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おさげ眼鏡のモブ少女。それが私のはずなんだが…  作者: 伊月
自称モブ少女!陰で生き抜くことを決意した!
2/7

もうやだ死にたい。透明人間になりたい。

「…もうやだ死にたい。透明人間になりたい」


無事私は部活に行くことが出来た。ちなみに私は演劇部に所属している。

演劇部の台本を読みながら私は泣いた。

泣かずにはいられなかった。

陰に生き抜こうと決めたのに、早速男子に目を付けられ告白される始末。

しかも、告白された相手はクラスメイト。もう何の拷問だよこれ。

ああ、神よ。私は一体何をしたというのだ。

恨めしさと、どうしようもないことで全然部活に集中できなかった。

部室の隅っこで体育座りをしていると、人影が私を覆った。

顔を上げて確認すると、佐和先輩が顔色窺って立っていた。


「あらら、永久ちゃん!どうしたの!?きれいなお顔が台無しじゃなーい!何かあった?」

「…佐和先輩。私、死にたいし透明人間になりたいです。どうすればいいでしょう…」

「これは、重症のようね。いいわ。話を聞いてあげる」


私のことを心配してくださるのは、演劇部部長の佐和 岬(さわ みさき)先輩。

ちなみに先輩は性別上立派な男性でだけど、おねぇ口調なので問題ないです。

本人も、身体は男だけど心は女だと言っているのでインコースです。アウトではありません。

セーフなのです。完全体男子じゃないので、拒絶反応はでません。


「ううう…。佐和先輩っ聞いてください!私、もう明日から不登校になるかもしれません!」

「おお、よしよし。可哀想に…。でも、全然話が見えないわよ?」


佐和先輩は私の頭を撫でて、苦笑した。

うう、男子が皆、佐和先輩だったらいいのに!


「クラスメイトに告白されました」

「ええ!?誰に!」

「椎原という男子生徒です。下の名前はわかりません」


そもそも今日が初会話で、いきなり告白されたのです。

質の悪い悪戯のほうがまだよかった。

「なんちゃってー!本気で告るわけねーだろー!バーカ!」と罵って欲しかった。

…言っとくけど、私マゾじゃないよ?

そのほうが、ああやっぱりこういうオチなんだなって笑って済ませられるから。


「椎原って!?椎原 唯人(しいはら ゆいと)君!?その子、確かうちのバスケ部の推薦で入ってきた子じゃないの!」

「知っているんですか?」

「有名人よぉ!女子にも人気があってファンクラブもあるんだから!」

「ごめんなさい。わからないです…」

「うん。まぁそうだと思うわ」


先輩まで、知っているなんて椎原くんは有名なんだな。

けどそんなに有名なら、なおさら付き合いたくない。…はっきり言って迷惑だ。


「わ、私は平穏に暮らしたいです。だからその子を振ったんです…」

「うんうん。女の子を敵に回したくないもんねぇ」

「けど、椎原くん。…全然諦めてくれないんですよぉおおおおお!」

「…わお。フォローしずらいわね」


部室で私の叫びが木霊する。

もう、なんだっていうんだ。諦めて欲しかったのに。

傷つけたくないのに。傷つきたくないのに。

やるせなさが溢れてきて、涙を流したら先輩がまた頭を撫でてくれた。


「永久ちゃん。恋愛ってそう簡単じゃないのよ」

「…」

「いくら、永久ちゃんがその子を迷惑だと思っても、好きって感情はね、面倒くさくて理解するのが出来ないの」

「…」


知っています。だから諦めて欲しんです。


「その子を許してあげて永久ちゃん。恋はねブレーキが止まらなんだから!」


佐和先輩は最後の言葉を言うと可愛らしくウインクをして、私を説得させた。

先輩は優しい。それに可愛い。今日も演劇部は平和だ。


「佐和先輩…。ありがとう、ございます。話聞いてくれて」

「後輩ちゃんの可愛い悩みよ!私、人肌脱いじゃう!あ、今脱いでもいいのよ?私のナイスボディ、肌がとってもきれいなんだから!どう触る?今なら無料よ!」

「はい、全力で遠慮します」

「あらやだ、冷たぁーい!」


傷ついた!っと言わんばかりのジェスチャーをする先輩を見て、私もいつか自分に自信が持てたらいいなと思う。

入学式の部活紹介であった演劇部の発表で、佐和先輩のあの自身に満ちた演技をを見て、私は、心から自分に自信が持てるようになりたいと思った。

自分に自信が出来たら、いつか周りの世界が色が付くような気がするから。

私もいつか、舞台に立つ日がくるかもしれない。

けど、その時まで自分にあの演技ができるように。強く、強い自分になれるように。


「あいつ地味だし、ブスだよな」


あの言葉が、心から完全消滅できるまでに。

自己紹介パート2

<主人公の親友>

叶 野乃葉。血液型B。16歳。

性格、マイペースであんまり物事を気にしないタイプ。

永久とは小学時代からの親友で、彼女が恋愛をしないことを知っている数少ない友達。

容姿、ポニーテールでボーイッシュ。

…実は女子にファンクラブがあるくらい、美青年にも見える。

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