攻略ラストタワー ~にゃんこ(強)と愉快な仲間達~決着前編
黒マナティーによる反射能力で巨悪を討ち、勝利のポーズをくははははは!
開いた次元を渡って最上階へ!
我等、大魔帝ケトスと愉快な仲間たちは――ついに、ダンジョンタワーの天辺まで登りきったのである!
ビシ!
最上階の雰囲気はまるで火星基地。
とても宇宙的な空間だった。
素敵ニャンコな私は、かわいい顔をキョロキョロ。
膨らむ頬毛からネコひげをぴょんぴょんさせて、今回の敵を探す。
アン・グールモーアだっけ?
星やら天体系やらの破壊魔術の奇襲攻撃を反射されて、直撃を受けた筈なのだが。
私を追ってやってきたヒナタくんたちが、顕現。
「ちょっとケトスっち! 置いていかないでよ!」
『ははははは、ごめんごめん。敵を捕捉すると猫魔獣のハンターとしての血が騒いでしまってね――っと、いたいた、ガレキの下に埋まっていたんだね』
レベルも上がりまくった私は肉球を翳し、瓦礫を撤去。
壊滅状態になっている敵の本陣を、じぃぃぃぃぃぃぃ。
自身をダンジョンタワーの領域ボスに設定してあったのだろう、踏破報酬の宝箱も顕現していた。
つまり――。
『これで攻略完了だね! 完全勝利である!』
「やりましたね! 我が主!」
元はこの床に転がっているアン・グールモーアの端末の一つだった、ハチワレにゃんこなホープくん。
その肉球拍手を沢山受けて、私もご満悦。
ついつい肉球フリフリで応じ、ドヤ顔をしてしまうのである。
残念美人姉弟で、今回の事件の被害者でもあった家族。
グレイスさんとトウヤくんも顕現。
「これで魔力吸収灰化事件も解決、っすね」
「あなたを――転移帰還者達を誘拐した犯人も、ようやく逮捕できますね。ありがとうございます、ケトス様。みなさん」
グレイスさんが、ぎゅっと、一瞬だけ泣きそうな顔で異国美人風な表情を揺らし。
頭を下げていた。
さて、長かった誘拐事件もこれで終わりだ。
感動のフィナーレとするべく、私は犯人を魔術ロープで封縛しようとするが。
『え? なにこれ? ペンギン? どういうこと?』
「ペンギン、よね? スマホで認証しても……あー、イワトビペンギンってでてくるわ。どういうことよ、ケトスっち」
『ええ、私に聞かれても……』
ガガアァ……と黒い煙を嘴から漏らし、げぷぅ……。
倒れているペンギンをちらり。
えー?
なにこれ……どっからどうみても、イワトビペンギンだよね?
