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プロローグ
誰かが僕に囁いた
お前は無能だと。
「お前は無能だ、だがそれは人としてだ。」
「大丈夫、お前は人じゃない」
「安心したまえ、これから夢の世界へ誘おう」
…
長い、長い夢を見た気分だ。
いや、今見ているのが夢なのか。
「人とは愚かである。だが、我々は違う。人よりも上であり、下である事は決して許されない。あの時の屈辱を、忘れるでない。…時は来た!!今こそ我らが人を消し去るのだ!!」
聞こえる。
憎しみの声が、色が、僕には分かる。
真っ暗な世界に一人佇む僕。聞こえるのは何かの声だけ。
僕を無能だと罵る声と、誰かの憎しみの声。
誰の声だろう
真っ暗な世界に一つの光が見えた。
あぁ、何かが始まる…
そう感じた。




