残念美人 ~ニャンコ、スマホゲームを知る、の巻~
サブカルチャーも発展した、遠き青き星。
地球。
この――かつての故郷が五年だか、十年以内に滅んでしまうのはどうやら確からしいのだが。
救えるかどうかは別として、とりあえず調査しにやってきたのは、この私。
最強ニャンコな大魔帝ケトスである!
そして。
共にソファーに座り、出された紅茶にミルクをだばだばと落とすのは――。
聖剣使いの黒髪女子高生ヒナタくん。
ちなみに彼女も、人間としてならば最上位の強さを持つ勇者である。
襲撃に会った私達は相手を返り討ちにし、脅し……いや、事情を聞くべくトテトテトテ。
とある雑居ビルの一室に足を踏み入れていた。
私も紅茶にドバドバドバっと蜂蜜を垂らし、肉球で掴んだスプーンをくるくるくる♪
尻尾もついでにくるくる♪
甘さと温かさを味わった後、げっぷと息を漏らしながら言った。
『で、なんでまた私達を襲ったのさ――まさか魔力を持っている相手を、片っ端から襲撃しているってわけじゃないんだろう? 殲滅するかしないかは事情を聞いてから考えようと思っているんだけど。どうなんだい』
詰問するようにネコ髯をぴくぴくさせる私。
かわいいね?
それに。
まるで刑事みたいでかっこういいかも!
返事を待ちながらも私は室内をチラリ。
静けさの広がっているここは、組織と名乗る彼らのアジトの一つらしいのだが。
並ぶのはズラーっと揃った漫画の山。
なんか、漫画喫茶みたいなイメージの場所である。
ソファーに座る私達の前。
黒服男女を後ろに控えさせる赤毛美人な襲撃者――。
立花……。
立花……えーと、グレイスさん!
相手は黙ったまま、部下達と目線で会話をしている。
『話す気があるからここまで連れてきたんだろう? 先に言っておくけど、私、ある程度なら人間の心が読める賢きネコだからね? 最終的には全部聞き出すつもりだし、隠さず話してくれると魔術を使う手間も省けていいんだけど。どうかな?』
とっとと、吐け~♪
そんなプレッシャーを発生させる私の猫毛が、もふぁもふぁっと膨らむ。
ソシャゲ中毒者な異国赤毛美人さん。
立花グレイスさんが、ネコちゃんの肉球に捕まっている人質のスマホを見ながら。
チラッチラ。
「えーと……お答えします。お答えしますが……っ」
汗をダラダラとさせて、膝の上で拳をぎゅっと握り言う。
「まずはスマホを返していただくことはできないでしょうか? お恥ずかしながら、わわ、わたし、そ、それがないと落ち着かなくて……」
声はあからさまに動揺し、上擦っていた。
これを人質に、色んなことを聞いてしまおうと思っているのだが。
効果がてきめん過ぎて。
なんというか……こっちが申し訳ない気持ちになってきてしまう。
『ねえ後ろのお兄さん。この女性、スマホがないといつもこんななの?』
チラリと彼女の部下に目線をやる。
背後のいかつい金髪黒服が、オウ……と、ハワイアンなため息を漏らしながら肯定するように頷いている。
まあ、出身がハワイかどうかは知らないけど。
『なるほどね。最後まで質問に答えてくれるって約束するなら、先に返してあげるよ。なんか可哀そうになってきたし』
妥協する私の言葉に、ガバっと凛々しい顔を上げて。
グレイスさんは宝塚ボイスで言う。
「そうですか。ふふ、あなたは意外に紳士なのですね。いいでしょう、負けと認めます! なんだって答えてさしあげますよ! だから……そのっ、わたしの車崎セイヤくんを早く返して!」
威厳あるボスとしての顔と、スマホを返して欲しい感情が混ざりまくっているのだろう。
この人。
黙ってれば本当に知的ワイルドっぽい美人さんなのに……ね。
約束をする。
その言葉を楔とする魔導契約書を作成して、私は言う。
