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カピバラ が あらわれた。 ~魔猫は どうしますか?~その2



 私への対策バッチリな古き神を宿した魔獣、カピバラパパ!

 狂ってしまったとはいえ。

 魔王様の父上だけになかなか強敵な、タワシボディともごもごネズミ口を見て。


 大魔帝ケトスな私はふかーく考える。


 相手はこちらの対策を練っている。

 けれどそれは、女神クレアが持ってきた情報に依存している部分が多い。

 ようするに、偏った情報なのである。


 ……。

 ていうかさあ。

 このネズミ、ネコちゃん相手にちょっと生意気じゃない?

 そもそもだ。

 憑依されてるからって、ネコ様にネズミちゃんが逆らうってどうなの?


 そういう狩る側と狩られる側な、種族的な問題に――。

 ムスッ。

 不機嫌そうに、モフしっぽをバタタタタっと蠢かす私も可愛いわけだが。


 心配そうに眉を下げるヘンリー君が私に言う。


「駄猫、どうするつもりだ? いざとなったらボクの張っている結界から強制退去。ようするに脱出もできるけどさ……っ! こんなやばいカピバラを置いて逃げるわけにもいかないだろう!」

『おや! 逃げると言いださないなんて――なかなか勇気があるじゃないか』


 まあヘンリー君のいうとおり。

 ここは一時撤退するよりも、ここでどうにかしておく方が世界のためにはなる。


 妙に余裕のある私に、獣的な直感で違和感を覚えるのか。


 狂える古き神。

 聖父クリストフことカピバラパパが、んー?

 つぶらな瞳を細め、眉を顰める。


「こちらはその女神さえ落としてしまえば勝ちなのだ! ふぅぅぅぅぅぅううぅむ、分からん! なぜそんな生意気なドヤ顔をしていられる!?」

『たしかに君はよくやった。久しく苦戦を知らなかったこの私をこうして、悩ませたのだからね。情報収集の大切さを実感するよ。実際――こうして君は私に対しても、有効な手段を取れているのだから』


 声のトーンが切り替わる。

 私の猫口は尖り。

 大魔帝――魔王軍最高幹部としての声音と魔力で、蠢き始める。


『けれど――だ。いいかい? 情報はちゃんと正確に把握していないと、意味がない。むしろ逆効果になってしまうことだってあるということさ。それを君に教えてあげるよ』


 聖戦が繰り広げられている大迷宮最奥。

 その神聖な魔力に満ちたフロアに、ひびが入る。


 教師の声音になった私の影が、ぎしりと歪んでいったのだ。


 相手が厄介なのは、古き神の幻影を大量に抱えている事。

 つまり。

 本来なら受けきれない攻撃も、対応に特化した神の亡霊を憑依させる事で、回避。

 臨機応変などという言葉を超えて、迅速に、完璧に対応できる万能さにある。


『だったら、答えは簡単だよねえ!』


 告げて私は十重の魔法陣を纏い、モードチェンジ!

 ザザザ、ザァアアアアアアァァァ!

 黒衣の神父姿となって、聖者ケトスの書を片手に再顕現!


 これで魔王様と二人の美丈夫が並んでしまうわけで。

 全国全世界の御婦人を魅了してしまう心配もあるが、それは別問題として――。


 私は悠然と、淡々と聖なる書を片手に邪悪なスマイルを浮かべる。


「んぬ? 人間形態だと!? その姿は手加減に特化した姿だと聞いていたが、キサマ! 我等を愚弄する気か!」

『君達に奇跡を見せてあげるよ――』


 宣告した私は、ゴゴゴゴゴゴっと背後に闇の炎を浮かべていた。

 何をしようとしているのか。

 誰も何も察していないようだが――。


 その気迫だけは察したようで。

 空気も魔力も、シリアスとギャグの境をいったりきたり。

 混乱した様子で蠢きたっている。


 マーガレット君が、うっ……と頬に汗を滴らせ息を呑む。


「ま、不味いっすよこれ! たぶんケトスさま、攻撃でダメージを受けたもんだからどんな外道な手段を使ってでも、無双するつもりっすよ!」

「いや、しかし! 拙僧にはコレを簡単に倒せるとはとても……」


 モンク僧カイン君が狼狽する中、ヘンリー君がぼそり。


「いーや、駄猫なら。先生なら絶対にやるね」

『よく見ていたまえ、特にヘンリー君。死神の能力、すなわち死を司る神としての権能を活かした戦い方をね!』


 カツンと前に出た私の周囲に、ブォォォォォっと魔力波動が浮かび上がる。


「祝福系の奇跡だと? ふん、何をするのかと思えば! どうせ浄化の光で我等神霊レギオンの結束を打ち破ろうとか、そういう、力任せな手段であろう! だーが! そんなことは想定内、どんな攻撃が来ようともこちらは対応できる! 全てが我らがシナリオ通り! 遠距離攻撃も無効! おとなしく我等の新しき神――楽園再建のための神輿となるがいい!」


 構わず――!


