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おさげ眼鏡のモブ少女。それが私のはずなんだが…  作者: 伊月
自称モブ少女!陰で生き抜くことを決意した!
5/7

PS,バナナ料理はおいしかったです

念願待っていない遠足日。

仮病でも使って休もうかと考えたが、それでは野乃葉に悪いのでしぶしぶ行くことになった。

バスで3時間後、やっとテーマパークについた。


「やっとついた。ずっと座ってばかりで腰が痛かったよ…」

「それに関しては同意だわ。まったくバスなんか使うより、電車の方が効率的だと思うわよ」


ぶつぶつ文句を言う私たちだが、目の前にある大きいテーマパークを見てば「まぁいいか」となってしまう。

ジェットコースターも怖そうで楽しそうだし、アトラクションゲームもあるそうだ。

これだけ、時間をかけて行ったんだから遊園地はうんっと楽しもう。


「んっと!あーやべ、バスの中で寝てたからちょっと眠い」

「俺もねむぃぞ。ふぁぁあ」

「お前はいつも寝てんだろ!」


後ろでやり取りしている、椎原くんと森重くんがバスから降りてきた。

ほんと、この二人がいなければうんっと楽しめるのに。神様は理不尽だ。


「うわ、大きいな!あ、立花さん達!何が乗りたい?俺はジェットコースター」


そうですか。私は、バスに乗って家に帰りたいです。


「椎原くんはジェットコースターかぁ。私はアトラクションコーナーに行きたいなぁ」


野乃葉が便乗していき、私はあることが言えなくなった。

もちろんジェットコースターにも乗りたいし、アトラクションコーナーにも行きたい。

けど、その前にしたいことがある。


「え、っと」


しどろもどろになる私に、椎原くんと野乃葉は首を傾げる。


「あー。多分緊張していると思うから、安心して椎原くん」

「え?あ、うん」


緊張していないと言えば嘘になるけど、そうじゃない。

さっきから私は、ある事を口に出したくて出せない状況にあった。


「悟は何か行きたいとこある?」

「寝たい」

「そっか。何でもいいだってさ」


何故それで会話が成立する。


「あ、あのさぁ」

「んー。最初はジェットコースター乗りたいよな!」

「私はいいよ!絶叫系乗りたーい!」


勇気を振り絞って声を掛けたが、小さくて聞こえていないみたい。

も、もう限界っ!

椎原くんと野乃葉が話し合っている時だった。


ぐぅーうう


大きな腹の音が聞こえた。


「…あ」


おもわず腹を手で隠すと、三人が一斉に私を見た。


「…その前に、ご飯食べようか」

「そうだね、一人お腹空いているようだし」

「飯食ったら寝るか」


くぅうううう!穴があったら入りたい!

私は顔を赤くしながら頷き、そのまま飲食店に入った。

うう、ほんと神様は不公平だ。

四人で席に座って、メニュー表を開くとおいしそうなものばかり並んでいた。

あ、バナナがある!やったー!

バナナは私の好物だ。あの柔らかさと甘さは病みつきになる。

皆のメニューが決まり終え、ボタンを押すとすぐに店員はやって来た。


「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」


店員は伝票を持ち、私たちは順番にメニューを言った。


「俺は、エビフライカレーとメロンソーダ」

「…カルボナーラとコーヒー」

「私は、からあげ定食と緑茶お願いします」

「え、っと。バナナクレープにバナナシェイクお願いします」

「かしこまりました」


メニューを言い終わると店員は「では、ごゆっくり」と頭を下げ、厨房の方へ行った。


「バナナばっかりだな、お前。…ゴリラかよ」


森重くんが、呆れというか「マジかよ」と言わんばかりの顔をして言った。

な、なにー!君はバナナの良さを知らないな!

バナナはな、今じゃスーパーに売っているのが当たり前なんだよ!一本だけで朝ごはんの代わりになるし、栄養が高く体に良い!バナナダイエットというものもあって、女性に人気がある。

その上コンビニでもバナナは採用されて、いつでも購入可能な状況にあるんだぞ!

その良さを知らないなんて!…っと言いたい。ビビりだから言えないけど。


「おい悟!言い方があるだろ?ごめん、立花さんこいつ正直だからさ…」

「い、いいよ。椎原くんが悪いんじゃないだからさ」


むしろ、バナナの良さを知らない森重くんが悪い。


「いや、あんなにバナナ尽くし…猿かゴリラしか喜ばないだろ」


「はっ」っと鼻で笑う彼は私を嘲笑った。

さすがにこの言葉は、温厚である私もカチンときた。


「…君だって、眠そうなのにコーヒーとか頼むんだ?カフェインという言葉知っている?体どうなってるの」

「はぁ?」


ビビりな私が言葉を返すなんて思わなかったのだろうか。彼は奇怪そうに睨みつけていた。

森重くん、喋ると思ったらいじわるばかりだし、無神経だ。

ほぼほぼ初対面な私たちだけど、辛辣な彼とは仲良くなれそうになかった。

椎原くんと野乃葉はおろおろしていて、まさに今、一触即発。


「お待たせしましたぁー」


辛辣な空気をぶち壊したのは、料理を運んだ店員さんだった。

豪華な料理を目の前にされると、さすがに心がそちらに移る。


「ほ、ほら。ご飯きたし、食べような!」

「そ、そうだよ!ほら二人とも!」

「「…」」


野乃葉と椎原くんには、悪いことをした。

森重くんは私と一緒で、料理に興味が移りもぐもぐ食べていた。

この人とは絶対に仲良くなりたくない。椎原くんの次に。


PS,バナナ料理はおいしかったです。

自己紹介パート5

森重 悟。AB型。16歳。

性格、無気力無神経。他人に一切興味がなく、いつも寝ている。親友である椎原には、たまにだけど助け船を出してあげることもしばしば。一応頭も運動神経も良い。

容姿、金髪の天パ。いつも眠そうなのでたれ目ぎみ。

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