ちていく。
夜の学園。
その物悲しい空気の中で、ざざ、ざざざざ。
ナニカが蠢き始めていた。
白い花で咲き乱れていた学園内に黒い影の花が咲く。
ザザッ! ザッザッザ!
深淵ともいえる暗黒フィールドの床から湧いたのは、無数の猫眷属。
クトゥルフ属性を追加した、表情のないスフィンクスキャットが顕現したのだ。
このスフィンクスたちは新たな部下。
ピラミッドを守るスフィンクスではなく、モフモフのない、けれどネコの美しい肢体が目立つ飼い猫としてのスフィンクス種である。
ファラオが被るような黄金マスクを装備した彼らは、ニヒィ!
毛のないネコが邪悪に笑う。
――ほう、わが主人にダメージを!
――これはこれは将来有望な娘ですニャ~!
――ああ、でも駄目だ。魔猫の君が気に入ってしまった、我らのオモチャにはできまいて。
ネコたちが天使を押しのけ上から下へ。
上下の感覚など構わずに、夜となった空と校舎と校庭を駆けまわる。
ぷにぷにぷに、肉球の音がする。
領域を乗っ取られた車椅子の乙女が、ぎぎぎっと強く手すりを掴み。
引き攣った声を漏らす。
「な、なによこの猫!」
声に反応したスフィンクスたちが、ギロ。
ギロギロギロギロギロ!
ギロギロギロギロギロ!
ギロギロギロギロギロ!
『あまり虐めないでおくれ。それは私のオモチャなのだから』
表情のない、黒い顔を浮かべるスフィンクスたちが私に向かい礼をし。
王を称えるしぐさで跪く。
その中央、大魔帝セット一式を装備した私は玉座の上で、くはははははは!
私、華麗に顕現!
猫目石の魔杖を闇の中で輝かせ。
反射するモフ毛も輝かせ、肉球をギラつかせる。
『いやあ――すまない。驚かせてしまったね。最近私は暗黒神話の力を活用し始めていてね。私の成長にあわせて、また新たな眷属が生まれたみたいなんだ。みんなかわいい私の部下。けれど、手を出さない方がいいよ。私の部下は私よりも、野性のネコとしての属性が強い。天上天下唯我独尊――彼らはね、天童君。君の腕の一本や二本がなくなっても、生きているのなら気にせず、反撃をするだろう』
淡々と告げて、闇の中へと消えていく私に。
天使たちが吠える。
バサァァアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァ!
天使たちが暗澹とした空で天使の輪を作り、詠唱を開始する。
おそらくそれはエンジェルリング。
退魔の力を持つ、神聖属性の魔術だろう。
夜を裂くように、天使たちが七重の魔法陣を百単位で掛け合わせる。
相乗効果によって生まれたのは、十重の魔法陣。
光が、収束する――。
「こいつ、なんか変よ! あなたたちの神聖な力なら、お兄ちゃんを巻き込まないんでしょう! や、やっちゃいなさい!」
妹君が慟哭にも近い声を上げ。
応じた天使たちが聖なる輝きで私達を照らす。
だが――。
キイィイイイイイイイイィィィィィィィィッィイィン!
清浄なる光を受け、ぶにゃはははははは!
毛のないスフィンクスたちは、ビーチパラソルを用意して、どでん♪
――ほう、日光浴ができますニャ~♪
――にゃははははははは! 笑止! 天使の光など我らには通じぬ!
――焼き芋をもて! 聖なる種火でこんがり美味しくしてくれるのニャ!
クトルゥフ属性はカオス。混沌とした力――自由奔放なスフィンクスたちは鷲の翼をはやして、くははははは!
ノーダメージである。
むろん、私も無傷で焼き芋を量産している。
妹君が肺を震わせたような、悲鳴を上げる。
「そ、そんな! だ、だって、十重の魔法陣って、さ、最強の力なんでしょう! なんでよ、なんで効かないのよ!」
『十重の魔法陣……その十の重なりは限界を示す数字ではない。魔術式が現実世界に具現化する時に見える最大の数ってだけさ』
少女の車椅子の足元。
少女自身の影から生まれた闇の中から顔だけを出し、ニヒィ!
わが尊顔を見せつけ、ヒゲをピンピンにして言ってやる。
『十重を超えれば横に広がったり、装飾が派手になったり、並列して同系統の多重魔法陣が生まれたりする。まあ十重の魔法陣を生み出せるだけでもとても素晴らしい才能だ。たとえ、年月をかけて手駒を増やした結果だとしても、誰にでもできることじゃない。誇り給え、君には魔術の才能がある』
告げて私は再び影の中に消えて。
ぶにゃははははははは!
今度はチェシャ猫のように、木の枝の闇に顕現してモフモフボディをふわり。
『それじゃあちょっと披露してみようか。魔力解放――』
「お兄ちゃんとわたしの再会を邪魔するなんて、許さない! また吹き飛ばしてやるんだから!」
少女の髪が広がる!