『現世に留まりし古き神、レギオン達よ――君達にチャンスを与えよう。そうだね、まずはそこの武神の君がいい!』


 ビシっと指差し――ニヒィ!

 口角をつり上げた私は詠唱を開始。


『さあ、我が声に耳を傾けよ!』


 聖者ケトスの書を浮かべ、憎悪を纏い黒く微笑をする私。

 とっても神々しいね?

 神殿フィールドに十重の魔法陣が広がり、床を抉りながら回転する。


 ゴゴゴゴゴゴゴゴオ!


 この時点で、魔王様は私がなにをしようとしているのか察したようで。

 なるほどね、と苦笑を漏らす。

 荒れ狂う魔力の奔流が、周囲を巻き込み混乱を招くが――。

 気にしない!


『我は囁き祈り願う。汝、”落ちし古の神”よ――願え、歌え、詠唱せよ! ネコに魂を捧げよ――そして、肉球に念じたまえ!』


 詠唱に導かれ、術は解き放たれた!


 《神霊復活魔術:灰より救われし者!》が発動!


 効果は灰からの蘇生を応用した、レギオンからの蘇生。

 成否の判定は――もちろん成功。


 きぃぃぃぃん!


 大迷宮に極光色の輝きと魔力が展開される。

 奇跡で満たされ。

 儀式を受ける神霊は、歓喜の雄たけびを上げた。


 ――ぁぁ、我は今ひとたび、この世界に生を受ける事が叶うというのか!


 選ばれた武神の神霊が、カピバラパパの頭上から消えていき。

 その魂が再誕。

 ようするに――私は古き神の端末の一つを蘇生させたのである。


 タワシ獣毛を揺らし、聖父クリストフが動揺して咢をガガっと開く。


「な! 神を蘇生しただと!?」

『多重詠唱、ダブルマジック! 我は汝を招きし者、故にこの契約は対価となって汝を戒める。我こそが神、汝こそが信徒。故にこの魔術、抗う事を禁ず!』


 すかさず次の魔術も展開!

 強制転移魔術:《石棺たる天衣無縫てんいむほう》が発動する!


 じゃきぃぃぃいいいいいいいいいぃっぃぃぃぃぃぃぃぃぃっぃん!


 今度は、授業でもみせた強制転移魔術である。

 蘇生した武神をそのまま転移。

 もちろん移動場所は――。


 いしのなか。


 それも神封じの石……どっしりとしたネコ魔獣の重しが乗っている、光の柱代わりに建った。

 キャットタワーの中である。

 よーし! これで物理攻撃を防いでくる厄介なパーツを封印完了!


 ここでドヤをひとつまみ。


『ふふふふふ、ふはははははは! 神封じの石櫃せきひつで永久に漂い続けるといい!』


 完璧なコンボを目の前に、周囲は騒然としている。

 これぞ崇高なるドヤタァァイム!


「バカな! ありえぬ! たしかにキサマは灰から人を蘇生させてみせた! なれど、なれど! なぜだ!? たとえ神を蘇生できるほどの技術があったとしても、魔力が足りぬ! それほどの魔力がどこから来るというのだ!」


 カピバラパパさんは気付いていないようだが。

 こちらのメンツは全員気が付いている。


 魔王様が――私の頭上、ゴゴゴゴゴゴオっと浮かんでいる憎悪の魔力を眺め。

 解説を開始。


「そりゃあネコの恨みは凄いからね。攻撃をされてダメージまで受けたのなら、もう大変――激おこプンプンだろうさ。そう――猫は恨みを忘れない。かの魔獣こそが復讐者の王。憎悪は絶大だからね。そして我が弟子、ケトスは憎悪を喰らう魔性。もうその時点で条件は整っている。ダメージを魔力に変換できる者、それが我が愛しきケトスの本質。彼は他者に依存せずとも、無限の魔力を引き出せる存在なのさ」


 魔王様が親バカ自慢をするように、早口で語りだしていた。

 そう。

 私はダメージを受けた事への憎悪を、自分で喰らって魔力としているのである。


 そして、その源は私が怒り狂う限り、湧き続ける。

 ようするに。

 実はメチャクチャ、ブちぎれていたのだ!