あの、黄色い眉毛みたいなメッシュが特徴的な、飛べない鳥さんだよね。
私はハチワレニャンコな部下に目をやり、猫口を動かす。
『えーと、ホープくん。もしかして君の本体って、これかい?』
「ええ、これですよ?」
『だって、誘拐犯の姿は黒髪の男って……』
漏らす私の言葉に応じるためだろう。
事件を追っていた一人。
グレイスさんが、公務員のような顔で赤毛をふわりと靡かせ、前に出る。
「ええ――わたし達が情報を聞くたびに、必ず黒髪の男の話がでてくる――そこで容疑者だと判断していたのですが。まさかペンギンだったとは……」
「俺も、襲われた時の記憶に、黒髪の男の姿があるんすけど――このペンギンだったとは思えない、つーか……」
二人とも困惑気味である。
ふむ。
言われて私は猫のモフ耳をぴょこん。
答えを求めて、ハチワレにゃんことしての人生を歩むホープ君をちらり。
『解説を頼めるかい? 何か知っているのならだけど』
既に我等は共にラストタワーを登った仲間達。
このハチワレにゃんこを信用している。
偉いニャンコな私と、以下、人間三名は言葉を待つ。
……。
どさくさに紛れて、トウヤくんが私を抱っこしモフモフしているけど、この際気にしない。
ついつい、くははははは! と、哄笑を上げてしまうが気にしない。
応じるようにホープくんはふわりとジャンプ。
その身を黒髪の男へと変貌させる。
「あ! この姿は――ケトスさん、これっすよ。黒髪の男!」
「わたしたちのネットワークにも伝わる姿そのものですから、間違いありませんね。しかし……この男は一体……おそらく、かつて魔力を吸収された存在、なのでしょうが」
確証を得た姉弟が声を若干、荒らげる中。
ホープくんがネコの姿に戻って、ネコ眉を下げる。
「はい――明確な記憶が残されているわけではありませぬが、吾輩らの誰かが吸収した人間の男。つまり被害者でありましょうな。申し訳ありませんが、これが誰かは知りませぬ……ただ、犠牲者の保護をされていたグレイスさんが、この御仁を知らないとなると……おそらくは」
もしかしたら、もうその男は死んでいる。
のかもしれない。
まあ、この世界には能力者同士の戦いもあったようであるし――私達も知らない組織的な何かに回収されていた、という可能性もある。
後は――さっきの黒髪の男の姿こそが、異世界で動いていた祭司のような男本人。
という可能性か。
トウヤ君が召喚された世界に最後までいた、男である。
なにかきな臭い気配を感じ、ネコの勘が働いていた相手であったわけだが。
ともあれ。
どちらにしても、今ここで判断はできない。
その辺りを今のホープ君に問うのは、酷か。
先を促すように頷く私に、ホープ君が言う。
「ともあれ、吾輩たちは人間に化ける事も可能でありまする。こうして黒髪の男と認識させた方が行動しやすいでありましょう? 実際、誰もがペンギンであるとは、思っていなかったようでありまするし。簡単な隠ぺい工作の一つでありまするよ。今でこそ主神の力を取り戻しておりましたが、我が主、殺戮の魔猫ケトス様にかつての我が世界を滅ぼされ逃げた時には、力など、ほとんど残されていませんでしたからね」
おっと、世界を一つ、正義のために崩壊させた。
その辺りの話を掘り下げられても困る。素知らぬ顔で、私は猫のヒゲをくねくねくね♪
『なるほどねえ――先入観を利用したのか。まあ、それじゃあ見つからないわけだよね――日本で黒髪の男を探すのと、ペンギンを探すのでは難易度が違い過ぎる。そういや、地球に逃げ込んだ直後はどこで潜んでいたんだい? 変身するにはそれなりの魔力も必要だろう』
「動物園でありますよ? かわいく、ガァガァと鳴くだけで新鮮な魚を貰えまするから。悪くはない環境でありました」
と、涎をじゅるりなホープくん。
黒白ハチワレにゃんこモードなので、魚の味を思い出して、でへぇ……っとする姿もまあ似合っているか。
これで人間状態だと、色々と変な事になるよね。
まあいいや。
『さて、今のうちに拘束して。ついでに――本体の情報を抜き出しておこうかな』
言いながら、私は肉球でペンギンの頭をペチペチ。
まだ生きているようである。
目をコミカルにぐるぐる回して、グアァグアァア。
寝言が聞こえてくる。
「もぉ……食べられませぬ……、いつか、吾輩……マグロを丸のみに……」
こいつ……たぶんあの凶悪無比な属性。
ギャグ属性持ちだな。
あんな魔術を反射されて生きているのだ、シリアスだったら即死だった筈だからね。