彼女は先ほどと同じ要領で空間を歪曲。
見える部分の空間に干渉し、その空間に一種の虚無空間を顕現させる異能だろう。
空間座標に無という空白を作り出す、そう思ってもらえばいいだろうか。
そこにいる者は、空間ごと虚無に塗りつぶされ。
起こったのがさっきの腕吹き飛ばし現象。
だが、今度はそうはならない。
私は焼き芋の皮を相手の虚無を利用し削り、目の前で美味しくいただいてやる。
「どうしてっ、さっきは効いたのに!」
『知らなかったのかい? 今、この世界ではネコを虐めることはできない。私というネコの神がいて、魔王陛下というネコを愛する偉大なる御方がいる。我ら二柱がいる限り、ネコは無敵。そういった現象そのものがキャンセルされる。ネコ特権が生まれているのさ』
そう。
つまり、神父姿だとダメージを受ける可能性もあるが、元の猫の姿なら相手の干渉力を上回り。
ノーダメージ!
食べ終えた焼き芋さんに、ゲップと息を漏らし。
私はそのまま空にジャンプ!
ついでに空中でストップ!
天使よりもさらに上空。
空一面に、万華鏡のように回転する十重の魔法陣を生みだし。
指導するようにドヤ顔を浮かべる。
『ほら、どうだい。同じ十重の魔法陣でも大きさがこんなに違う。君ほどの才覚があるのならば、わかるだろう?』
「うそ……あの万華鏡の模様、ひとつひとつが十重の魔法陣……っ」
車椅子を握る少女の表情が、白く曇っていく。
血の気が引いているのだろう。
はらりと乙女の前髪が風に揺れる。
『分析もできる、それもいいね。君、魔王軍に入らないかい? 経緯はどうあれ、君はもう人を殺している。それは復讐だったのだろう。身を守るための手段だったのだろう。けれど、キミ自身が望んで殺めたことなど一度もなかったはずだ。怖くてそんなことはできない……そうじゃないかな? けれど君はやりすぎた。魔性となってしまった。間に合わなかったことは悪く思う。それでもあえて言うよ』
私は魔族としての声で言う。
『君は――もう、元には戻れないよ』
「見透かしたつもり……っ? やっちゃって、天使たち!」
ぞっと鳥肌を浮かべる少女には悪いが。
彼女はもう日本では生きていけないだろう。
完治できない心臓病もそうだが、なによりも、既に彼女の価値観は狂っている。
『虐めてきた生徒や先生を殺したのかな? 操ったのかな? それはいいよ。私でもそれは許容できる。自分を守るためだからね。けれど、危険があると知っていて他者に異能力を渡した。主人に復讐すると知っていてMMOゴースト達に力を授けた、それはとてもいけないことだ。凶器を渡して、知りませんってわけにはいかないだろう? 君は一度、罰を受ける必要がある』
今のままでは少女はダメになる。
現実世界とのブレが大きすぎると私は感じていた。
「偉そうに説教をしないで! 助けてくれなかったくせに! お兄ちゃん以外、だれも、何もっ、わたしを見てくれなかったじゃない!」
悲痛な叫び。
それは、心臓病という枷のせいで両親から見捨てられた少女の本音だったのか。
全寮制の学び舎という生き地獄のような暮らしの中で欲した、救いへの願望だったのか。
心情的には彼女に私は同情していた。
もし、まだ力のない彼女と出会っていたら同じように力を目覚めさせていただろう。
けれど――。
一度、けじめはつけさせるべきだ。
空に舞う天使たちが私という一点に向かい、渦となって飛び掛かってくる。
バサササササ!
白き翼から羽が舞い散る。
こちらは相手を傷つけることはできない。
けれど、拘束なら可能だ。
肉球から魔力を操作し――私の口は詠唱する。
万華鏡が回る中。
オーロラ色の光を受けて、私は魔術を解き放つ。
『始原解放――神話再現・アダムスヴェイン:《菩提樹の悟り》』
別にこの間のウルタールで、ワンコが仏教的な神様の力を借りていたから対抗した!
なんてことはない。
ただ偶然、本当に対抗意識なんてなく――!
悟りの境地に至った開祖の力を再現した神話再現を発動!