 こっちは魔王様の前でいい格好をしたかったのに!

 おのりぇ! ぜったいに、ゆるさんのニャ!


 ところで激おこプンプンって……魔王さま……。

 言葉のチョイス問題はこの際、忘れて私は言う。


『さあ! 次は誰が蘇りたい? いしのなか送りとはいえ、蘇生は真実。いつか封印が解かれ蘇る機会もあるだろう。自主的に協力してくれた神には、恩赦がでるかもしれないしね。早い者勝ちさ!』


 宣言すると、カピバラパパさんの身体から瘴気が漏れ始める。

 くぉぉおおぉぉぉぉ!

 蘇生しろ! 蘇生しろ! と、くぐもった声が流れ始めたのだ。


 慌ててカピバラパパがタワシボディを抑え、くわっ!


「バカ者ども! あ、あのような甘言に惑わされるな!」

『けれど蘇生は真実だ。はい蘇生! はい、いしおくり! さあ、早くしないと私の魔力が尽きてしまうかもしれないよ? こんなチャンスを見逃すほど、君達は愚かじゃないよね?』


 告げた通り、私は蘇生を求め分裂し始めたレギオンをチョイチョイのチョイ♪

 個別に最速対応!

 まさに! 黒ネコニャマトのなんちゃら便!


 漂い荒ぶっていた古き神を蘇生させ、いしのなかへ直行を繰り返す!

 これは攻撃ではない。

 つまり遠距離攻撃無効も意味をなさない!


 大いなる導きが、冷たい美貌を和らげ――眉を下げて苦笑を漏らす。


「あらあらまあまあ。聖父クリストフ様、同胞を失い……どんどんと弱体化していきますわね」


 サディスティック女神スマイルに続き、私が言う。


『狂信クリストフ――その力の根源は他者に大きく依存していた。強さの秘訣は本人ではなく、他人との集合体だったことにあるのだからね。それは最大の弱点なのに、君は情報を見せびらかせ過ぎた。まあ? この私に? ダメージを与えたんだから!? その点だけは褒めてあげてもいいけどね! けれど、私達の勝ちは揺るがないのである!』


 ブニャハハハ! と、ついつい猫笑いをしてしまったせいで、神父姿の頭と腰からネコのモフ毛がモコっと顕現してしまう。

 ポン!

 あ、姿が猫に戻っちゃった。まあ、もういっか!


 すかさず私は肉球ダッシュ!


『やーい! ざーこ、雑~魚! ねえねえ! ずっと温め続けてきた作戦を潰されたってどんな気持ち!? ねえねえ! 教えてよお! ぶぶぶ、ぶにゃはははははは!』


 超神速で、シュンシュンシュン!

 ぐぬぬぬと唸るカピバラさんの周囲で、ブニャハハハハハハ!

 いやあ!

 これよ、これ! この”ぐぬぬぬ”が聞きたかったのである!


「まだだ! たかが主要なる古き同胞を奪われただけ。アダムスヴェインは我一人でも発動は可能!」


 言って、狂える神聖父クリストフは詠唱を開始。

 するが。

 そこには既に、魔術発動の気配はない。


『はいはい、無駄無駄。もうそれは見ちゃったから、君のアダムスヴェインは全部盗んじゃったよ。ちゃんとスキル欄を確認してみなよ。ほら、魔術も魔道具もぜーんぶ空だろ?』

「ま、まさか――いつの間に!」


 空気が――変わる。

 おそらく。

 聖父の視界にあるのは――全てを喰らい、全てを盗む邪悪なるネコの顔。


 黒い微笑を浮かべ。

 淡々と猫口を蠢かす闇の獣が見えているだろう。


『あっれー!? ま、まさか! 気付いていなかったのかい!? 杖でベシベシやっていた時に、アイテム空間とスキル欄に干渉していたに決まっているじゃないか!』


 むろん、嘘である。

 あの時は本当にただ鈍器で殴って、レベルを吸い取っていただけ。


 実際は、ざーこ! ざーこ!

 と、揶揄っていた時にこっそりと頂いてしまったのだ。

 ただ煽っていただけではないのである!


 これぞ必殺!

 キサマの攻撃など最初からすべて見切っていたのだ! 攻撃である!