『魔力――解放。っと、記憶を読み取って――』
私はアン・グールモーアの過去と出生の秘密を知り。
猫毛を僅かに揺らす。
へぇ……と、魔術的な興味が浮かんだのだ。
『終末予言の流布により発生した人間の恐怖の感情。その畏怖の感情が信仰となり、神として生まれた存在か』
「神として生まれたって、そんなことがあるのですか?」
驚愕するグレイスさん。
驚き揺れるその貌に向かい、私は教師としての顔と声でゆったりと口を開く。
『ああ、信仰こそが神の力。人の心というモノは君達が思っているより強いエネルギー、つまり魔力を持っているのさ。それが畏怖であったり尊敬であったり、感謝であったり。ともあれ――強い心が因となって力が発生する。一種の召喚魔術としての役割も担ってしまうわけだね』
記憶を追いながら――。
例を出すべく、私は映像を投射する。
『こういう事例はどうかな。昔の人は時に恵みを齎し、時に氾濫により命を奪う川の流れに感謝と畏怖を抱いていた。よくある信仰の始まりは川の自然を畏れ、龍神が住んでいると思いこんでしまうパターンなのさ』
彼の出自は違うが、まあ一般的な龍神のイメージである天子黒龍神。
あの酒飲み朕さんの姿を映して見せて、私は演技じみた仕草で朗々と語る。
『川の恵みを享受できるのは龍神様のおかげ。逆に、川が村を襲うような自然災害が起きると龍神様を怒らせてしまったせい。そこに神などいないのに。けれど――人間達は、川を神と崇め儀式をする。龍神様、龍神様って心に想うわけさ。それは祭りだったり、祈祷だったり、様々だ。中には生贄を捧げていた、なんて事もあるだろうね』
川の流れに抗い滝登りをする鯉。
駆けあがるその姿が、本物の龍となって顕現する資料映像も流し――。
教師にゃんこの顔で、私は猫ヒゲをぴんぴん。
『その人間達の心によって、本当に川に龍神が生まれてしまう。ただの鯉だった存在が、龍神へと進化してしまう。そんな魔術現象が実際にあるんだよ。このアン・グールモーアくんのようにね、いわゆる都市伝説によって生まれる妖怪もそういう神の類に分類される可能性もあるけど――って、ちゃんと話を聞いているかい?』
長く語ったせいだろう。
「え、いや――その、アレっすよ。俺はほら、前衛の騎士っすから」
「わ、わたしは、えーと、まだ異世界の知識については、疎いですし――ね?」
トウヤくんが目線を逸らし、グレイスさんは美人顔の眉間に濃いシワを刻んでいる。
この二人……勉強はあまり好きじゃないのかな。
呆れながらも私の魔術は続いている。
魔力を辿り、魔術式を追い――どんどんとペンギン大王の記憶を探る。
だが。
その肉球が、止まる。
私の表情も――止まっていた。
語る途中で、ふと私が息を漏らし言葉を止めたからだろう。
ちゃんと話を聞いていたヒナタくんがいう。
「どうしたのよケトスっち。なんか……複雑そうな顔をして」
『いや、ちょっと今回の黒幕である、このペンギン大王なアン・グールモーアくんについて思う所があってね。もしこのペンギンの記憶が正しいのなら――』
これは、語るべきではないのかもしれない、か。
見てしまったのだ、私は。
このペンギンが、どういった経緯で神になったかを。
それは確かに。
人を滅ぼすに値する、正当な恨みといえる物語であったのだろう――と。
憎悪の魔性としての私の魂は、一瞬、赤い魔力を纏って輝き出していた。
その辺りには触れず、心の中にだけ留め――。
語っても大丈夫そうな部分だけ、抜き取ってと。
ま、わざわざ荒波を立てる必要もないしね。
アン・グールモーアが生まれるきっかけとなった現象を魔術式で提示し、私は言う。
『昔にね、オカルト雑誌などを中心として、世界が滅びるという予言がされたことがあったんだ。まあ、それは子ども向けな雑誌だったり、おもしろおかしく語るテレビだったり。ただのエンタメ、娯楽だったんだけどね。えーと、たしか――世紀末に恐怖の大王が降ってきて、終末、つまり世界の終わりを齎す神を蘇らせる。そんな感じだったかな』
終末黙示録の予言書を顕現させて、その滅びを煽る占いの一節を示し。
唯一、話を継続して聞いているヒナタくんに私は言う。
『じゃあ問題だ。その予言を聞いて信じないまでも、本当にあったらどうなるだろう? そう多くの人が想像してしまったら、どんな現象が起きると思う?』
人の心に浮かぶ魔力を魔術式として示し、教師としての顔で講義する私。
格好いいね?