『これが魔導契約書さ、君のスマホを返却してあげる代わりに――君は私の質問に全てウソ偽りなく答える。そういう魔術が刻まれているんだが、約束できるかい?』
「します、ええ、誓います! セイヤくんに誓います!」
ダンと、前のめりでテーブルに両手をついた彼女が――私の猫ヒゲがぶつかるギリギリまで顔を近づけてくる。
テーブルと共に揺れる紅茶を、ヒナタくんのとっさの魔術が支えていなかったら大惨事。
今頃少し零れていただろう。
既に叡智あるネコな私は確信していた。
あ。
やっぱり、この人、ダメな感じの人だ――と。
老婆心を刺激された私は、なぜか心配になってきてしまい。
『あ、あのさあ……、魔導契約って実はけっこう怖いんだよ? ちゃんと読んでから承諾しないと、騙されるよ?』
「あなた方はそういうことをしないと思いますよ? それほど強いなら、そんな手段を使う必要もないでしょうし。それになにより――わたし、これでも人を見る目に自信がありますので。わたしはわたし自身の目を信じたい、そう思っているだけなのです」
胸にそっと手を当て、ふふっと微笑む顔はまさに知的。
おや、静かな笑顔を作るとけっこう様になってるな。
まるで上司にしたいランキングに入ってきそうな、貫禄ある女性っぽさがある!
横に座るヒナタ君も、へぇ……と感心しているし。
評価が上がったその途端、彼女はふっと斜め下を見て――。
「まあ、男を見る目はないんですけどね」
と。
吐いた重い息に、ものすっごい闇を感じる。
ビシっとニャンコと女子高生の顔が固まる。
真顔で、スマホを返せ返せと圧迫してくる目力も怖い。
『ふぇ、ふぇ~。そ、そうなんだ~。いやあ冗談がお好きなんですね~』
思わず敬語になってしまった。
モフ毛が萎んでしまうし……。
床に落ちる尻尾と、耳も後ろに垂らしてしまう――。
私、これでも本当に最強クラスの神で、魔族で、大魔帝なんだけど……。
こ、この私が押されているって――本当にすごい。
とっととスマホを返して、事情を聞いて帰ろう……。
猛獣の檻の中にエサを差し入れる要領で、そっと……。
契約書を手渡す私。
かわいいね?
『セイヤくんにじゃなく私に誓うんだけど……まあいいや、ここにサイン……してね』
地球側の人間だな、こりゃ。
異界人なら魔導契約書の怖さを知っているだろうし。
サインを確認した私は重いため息を漏らし――スマホを返却。
気を取り直して、こほん!
契約を結んだ神獣の顔で厳格な声を出す。
が。
『これで契約はなされた。汝は我の問いかけに対し……って、人の話、きいてる?』
「はいはいはい、大丈夫ですよー! 絶対、なんだって後で答えますから! 今は待ってください! イベントが、イベントが! 限定衣装交換イベが……っ、唸れ、わたしの神速タッチ!」
細かい事情を聞くより前に。
グレイスさんは細い指でタタタタタ!
スマホの電源を入れてパスワードでロックを解除、今度はダダダダっと液晶をタッチした。
◇
立花グレイスさんは赤毛を振り回しながら、鼻息を荒くし。
美人顔をゲヘヘヘと緩ませ、にんまり!
空いている指先と爪を、ふへへへへと噛み――全身を赤く染めている。
ちゃら~♪ ちゃららら~♪
ゲームを起動させ、黒髪美男子なキャラに「やあ、今日も会えたね。嬉しいよ」と、ゲームの中から呼びかけられて。
うっとり。
ああ、尊い! 尊い!
と、私には分からない呪文を唱えて、またしても画面をダダダダダダダ!
「ああ、セイヤくん! よかった……っ、セイヤ君が帰ってきてくれて、わたし……、わたし! あぁ、もうぅ、マジで神じゃないっ! この、イベント衣装! もう、わかってる! ちゃんとわかってる! ここのスタッフゥゥゥ! はー、しんどい。まじ、無理! マジで、萌えすぎてしんどいんですけどぉ!」
『ぶ、ぶにゃ!?』
ビクっと肉球を震わせ、毛を逆立てソファーをズザザザ!
