プロローグ 我が母のお茶目
現在、再構成中
一話目終了
やぁこんにちは、不幸が最近続いてガラスの心が砕けてしまいそうな俺だ。
まぁ、なんだか絶賛不幸のど真ん中にいるが気にしたら負けだと思うことにして何が起きているか話そう。
現在、手足の自由を奪われ、喋る事すらできない状態で車のトランクに詰められている。
真に息苦しい限りだ。
今の現状だけ見てしまえば誘拐、と思うだろうがこれを成したのは実の母である。
これだけ見ても家の母が異常であることは分かって頂けるだろう。
まあ、誘拐ではないのかもしれないが、これは一種の虐待ではなかろうか?
おそらく、世の人たちに聞けば十人中九人くらいは虐待だといってくれるだろう。
まぁそれはいいとして、何故このような現状になったのかの簡単ではあるが説明しよう。
あれは、母が持って来た一つのお見合いの話が原因である。
では回想
「ねぇ修くん、お見合いしない?勿論、拒否権何てないけど」
外から帰ってすぐリビングに行き、ドアを開くとそこに待ち構えるように立っていた母から突然お見合いをしろと言われた。
俺はいつもの母の病気が始まったのだと思い、呆れながらこの一言を発さずに入られなかった。
「何寝惚けとるか母よ」
これ以外の言葉はこの母には必要がないだろう。
何年も一緒に住んでいるといつものことになるので軽くかわして逃げようと踏んでいた。
「寝惚けて何かないよ。この間昔の友達と飲みに行った時にまたまた一緒に来た娘さんに修くんの写真を見せたら「父さん、私この人と会ってみたい」って言ってね?お酒の勢いで、お見合いしちゃおうって約束しちゃった、てへ」
いい大人がそんなうら若い女子の仕草をしたところで何になるのだろうか?
決して需要はないと言いたいがここは我慢することにする。
「てへ、じゃねーよ。見合いなんぞしねーからな、断ってくれ」
馬鹿なんだろうか?いや、馬鹿だったなこの親は。
こちらの了承も何も取らずに「はい喜んでお見合いさせていただきます」などと言うとでも思っているのだろうか?
「断るの何て無理だよ~。だって後2時間しかないもん。今更ダメでしたなんて向こうが怒るよ~。だから、ね?」
「ね?じゃねーよ!んな大事なこと何で早く言わないんだ!」
「だって断られるじゃん!?」
癇癪をおこさないでほしい。
癇癪を起こしたいのはこちらのほうだ。
こちらはめちゃくちゃ言われているほう側なのだから。
それに断られるのが分かっているからと言って、そんな重要なことを黙っていてもいいことはないのではなかろうか?
結局、俺が断ってしまえば時間がどうのこうのと言うのは関係がなくなるはずだから、この断れません作戦もどきは失敗だろう。
「ただいま~。修くん帰ったよ~、パパだよ~、出迎えてアツいハグで!」
どうやら頭のおかしい人は、同じく頭のおかしい人間を呼び込むらしい。
このタイミングで助っ人にもならない人間など来てほしくない。
「うっせぇ、変態。娘にでも抱きついてろ。ついでに、いい加減子ばなれしろ。そう言うのは息子にするもんじゃない。娘が居るんだから娘にしろ」
「え~、やだ。だって殴るし、蹴るし、吊るされるし、引き摺られるし、修くんにしか甘えないじゃん!」
一応紹介しよう、わが父にして永遠の幼女モドキの変態さんだ。
俺は決してこのような幼女モドキの変態を父親などと認めたくないが薬指に光る物がはまっているので渋々ではあるが認めてやってる。
だが、決してお前をパパなど呼ばん!
