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Black Night have Silver Hope   作者: 空愚木 慶應
化物と心と命編
85/90

080

 この小説には、連載を通して性的表現(同性愛含む)・グロ表現・鬱展開・キャラクターの死等を含みます

 これらの表現・展開を含んだ記事には、頭に注意書きを載せます


 ですが、その記事を飛ばされた場合、その内容についての上記の表現を避けたまとめなどは用意いたしませんので、ストーリーが分からなくなる場合があります

 「続きが読みたい!」とのせっかくの声を頂きましても、どうしようもございません


 なお、著作権は放棄しておりません

 無断転載・無断引用等はやめてください


 以上の点をご理解の上、お読みください


 「連夜れんや! 会議だと言っているだろう。代表ギルドの隊長が揃わないなんて、他のギルドに示しがつかん」


 なぜか連夜が亜里沙ありさに連絡することを渋った。

 よって、全員の前に現れたのは、フィーバーギルド隊長、夏樹なつき冷夏れいかだけだ。

 しげるが、峰本みねもとさんが呼んだんですか? と視線で尋ねても連夜は無言で首を横に振るだけ。こういうときに連夜の我侭と周りへの対処の調節をしていたキセトはこの場にはいない。


 「うわっ、冷夏嬢しつこい。せっかくオレの復帰パーティーするんだから帰ってくれよ」


 「祝い事などしている暇はない! 戦争中だぞ」


 「だーかーら! 負ければいいじゃん。そこまで勝ちにこだわらなくてもさー。いい感じになったらキセトがどうにかするって」


 激昂していた夏樹だが、連夜が明らかに面倒だという態度を崩さないので自分も落ち着くことにした。話を聞く気がない子供にいくら怒鳴ったとしても無駄だ。声を落ち着けるなどしてとりあえず話を聞いてもらわなくては。


 「焔火ほむらび君がどうにかしてくれる証拠はあるのか? 負けた後、この国に未来があるのかもわからないのに、確証もない助けを待っていろというのか? 連夜。おれたちはお前とは違う。一国に生き、一国に死ぬ者だ。おれたちはな、羅沙らすなが崩壊すれば生きていく場所がないんだよ。他国とは異世界も同然だ。そこはおれたちがおれたちのまま生きていける場所じゃない」


 「それが偏見なんだって。あおいに亡命でもすれば? 紹介状書いてやろうか? 羅沙と比べたら寒いけどよ、悪いとこじゃねーよ」


 「できないよ。おれは羅沙人だ。羅沙人は羅沙以外では生きていけない」


 聞き流していた連夜だが夏樹の言葉に機嫌を悪くしたようだ。

 過去は葵、現在は羅沙で生きる連夜にとって、夏樹の言葉は世界が狭い者の言葉にしか聞こえないだろうに。夏樹もそれはわかっていたが、その狭い世界が夏樹のそれなのだ。情報を束ねる夏樹だからこそ、それは自覚している。


 「羅沙人は羅沙が負けたら生きる場所を失う。それが怖いんだよ」


 「なんだよ、それ。羅沙で生活してる明日羅あすら人だっているだろうが。明日羅で生活してる羅沙人だっている。相手が不知火しらぬいだから、北の森だから違うてのは偏見だぞ」


 「偏見だと、おれだって思うよ。連夜の友人であれば誰だってそう思うだろう。でも、羅沙人はそう言う偏見を常識として生きているんだ。今、おれだけ抜け出すことなんてできない」


 「……はぁ。そこに戻るんだよなぁ。あんたらがその変な常識のまま生きたい限り、オレたちは否定される。それを変えたかったはずなんだけどなー。別に変えなくてもオレは生きていけるみたいだし、いいけどよ」


 (あれ、える様は変えないと生きていけないとか言ってたな。やっぱり変えないと駄目なのか。どうしようかねー)


 人々の常識を変える。

 連夜ですらそんな大事を一人では成せないと思う。だからキセトと共にそれを目標としていた、はず。

 いつの間にかキセトは諦めているようで。連夜は暫く眠ってしまったことでそんなキセトに追いつけなくなっていて。


 「あー。どうしようもねーな。どうしようも。冷夏嬢、会議、参加してやるよ。キセトいないし。ただ、参戦はしないって言いに行くだけだ。代表ギルドから参戦しないって言う奴がでたら、他も言いやすいだろ。今の羅沙に、参戦したくない奴を戦わせられるほどの指揮者はいない」


 「参戦しないことに関してはお前が自分で言え。私は手助けしないからな」


 「うーい。ってわけでちょっとだけ行ってくるな。帰ってきてからこれからどうするか話そうぜ」


 思い腰を上げた連夜を瑠砺花が掴む。行かないで、というよりはおいていかないでという悲鳴をこめて。


 「レー君! わ、私はっ!」


 「それも帰ってきてからな。んじゃ、行ってきます」


 「……行ってらっしゃい」


 夏樹と連夜が食堂から出て行く。集められるだけ集められて置いてけぼりを食らった三人は沈黙するほかない。

 暫くして戦火せんかが食事を作るために席を立ち、しげるも手伝うために一緒にキッチンに向かった後、れんがボソリと呟いた。


 「『行ってきます』だなんて、初めて言いましたよ。連夜さん」


 080ですね。


 今回のあとがきはギルドという制度について。

 まず代表ギルドが5つ。連夜が隊長を務める、BNSHの中心ともなるナイトギルド。ナイトギルドについては今更説明は要りませんよね。哀歌茂や貴族、明日羅人、不知火人、葵人、元奴隷、児童。なんでもありで、依頼の種類もこだわらないオールマイティーなギルドです。

 次は情報屋ギルドとも言われているフィーバーギルド。夏樹冷夏が隊長を勤める代表ギルド代表です。5つある代表ギルドの中でもリーダーであるギルドですね。情報を扱うスペシャリストたちが入隊し、なぜか本部かからくり屋敷で仮装大好きなギルド。探偵のような仕事もこなしているので調べものはこのギルドで済ませればいいでしょう。


 ここからは本編に出てきたことがありません。

 まず北の森、東の森、西の森、南の森、全てに存在する聖域について研究するサンクチュアリギルドです。聖域に住まう魔物、術士についても研究しています。一般からの依頼は魔物討伐しか受けていません。主に国立研究所のお手伝いでサンプル採取などをしています。

 次ですがブルーローズギルドです。名づけたのは私が中二の頃です、はい。羅沙ローズにしようか迷ったのですが、羅沙軍の指揮下にある組織ですし、重ねる意味もないかなーとブルーローズです。主に外部からの依頼は受けていませんが、育てた植物を売ったりして経営しています。羅沙ローズなど、育てるのが難しい植物を育てるギルドです。植物から薬品を作ったりなどもするので医療関係に強いギルドとなっております。

 最後はレストリクションギルド。英語で制限という意味があるギルドです。このギルドはヘルプ専門です。一般からの仕事は請けず、他のギルドにとって数が少ない時などの手助けのためにあります。代表ギルドにする必要はないのではないかとなりますが、意味があります。依頼にはレベルがあって、代表ギルドのみ受諾できるレベルもあります。そのために精鋭を集めたヘルプ用ギルドですね。


 代表ギルド以外はナイトギルドのようなオールマイティーなものが殆どです。一般からの依頼で稼いでいます。ギルドは全て、収入の一部を軍に入れます。税のような形です。


 代表ギルドなんて本編では、全てでるわけではないので、例によって読まなくてもいいんですけどね。

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