後ずさる私を抱きあげ。
ヒナタくんが、あはははと苦笑する。
「ほーら、大丈夫、怖くないからね~。ケトスっちは、イイ子イイ子」
『グレイスさん……ど、どうしちゃったんだい? き、狐憑きかなにかじゃないよね?』
「あー……彼女、どうやら、あっちの世界に魂を奪われちゃってるみたいだから。今は無理ね。こういうのってさあ、期限が終わっちゃうと二度と手に入らないモノもあるから、なんつーか、やっとかなきゃって必死なのよ。邪魔しちゃ――悪いわ」
まるで魔王様のような心の広さを見せ、ヒナタくんは苦笑している。
見守る顔はもはや聖母。
この子、たぶん本当に大物になるな。
そんな直感を覚えつつも、私の興味はスマホゲームとやらに向かっている。
『魂を奪われる? それはこれが――シャーマニズム的なトランス状態になって初めて発動する、魔術儀式、ということかい? 何重の魔法陣なんだろう、魔術式が読み取れないけど。恒久的な隠匿属性も付与されているとしたら、八重以上の魔法陣が必要だろうし。にゃるほど――つまりスマホを疑似魔道具に……世界へと認識させている?』
と、魔術師としての好奇心を働かせる私。
その麗しい肉球が――実現可能なスマホ魔術式をメモしはじめているのだが。
対するヒナタ君は、うげっと顔を歪め。
こ……こっちもなんかやべえ……な、みたいな声音で言う。
「いや……比喩的な意味でよ。そういうヤバイのじゃないし……魂をもっていかれそうな程に、のめりこんでるって、こと。あんた、頭いい筈なのに、微妙にズレてるわよね……」
ふと賢いニャンコな私は、頭の上にお金マークを浮かべる。
もちろん、私も転生前の知識としては知っているのだが。
……。
にゃは!
『ねえねえ! グレイスさん! 私もそういう携帯のゲームがあるっていうのを一応知っているけどさ! そんなに大切なモノなのかい? そこまで熱中してるんだし、お金儲けの匂いもするし! 単純に興味があるんだけど!』
「あー、ダメよ。ケトスっち。彼女……狂乱状態になってるっぽいし、今は無理じゃない? あたし、対話スキルも習得してるんだけど会話が不能な状態よ。その、イベントとやらが終わるのを待つしかないわ」
スキルを無効にするほどの熱中、か。
現代人、侮れないな。
魔術だけが全てではないと思っていたが――。
やはりこれは使えそうだ。
「ねえ、ケトスっち……あんた、なんか誤解したままになってない?」
『いやいやいや、誤解なんてしてないよ。私はただお金を稼ごうと思っているだけで……って、彼女、本当にすごい集中力だね。この熱意を魔術の研究に費やせばもうちょっと強くなれるだろうに』
まあ、これだけの精神統一なのだ。
たとえばセイヤくんとやらに送る情熱を、バフの力に変換することができれば――人間としてはそれなりの上位に達することもできるのだろうが。
でふふふふふふふ!
ニンマリと笑い続けて、セイヤくん……っ、セイヤくん……っと、息を荒くする彼女に伝えるのは危険なような気もしてきた。
後ろに控える黒服たちが、ゲームさえなければまともなんですが……と。
悲しきフォローを送ってくる。
ヒナタくんも自分のスマホを起動させて、私に言う。
「まあ興味を持っているみたいだから――ちょっと待ってね、はい! これが彼女が今、鼻血を垂らしながらやってるソーシャルゲームよ。携帯電話でプレイするゲームなんだけど。最近じゃゲームっていったらこれが主流なのよねえ。気軽にできるし。もちろん、あたしはテレビとかパソコンのゲームもやるんだけど――こういうのもちょっとはやるわよ?」
友達との話題作りにもなるし、とヒナタくんが補足する。
魔術師としての顔で、じぃぃぃぃぃ。
賢い私は、魔術計算式を予測しながら耳先をぴょこん。
宇宙の真理に気付いたネコの顔で、言葉を発していた。
『なるほど。理解できたよ――鼻血を垂らしているという事は、代価に血液が必要となるのかい? 魂をもっていかれているのは……比喩的表現といっていたが、魂をもっていかれるのではなく、逆に魂を捧げるための魔道具。実際にスマホを介した魔術によって感情を抜き取られている――そういうことだね?』
「いや、だから違うって!」
トランス状態のグレイスさん。
新しき知識に興味津々な私!