もしかして私! 人間だった頃は教師だったり神父だったり、人にものを教える仕事をしてたのかな!
いや、まあ適当に言っただけだから本気にされても困るけど。
ともあれ。
ヒナタくんが応じる。
「魔術式を見る限り……。なるほどねえ……中にはあたしみたいに、異界の魔王陛下の転生体の子どもだったり、スキルや魔術に素養の強い人間もいる。そんな、魔術師の玉子みたいな人間も含んだ多くが、恐怖の大王を想像してしまう。その時に思い浮かべた恐怖の大王、滅びを齎す神を呼んでしまう存在を想像力の中で召喚してしまう。本当に恐怖を呼ぶ神として顕現させちゃうってわけね。けれど実在のしない存在だったから、本当にいるかもしれないっていう心が、こんな愉快な恐怖ペンギンを創造しちゃったってこと!?」
さすがは異界の転生魔王様の娘。
他の者は魔術式から読み取る事に失敗しているが、彼女には理解できているようである。
『ずばりそういうことさ。このペンギン大王くんは、人々の恐怖――終末の予言への畏怖がきっかけとなって生まれた存在、新しき神なのは間違いないだろう。まあ正確に言うのなら、かつてペンギンのような存在だった鳥が、信仰と魔力により進化した存在だね。川に棲んでいた鯉が龍神となってしまう、よくある事例と似ているといえるだろう。少なくとも、本人の記憶からもそれを読み取れた。だとしたらだ。その性質や本能。神としての役割は人間の恐怖の感情に従い、予言を叶える事にあるわけなんだけど』
ヒナタ君が、目線を落とす。
「そこがひっかかってるって訳ね……」
「どういうことっすか?」
ぼそりと問うトウヤくんに、ヒナタくんが頬をぽりぽりしながら応じる。
「人間の願いによって生まれた、悪役になるために生まれた邪神だってことよ。その行動理念はおそらくね、予言への期待にも似た畏怖に応える事なのよ。この終末予言の場合は――最終的に終わりを齎す神ってやつを召喚することにあるんだと思うわ。だから力を蓄えるために、トウヤくん、あんたが召喚された異世界の主神となって力を蓄えていた。全てはあたしたち人間達の、恐怖っていう願いを叶えるためにね」
召喚獣は基本的に、召喚主の命令に従うように契約がなされている。
アン・グールモーアとして、神の器に縛られたこのペンギンは行動を縛られ、その要望通りに動いていた可能性がけっこう高い。
ということでもある。
つまりは、ある意味で被害者ともいえるのだ。
まあ私みたいに、召喚されても好き勝手やらかす例外もあるのだが。
「じゃあ、俺があの異世界に……、召喚されちまったのは」
「結局のところ、おもしろおかしく終末の予言を騒ぎ立てた人間の心のせいってことね。それをどう思えってわけじゃないけど、一概にこのペンギンだけが悪いってわけでもないってことよ。けれど、いい? あなたが受けた屈辱や怒りも本物よ、そこを否定するのは止めなさい」
まるで魔王様の顔で、黒髪の少女は諭すように言った。
とても綺麗な横顔だった。
ああ、これは紛れもなく……あの方と同じ、慈悲あるモノの心。
やはり、その魂はとても高潔なのだろう。
……。
まあ、かなり性格はぶっ飛んでるけど。
「ははは、ごめんね。ちょっと変な空気になっちゃったわね。なーんか道徳の授業みたいで、あたしも納得できないけど……少なくとも魔術式からは、そう読み取れるわ。で、どうするのケトスっち。このペンギン。まさかこのまま塔に残すわけにもいかないでしょうし」
