帰宅 我が家は血のお祭りでした
今、俺の目の前には血の池に沈んでいる一人の幼女のような男性がいる。
まぁ、親父なんだが・・・
「親父、何があったんだ・・・」
そう、つぶやいた瞬間だった。
動かなかった親父がピクリと反応したのだ。
「おやおやおやおやおやややややややy!!!!」
「ぎゃーーーーーーー!!!!」
反応したかと思えば床を奇声を発しながら這いずってくるではないか!恐怖映像以外の何者でもないぞこれは!?
「今親父って言ってくれたのーーー修くん!?うれしいなー!ごぷっ!」ぱたり
て、力尽きたー!
うれしさのあまりか知らんが復活した親父はダメージ自体は消えていなかったのか、またもや気絶した。
ここまでやるか母よ、妹よ。仮にも親父だろこの人。
しかも妹は救急車すら呼ばずにあまつさえ殴ったりしたのだろう。
いくら母でもここまでにはしないはずだから。
しょうがない、救急車を呼ぼう。
いろいろ聞かれるだろうが、詳しくは内の母と妹くんに聞いてもらうことにしよう。
そのまま二人とも捕まればいい。
「あ、もしもし、重傷者が家に居るんですが。はい、はい、ええ、住所は・・・・」
かくして、親父は救急車で運ばれてゆくのでした。
その後帰宅した母が唐突に告げたことがある。
「ただいまー、修くん。あのね、修くんには明日からお父さんと二人暮らしして貰うから、よろしくね?」
「は?いきなりだな、母よ?意味が分からんぞ」
本当にいきなりである。
「んんー、まあ、色々あったのよ。お父さんはすでに知ってるから、そのつもりでお願いね?」
「いや、うん、わたった」
またも母の病気が始まった。
傍若無人という名の病気だ。
まぁ、俺としてもあの妹の居ない生活は何よりである。
「荷造りしたほうがいいか?」
「ううん、問題ないよしなくて。もう荷物は新しい住居に送ってあるからね~」
聞いた俺が馬鹿でした。
そんな話をしながらテレビをつけてみていると、ニュース速報が流れていた。
「速報です!なんと深海グループのヘリが今日深夜1時ごろに撃墜された模様です。関係者の話によると、一人の少女が犯人とのことです。顔は見ていないそうなので詳しくは分かっておりませんがプツ・・・・・・・・・・」
ええ、テレビを切りました。
何か文句ありますか?見たくない現実なんていくらでもあるだろ?
「ああ~修くんなんで消すの~、今からいいとこなのに」
「何がじゃボケ母、お前の娘が犯人だろうが!!」
「え?そうだけど?」
「なら何がいいところなんだ?」
「きっと撃墜の瞬間の映像が「見んでいい」ケチ」
この母は本当に何でも楽しむ人だ。
たとえ娘が犯罪者であろうが関係なく。
「いえいリモコンゲットー」
「あ」
冷めた目で母を見ているといつの間にか俺が持っていたリモコンが奪われていた。
油断大敵である。
「ほい、ぽっちとな」
「押さなくていい・・・・」
またもニュース画面
「調べによりますと、近隣の木にヘリに乗っていた社員の方たちが吊るされていたそうです。彼らは口々に「あれは人間じゃない、悪魔なんだ!なぜ誰も信じない!社チョー今日で会社辞めますからねー!!!!あああああああああああああああ!!!!!!!!」と頭を掻き毟りながら叫んでおりとても詳しい状況を聞きだせる状況にはないとのことです」
うわ、何してんだアイツ。
てか、悪魔ってよりは魔王だよ?家の妹くんは。
「ニュース速報でした」プツ
あ、テレビ消した。
「最近は物騒ね」
「お前が言うな!」
「あら、私はやってないわ。失礼しちゃう、やるなら証拠くらい隠滅するわ!」
いや、そういう問題でもないです。
「はぁ、俺は疲れたから寝る」
「おやすみー」
「ああ」
今日は疲れたのでもう寝ます、起こさないでください。
再構成しておりませんので読みにくいと言う方はご連絡ください