 カピバラさんが鼻をフニフニと興奮で揺らしながら、ビシっと私を指さす。


「さてはキサマ! 大魔帝ケトス! おまえ、ギャグキャラであるな! あの強力無比な性質、ギャグ属性を持っているのだな!? そうでなければ、この強さを説明できぬわッ!」

『失礼だねえ。ギャグキャラは君だろう。私はいつだってシリアスさ』


 そう――彼の強さの秘密はギャグ属性。

 フォックスエイルやホワイトハウル、そしてロックウェル卿も有している特殊な属性である。

 あの厄介な性質を持っていたからこそ、このナマモノはここまで私を苦戦させたのだろう。


 不利を悟ったカピバラさんは、魔法陣を展開!

 どうみても、これは逃げの一手か!


「くそ! 仕方あるまい、ここは戦略的撤退である!」


 蘇生した神達を”いしのなか”へ転移させたことで発生した、次元の揺らぎ。

 その隙間。

 でっぶりとしたタワシボディを、グググググっと潜り込ませようとするカピバラパパ。


 瞬時に邪魔したのは、マーガレット君とカインくん!


「させないっすよ!」

「神よ! 往生際の悪い真似はおやめください!」


 カイン君的には、やはり昔に信仰していた相手。

 心境は複雑なようである。


『逃げられても困るし、聞きたいこともあるし――うん、そうだね。こうしよう!』


 次元を逃げるその背中を見た私は――ネコの丸口を、にひぃ!

 偉そうに腕を組んで!

 尻尾をくるり♪


 モコモコモコッ――とモフ毛としっぽを魔力波動で靡かせ。

 私は赤き瞳を輝かせる。


『さて――巨大ネズミさんには、とりあえず眠っていてもらうよ! 初級睡眠魔術:《ヒュプノスのかいな》!』

「バカめが! 我に初級睡眠魔術など効かぬ!」


 宣言と共に、ダダダダダダ!

 走り逃げる珍獣カピバラさん。


 しかーし!

 肉球の先から飛ばした私の魔術が、逃げようと走るカピバラパパをガッツリ掴み。

 ぐぎゅ!


「げふぇ! こ、これは睡眠ではなく……き、気絶……っ――」


 もきゅ~♪

 皆の目の前には――神を宿したカピバラさんが一匹。

 目をグルグルとさせた、でっかいネズミさんが転がっていましたとさ。


 安全第一。

 こちらの防御の要である大いなる導きを、ずっとガードしていた魔王様が緊張を解いて。

 ふう……。

 戦いの後の優雅な吐息も美しい。


 そのまま陛下は困った顔で、地で眠るソレを見て。


「んー……さすがの女神クレアも――ケトスがダメージを受けた時の反応までは、調査できていなかったようだね」

「わたくしも初めて見ましたわ。ダメージを受けるとその憎悪を自らで喰らい、更に強化され続ける……ですか。まあ、ケトス様ならなんでもありなのでしょうが……敵にすると厄介な性質ですわね」


 と――大いなる導きが、くすりと微笑しながら呆れ声。


 まあ、例の異世界三獣神ならともかく。

 私にダメージを与える状況なんてあんまりないからね。


 以前、イチゴパフェ案件の魔竜の時にも一ダメージを受けた事があった。

 その時も、ちょっとブチ切れちゃったりもしたのだが。

 ……。

 今となってはイイ思い出である!


 さて、これからが問題で。

 古き神の魂が抜けたカピバラさんには、例の聖父クリストフパパだけが憑依している状態にある。


『おそらくこの聖父こそがレギオンの核となり、カピバラと他の神との接着剤の役割となっていたのかな? この人の蘇生は……絶対に不可能とは言わないが、だいぶ難しいだろうね』


 んーっと猫顎に肉球をあてて悩む私に、ジト目のヘンリー君が言う。


「ていうか、これさあ。元のカピバラの魂とも混ざり合っちゃってないか? たぶんだけど、元のお父さんってこんな愉快な性格じゃなかったんだろう?」

「はい。わたくしが知る限りでは、良くも悪くも……厳格という言葉を体現したかのような御仁でしたわ」


 それなのに、あの性格と。


『じゃあ、このお父さんの魂を消滅させちゃうと、元のカピバラさんも消滅しちゃうわけだよね……憑依されてた子には罪がないからなあ……』


 ……。

 これ……どうしよう?



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― 新着の感想 ―
[一言] …例のAAの格好で「ねぇねぇ今どんな気持ち?」って連呼しながらカピバラの前で反復横跳びするケトス様が脳内再生されました。
[良い点] あ…。クリストフパパやられたね。((o(^∇^)o)) [一言] あはは((o(^∇^)o))見事な返り討ちでしたね!ケトス様《*≧∀≦》 でも、クリストフパパを消すとカピバラさん消えち…
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