『んーむ、なかなかどうして可哀そうな存在ではあるんだけど。やらかした事は……転移帰還者を拉致して魔力を吸収。おそらく分身端末を作るために、実験として使った事。中には、残念なことに死んだ者もいるだろうからね――それはやはり、とてもいけないことだ』
たとえ召喚された神とはいえ罪は罪。
私は、深く息を吐く。
『すまないが、君達。戦利品を回収して、先に帰っていておくれ』
静かな声が、漏れていた。
存在を消滅させる。
その意図を悟ったのだろう、ヒナタくんがこくりと頷き。
あえて道化のような明るさで、他のメンバーの腕を引くように言う。
「さーて! じゃあ後はえらーい大魔帝様に任せて、帰りましょう! いやあ、あたしらこれで正義の味方よ? 帰ってみんなに自慢しなくっちゃ!」
「ちょっといいっすか、ケトスさん」
皆が帰り支度をしている最中。
トウヤくんがぼそりと呟いた。
『どうしたんだい?』
「さっき、何を見たんすか」
小さな声だった。
けれど、力も心も入っていた。
それでも私は道化を演じた。
『え? ぶにゃにゃ! べ、別に一人残って隠れた宝箱を漁ったりなんてせこい事はしないよ!』
「そういうんじゃなくて――教えて、貰えないんすか?」
ぎゅっと唇をかみしめる、その表情は真剣そのものだ。
勘がいいのだろう。
そして、私とも共に冒険をしたから――なんとなく分かってしまうのだろう。
つまり――私があえて、隠し事をしていると理解しているのだ。
それでも聞いたという事は。
……。
声のトーンを切り替え、私は言った。
『いいかい、トウヤくん。この世界にはね――もうどうしようもないことも、ある。知らなくてもいい、知ったとしても、何かを解決できるわけでもないって事もあるとね。私は、そう思うんだ』
「それでも、俺は。知りたいです。なんで、ケトスさんが、このペンギン野郎の記憶を探った時、あんな顔をしたのか」
本当に、語ったとしてもどうしようもないのだ。
けれど。
トウヤくんの想いも本物だ。
それでも――か。
人間はその言葉がどうやら好きらしいと、かつて人間だった私は知っていた。
自分はなぜ、あんな目に遭わなくてはならなかったのか。
それを知る権利は確かに彼にもあるだろう。
『先ほどのヒナタくんの言葉ではないけれど。もし、何を聞いたとしてもだ。君は君が受けた屈辱や怒りを否定する必要はない。君は被害者だ。それだけは忘れないでくれると、約束してくれるかい?』
彼は、頷いた。
私はこのペンギンの分身体。
かつての記憶と人格を共有していた、既に別ネコとして生きるホープくんに目をやる。
ある意味で本人ともいえるのだ。
彼も当然、私がペンギンの記憶から何を見たのか知っている。
だから確認した。
『語っても、構わないかい?』
「我が主の御心のままに――」
恭しく礼をする黒白ネコ。
そのハチワレ模様がまるで執事服のように思えて、少しだけ……心が和んだ。
もうすぐ日が暮れる。
祭りにはまだ間に合う。
夕方を過ぎたら、召喚魔術によるゲストライブだ。
ダンジョンタワーを覆っていたテクスチャーが剥がれ始めている。
衝撃のせいだろう。
その割れた天井から、沈みゆく夕日が覗いていた。
終わる一日の物悲しさの中。
私の猫口は語りだす。
なぜ、アン・グールモーアは――。
いや、このペンギンが。
人々の終末予言の影響を受けアン・グールモーアへと進化したのか。
彼の物語を――紡ぎ始めたのだ。
太陽はまだ、沈んでいない。




