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魔法使いになったのに魔法が使えません  作者: アリカンヌ
始まり
1/7

プロローグ

誰かが僕に囁いた

お前は無能だと。


「お前は無能だ、だがそれは人としてだ。」

「大丈夫、お前は人じゃない」

「安心したまえ、これから夢の世界へ誘おう」

長い、長い夢を見た気分だ。

いや、今見ているのが夢なのか。


「人とは愚かである。だが、我々は違う。人よりも上であり、下である事は決して許されない。あの時の屈辱を、忘れるでない。…時は来た!!今こそ我らが人を消し去るのだ!!」


聞こえる。

憎しみの声が、色が、僕には分かる。


真っ暗な世界に一人佇む僕。聞こえるのは何かの声だけ。

僕を無能だと罵る声と、誰かの憎しみの声。


誰の声だろう


真っ暗な世界に一つの光が見えた。


あぁ、何かが始まる…


そう感じた。






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