『となると――! これは、ゲームという媒体を利用した何者かが信仰心を集めるために編み出した作戦!? 大儀式魔術だったりするんじゃ!?』
「だぁぁぁあああああああぁぁぁっぁ! こいつら、話を聞かねえ!」
そんな二人に挟まれた女子高生は黒髪をバサリと揺らし。
頭を抱え……はぁとため息。
私は考える。
もし古き神々のような存在が、この地球にいるとしたら。
自らへの信仰心……すなわち、魔力の源となる人の心を集めようとしているのなら。
……。
なかなかどうして効率のいいやり方ではあるのだ。
『これは興味深いね。もしかして世界が壊れる原因も――』
シリアスに唸り、肉球を顎にあてブツブツブツ。
魔術式を読み解こうとする私。
そんなニャンコな肩を握って、ヒナタくんは悲しそうに首を横に振る。
「いやいやいや、ケトスっち。そーいう、崇高な話じゃないの。お願いだから帰ってきて、あたし、さすがに宇宙の真理と接続しちゃってる異国美人さんと、モフモフにゃんこに挟まれて。きついんですけど?」
『え? 魂を吸うためのゲームじゃないのかい? これ』
頭痛を堪えるようにこめかみを抑えながら。
ヒナタくんがため息に言葉を乗せる。
「いや、そんなゲームがあったら怖いって……。吸うのはお金と時間だけだし。このゲームにそういう陰謀はこれっぽっちもないわ」
『ふむ。君達にはそう見えているのか――……でもやはり興味深いね。そんなにハマっちゃうものなわけだし……で、これはグレイスさんだけの現象なのか。それとも一般的なモノなのか、そこんところはどうなんだい?』
どうやったらお金儲けに繋げられるか。
ぶぶ、ぶにゃはは!
黒い考えを巡らせ尻尾を揺らす私に、彼女は言う。
「ん-……あたしはちょこちょこっとしかやらないし……ゲームにのめりこむことの是非は、個人の感覚の違いだから、なんともいえないけど。人によっちゃ……ハマるわね。なんていうか、神様を拝むのと同じ感覚なのよ。何を大切にするかなんて人それぞれだし? それが家族だったり、お金だったり、仕事だったり――違いがあるもの。辛い時に見たり聞いたりしたゲームや漫画、その中で微笑んでいるキャラクターに癒されて、救われて、そのまま好きになっちゃう人だっているのよ。それって別に悪い事じゃないでしょう?」
思考を整理するように紅茶に口をつけて、考え込み。
ヒナタ君が続ける。
「そうね――じゃあケトスっちにとって一番大切な魔王様が、もし人質に取られていたら、心配になるでしょ?」
『え!? そ、そりゃ当然心配になるけど。そ、そんな……っ、宇宙全部の生命と引きかえにしてもいいぐらいに大切な存在って事かい!?』
カカッと遠くで落ちる雷の光を浴びながら。
くわっと口を開けたままになる私。
その愛らしい猫鼻を、ペンと指の腹でつつきヒナタくんがジト目で言う。
「いや、さすがに宇宙全部を代償にはしないで欲しいんだけど……とにかく! それくらい好きって事よ。いるかいないのかも分からない、救ってくれるかどうかも曖昧な神様よりもよっぽど、車崎セイヤくんの方が心を救ってくれるからね。ハマっちゃう人がいたって不思議じゃないわ。いいじゃない、ゲームに本気になったって。生活に支障をきたしていないなら、誰にも迷惑をかけていないのなら自由ですもの。ケトスっち――あなただって、魔王様を否定されたら、嫌でしょ?」
微笑む彼女の顔には、聖母にも似た慈愛が含まれている。
あれ。
この子、マジで魔王様みたいに心が広いな。
普段の女子高生モードとのギャップが、すんごい。
