3話「行ってきます」
そんな虚しい僕の心の声なんて届くはずもなく、僕は成り行きで魔法都市に行くことが決まった。
春休みが終わって高校二年になると同時に僕は魔法都市に連れて行かれるらしい。
あの後両親からめちゃくちゃ説明を受けた。
僕は高校二年で魔法都市に入るが、魔法都市ではレベル1の魔法使いだ。
多分僕は永遠にレベル1のままだろう。
魔法都市学園は十六歳から一年生らしい。
だから僕に招待状が届いたのか。
なんて、呑気に言ってるが…どうやら僕はいつの間にか魔法使いとやらを信じてしまっているようだ。本当にドッキリとかでは無いのだろうか。
もう僕は魔法都市に連れて行かれるんだぞ、本当に信じるぞ、いいんだな。
こうして僕は来週の土曜日に旅立つ事になった。
*
「じゃあ……行ってきます。」
そしてついにその日が来た。
展開が早いなんて言わないでくれ。
僕だって焦ってる。
家を出ると迎えの車が来てくれるらしい。
『魔法都市行きの港まで』と言うと僕の目の前に車が止まった。
このセリフ、呪文らしいが…招待された人だけが使える呪文らしい。
胡散臭いのは…見逃してくれ。
僕はその車に乗り込む。
家の玄関には両親がいて、僕に手を振っている。
僕は荷物を運転手に渡すと運転手は車のトランクに入れてくれた。
小さく、両親に手を振って、そのまま僕は目を瞑る
今の時刻は朝の5時だ、このまま寝ようと思いポケットからアイマスクを取り出した。
僕の愛用しているアイマスクだ。
暫くして、車のエンジンがかかる音がした。
あぁ…僕はもうここを去るのか…
前の学校の事はは心配するな。
僕はいつの間にか転校する事になっていて、友達からはたくさんのメッセージが寄せられていた。
ココで使っていた携帯は使えないらしく、携帯は新しく魔法都市で支給されるらしい。
そして、問題の魔法都市への行き方だが…
何とハリー〇ッターそのものだった。
ただ汽車ではなく船なのがちょっと豪華だけど
何だか車が進む気配がしなくてアイマスクを取って見ると、車は空を進んでいた
「えっ!?空!?うわっ、ええええ!?」
僕はあまりに驚き過ぎて夢なのではないかと思っている。
運転手が僕の方を振り返り話しかけた
「おや、お目覚めですかな?」
「う、運転手さん…どうなってるんですか…これ」
「はは、空を進んでいるんですよ。大丈夫、落ちる心配はないさ、それに、人には見えない魔法がかけてあるから誰にも見られることはないよ。」
見られる心配も落ちる心配も無いと言うが、何か、怖い。
何処に向かっているのか聞くと、運転手は空高くとしか答えなかった
うん、怖い。




