2話「僕は行きたくない」
「は?」
ついに気が狂ったか、僕の母はどうやら壊れたようだ。
「本当なのよマサキ、貴方は魔法使いと魔女の間に生まれた魔法使いなの。ほら、ハリー〇ッターでもあったでしょう、貴方は純血なのよ」
そういう問題じゃない。
僕が聞きたいのはその魔法使いとやらの話だ、血なんてどうでもいい、なんなら献血に行ってくるよ。
もはや訳の分からない事を口走る僕は相当混乱しているだろう。
「私は、マサキが今まで魔法の片鱗を見せなかったから、稀にある純血だけど魔法が使えないタイプかと思ってたけど…貴方に、届いたの。招待状が!」
「その招待状って…何処からの?」
何だ、話すと意外と冷静だな僕
「魔法都市の学園よ」
んん?
「魔法使いは誰もが一度はそこに住んで、学んで、キチンと魔法をコントロール出来るようになってから帰ってくるの。そこに招待されるのは魔法が使える者だけ…良かったわね!」
良くねぇよ。
その魔法の片鱗とやらをまず僕は感じていない。
勝手に招待されても困る。招待し返そう。
「その招待状見せてよ」
「?いいけど…これよ」
差し出されたのは質のいい紙に書かれた手紙
僕は無言で破ろうとする
「ちょっと待ってマサキ!!何勝手に破ろうとしてるの!?ちょ、おい!」
母のその焦りは初めて見た。
しかし、手紙は破れない
「その手紙には魔法が施してあるから、大丈夫なのよ」
まぁその額の冷や汗を見る限り分かってなかったんだろうなって言うのは感じた。
「父さんは何で怒ってたんだよ、魔法使いになる事はいい事なんだよな?」
さっきのピリピリした空気は父さんが母さんに何か怒っていたからだ。
「パパはマサキが都市に行くのを認めてないの…マサキにはあそこで暮らすことが出来ないって」
流石父さん、その通り。
僕はその魔法都市とやらに行く必要は無い。
何とかそのまま母さんを言いくるめて欲しいものだ。
「でもお母さんはねぇ、どうしても行ってきて欲しいの!魔法都市の学園にちゃんと、行ってきて欲しいの。普通では体験出来ないこととかあるのよ、ほら、ね?ハ〇ーポッターみたいな!」
母さんは本当にそんな体験をしたのだろうか。少し興奮し過ぎではないか?
鼻息の荒い母さんをそのまま無視して僕は父さんを探しに行く。
きっと庭の花壇に水やりをしているだろう。
僕はパジャマのまま庭に出ると父さんは本当に花壇に水やりをしていて、僕を見る為に顔を上げるとまたすぐにしたに下げた
「…父さん」
「マサキ。父さんは、迷ってた。マサキに魔法の事を言おうかどうか。だが、こんな形でバレてしまうとはな……マサキ、またとないチャンスだ、本当ならば止めたい、だが、母さんと話をして決心した。行ってこい。お前なら大丈夫だ。」
…あぁ…父さん…
どうしてそんな決心をしたんだ、母さんをちゃんと止めてくれよ!!