菩提樹が、太陽に向かって凛と伸びた。
次の瞬間――。
世界に輪廻と静かなる精神世界の波動が広がった。
異なる聖なる力の前に、天使たちの一部が怯み。
その翼を畳み、虚無の彼方へと帰っていく。
おそらく、異能力者のもとへと帰ったのだろう。
言明するつもりはないが、今、力を借りた存在は最高神クラスの異教の神。
第一世界では最も多くの信仰心を集めている存在の一人。
最もといいつつ、その中の一人というのは矛盾があるが――そこはそれ、いろいろと察して欲しい。
当然、アダムスヴェインとしても最高位に位置する。
その波動が少女の中に憑依している聖母を刺激したのか、後光を纏いそれは顔を覗かせた。
……。
たしかに、白山羊ではない。あのマリアではない。
けれど、黒山羊さんが、メェェェェっと顔を出していて、私をじっと見た後にすぐに姿を消す。
あ、読めた。
わかった。これ、第二世界、大魔王ケトスによって滅ぼされた世界の魔王様のお母さんだ。
はいはい、そうだよね。
『そりゃそうか。レイヴァンお兄さんにも第二世界の闇落ちお兄さんがいたんだ、闇落ち聖母がいても不思議じゃないってことだよねぇ……微妙に、事件がつながってるでやんの……』
たぶん、白山羊さんこと白のマリアは確信犯。
黒のマリアが動いていることを察していたんだろうなあ。
で、私を巻き込んで解決させようとしていたってことかもしれないが。
「お願い、天使たち! お兄ちゃんを連れてきて!」
命令に従った天使たちが、いったん空に浮かび上がり。
後光を背負い、魔力を充填。
流星群の様に、その身を光の弾丸とし降り注いでくる。
ま、油断さえしていなければ天使の対処は簡単。
今度は神父の人型モードに変身。
長い腕を伸ばした私は掌の上に浮かべた聖書を翳し、バササササ。
主に祈りを捧げる。
『我が名はケトス。大魔帝ケトス。汝らの父たる存在の子、ロゴスの腹心なり。さあ、天使たちよ――祈り給え、そして祝福せよ。汝らの主の言葉を今、君たちに告げよう』
神の祝福は私にとっても得意分野。
聖光を湛え、聖人たる表情で私は手を翳す。
《全てのネコに光あれ――》。
私の祝福の言葉が、周囲の天使の力を奪い取っていく。
天使が私の頭上で輝きだし。
ネコを称える讃美歌を披露し始める。
「な! どういうこと。天使がわたしの言うことを聞かないなんてっ」
『君は優秀だ。その証拠に本物の天使の流れを汲んだ存在を召喚した。けれど、それが君の過ちさ。天使はより上位の神性に従う。悪いけれど、君と私とでは存在としての格が違う。これは驕り高ぶりではなく。純然たる事実さ』
こちらは百を超える天使を殺すことはできない。
彼らはそれぞれ異能力者の魂とつながっていて、天使を屠れば異能力者も死んでしまう。
そして彼らに力を授けている妹くんを殺しても同じ、リンクした魂の影響でつながっている異能力者が死んでしまう。
ようするに人質なのだ。
まあ、乱暴なやり方での簡単な解決方法はある。
私の魔力で滅ぼせばそれで解決。
私は私の魔力で滅ぼしたモノなら、ある程度の制限や条件、限界もあるが蘇生は可能。
問題は一つ。
私が未成年でまだ十五歳前後の少女を殺したくないという事。
だからこそ私は天使の支配権を奪ったのだ。
『何事にも上は存在する。君も今までは誰かの上位の存在で、その力を使い身を守ってきたのだろう。けれど、私は君よりも上位の存在だ。だから、君のわがままは通用しない。それだけの話だよ』
告げて私は聖職者のストラをバタバタとさせ。
指を鳴らす。
暗黒神話の波動が、発動する。
『汝その名はヒュプノス――さあ、終わらない夢の中に君をいざなおう』
少女に向かい、端正な顔立ちをした異国の男が布をかぶせていく。
ヒュプノス。
クトゥルフ神話にも名を連ねる、眠りの神。
これで終わりだと――黒幕だった少女を眠らせようとした。
その時だった。
赤い光が、無数に広がり始めた。
それは群れとなったネズミ。
でち助だ。
車椅子で身をかがめる少女を守るように立っていたのは、黒衣の神父。
少女の腹違いの兄、野ケ崎要。
わが弟子はヒュプノスの呪縛を打ち破り、ギリっと私を睨んでこういった。
「すまない、師匠。だが――オレは兄として、誰も頼る者がいなかった少女を前にして。どうしても我慢できなかった」
「お、お兄ちゃん!?」
それは少女にとっても青天の霹靂だったのだろう。
思わぬ助け船だったのだろう。
「モフモフ師匠、オレは自分が間違っているとわかっている。妹がやってきたことは悪だ。けれど、こうしなくてはいけない、こうしたいとオレは心の底からそう思った」
だから、すみません。
と。
兄は敵わないと知っていながら、私に牙をむき。
眷属であるネズミを大地に這わせ異能の波動を滾らせたのだ。
『私は無辜なるモノを殺した彼女を許さない。その意味は、分かっているね?』
「承知の上で――オレはあなたと敵対します」
妹はこの場で庇われるとは思っていなかったのだろう。
言葉を失った様子で、けれど瞳にうっすらと涙を浮かべ。
何も言えずに、その大きな背中を眺めていた。
兄は自分が間違った選択をしていると知ったうえで。
妹を庇っている。
それはきっと、彼女にとっては大いなる救いとなったのだろう。
ああ、これだから人間は美しい。
人間の心は、私にも想像していなかった波を見せてくれる。
それでもやはり、けじめは必要だ。
敵対した裏切り者を私は、穏やかな瞳で眺め――告げる。
『それが君の選択ならばいいよ。けれど、私は大魔帝として君と君の妹を殺す。覚悟は、いいね』
私は――。
魔力を滾らせた。