伊達に三回も異世界転移をさせられていないのだろう。
『一種の宗教……みたいなものなのかな』
呟く私の前――。
ようやくイベントとやらが終わったのだろう。
グレイスさんは、ぱぁぁぁぁぁっと豹のような顔をゴロゴロネコちゃんみたいな顔に切り替え。
食い入るように言う。
私にではなく、ヒナタくんの方にだが。
「あなた、分かっているじゃないですか! そう、セイヤくんはわたしにとっての神様なのです! どうか言ってやってください、後ろの男どもにももっと伝えてくれませんか!? この方々は、部下のくせにわたしにやり過ぎですよ、課金し過ぎですよって文句を言うのですよ!」
立花グレイスさん、はい陥落。
これ、ヒナタくんの勇者としての魅力に捕まったな。
「え!? い、いや……あたしがいいたいのは、人の趣味にケチをつけるのは良くないんじゃないかって話だったんだけど……まあ、いいわ。戻ってきてくれたみたいだし。それで、本当にあんた達、なんなの? あたしをつけ回したりして、さすがにそろそろ理由を聞かせて欲しいんですけど?」
話題を逸らすべく、真面目な話に切り替える手腕もなかなか悪くない。
そう。
別に残念外国人美女の愉快なゲーム姿を見るために、ここに来たのではない。
危うく空気に流されるところだった。
私もお金稼ぎの後の極上スイーツを想像していた頭を切り替え。
『そうだね、これでまあ互いに友好も深まっただろうし。私は君を信用しよう……まあ、いざとなったらスマホさえ取り上げちゃえばいいって分かったし』
正気に戻ったのだろう。
宝塚風な美女に戻った立花グレイスさんは、ふっと微笑を浮かべながら。
軽く会釈をしてみせる。
「すみません、お待たせしてしまいましたね。どうもわたしは、セイヤくんの事になると……はは、お恥ずかしい」
『私も異界の知識を深められて新鮮だったよ。それで、本当にまじめに話をしたいんだけど、ここ……というか君達は何のための組織なんだい』
漫画喫茶風に見えるだけの、ただの事務所。
そんな印象しか掴めないのである。
「今、お名刺を差し上げますので少々お待ちください」
事務的な美女スマイルで彼女は言う。
鼻血の線をうっすらと残したままだが、この際かまわない。
いつまで経っても話が進まないのも困るしね――早く帰って転生魔王様の家も見たいし。
「ここは異界に飛ばされてしまった転移者達をお迎えする施設、地球に戻って来た彼らを保護する救済組織。メルティ・リターナーズと申します。政府機関ではありませんが、わたしたちの保護行動はそれなりに、裏世界では有名なのですよ」
渡された名刺を見て。
……。
私は少し、ネコ眉を顰めた。
支部と書かれていたのだ。
彼女の言葉に偽りはない。
魔導契約は絶対だから、間違いない。
つまり――支部に分かれる程の組織を作らないと、困る数。
それなりの規模で……。
日本には転移者たちが増えているという事だ。
そして彼女は言った。
保護すると。
保護しないといけない理由がある、というわけで――。
はてさて、それが世界滅亡の予知とどう関係するかは分からないが。
……。
けっこう大事な組織の筈の幹部が……この人って。
だいじょうぶなんだろうか?
しかーし! それとは関係なく!
まあ、詳しい話を聞いた後での話なのだが。
どうせ世界が滅びてしまうのなら。
腕を組んだ私は――悪戯ネコの顔でニャハ!
モフ毛を膨らませて、ニャヒヒヒヒヒ!
ちょっと――。
面白い事を思いついてしまったのである!