それと我が家には絶対的な存在感を放つ妹くん・・・いや、魔王様がいる。
妹くんはこの変態が嫌いのようで、話しかけられただけで殴る蹴る引きずるなどの武力行使発動である。
現在家庭内で被害を受けているのは実情この変態だけであるが・・・うん、少しだけ、ほんの少しだけ可哀想だからフォローくらいは入れておこう。
「悪かった、変態。妹くんは我が家の魔王だからな。そんなことできるわけないか」
まぁ、何故か俺には甘えたりする。
甘えるのだが、いつも殴られている変態を見ているので素直には喜べないでいる。
普段の行いと言うのはやはり重要である。
思考がそれたな今は見合いの話だった
「とにかく、俺は行かない」
「ふふ、そんなことも有ろうかと、ロープを用意しておきました。これで解決」
魔王の妹の母だけはある、解決法は実力行使。
間違いない、100パーセントあの妹くんはあなたの娘だ。
今までの経験上、この母からは逃げられる気がしない。どうしよ「?何かにしたのかい、修くん?」そうだ!こいつがいた!
役立たずでも、煽てれば木に登るはずだ。
「パパ助けて!無理やりお見合いさせられそうなんだ!どうにかして!?」
「ぱっパパパパ、パパって、よ、呼んでもらえた!ってお見合い!?そんなことさせない、修くんは僕のものだ!」
ちょろい、どうやら見た目だけでなく頭も幼い使用で構成されているようだ。
だが、見た目幼女の父が叫んでいる姿と言うのは非常にスッゲーシュールダ。しかも頑張って母に対抗しようとしとる。
「ちょっと黙ろうね?あ・な・た」
仁王立ちしていた母が標的を見つけた目を変態へ向けた。
正直、チャンスだ。
だが、少しの好奇心でこの先どうなるのだろうと見守ってみることにした。
「ま、待とうね雪ちゃん!暴力はいけないんだよ!ほら、はなし「聞く耳持ちません」ですよね?」
そのまま歩み寄り、恐怖で動けない状態であろう変態の胸倉をつかんだ。
「ひっ!やさしくしてね?」
カーン!
俺は母の中のゴングが鳴った音を、変態の言葉と同時に聞いた気がした。
次の瞬間、胸倉を掴んだまま一気に押し倒される変態を、俺は心の中で合唱しながら見た。
次の瞬間にはマウントポジション。
連打!
うわー何か赤い雨が降ってきた。
今の内に逃げよう。
玄関を抜け、チャリにのり、俺は自由を掴んだ。そう、俺は思っていた。
ブオオォん!キュルルルるンオオオオオオオオン!
マザミヌーターが車で追跡してきたようです!誰か助けて!はっ?!そうだ!妹くんに助けて貰おう!
妹くんに後で何を要求されるか分かったものではないが、ここは他の選択肢もない!
一か八かだ
「携帯よ、お前にすべてがかかっている」
ポケットを探り携帯を出す。てが震えてなかなか打てず焦りながらも何とか押し、妹くんにコール。
コール音がやけに大きく聞こえる気がする。
これが恐怖に追い詰められたときの人間と言うやつか。
そう思っていると繋がった
「もしもし、妹くん!」
「はい、兄さんの永遠のペット、白雪です。どうかしましたか?」
ツッコミなんぞ入れんぞ?今は緊急事態だからな。
「妹くんたグフォっ!」
あ、おじいちゃん。久しぶりだね!何でこんなとこに要るの?まぁいいか、今そっちに行くよ。えっ、来るな?お前が来ると魔王が来るから怖い?嫌々大丈夫だよ。えっ、大丈夫じゃない?あれ?おじいちゃん額に御札がついてるよ?何々、お前を送り返さないと魔王がおじいちゃんを消す?うーん、わかった。どっちにいけばいいの?後ろ?わかった、またねおじいちゃん
「はっ!今の何だ!じいちゃんがいたような」
数年前に死んだじいちゃんとあまり感動的ではない再会をしたようなしなかったようなそんな気がした。
あれだろうか?臨死体験というやつか?と思えば
「おはよ、修くん。それじゃ行こうか♪」
目を覚ました時、車のトランクを閉める母がものすごい笑顔でかたりかけてきた。
その時俺は逃亡に失敗したことに気がついた。
両手両足、果ては口も塞がれた状態となりながらのことである。
てなわけで、現在に至わけだ。
こうして俺は、母に車で引かれるという珍しい体験をし、ドナドナの如く車に揺られお見合いに行くのだった。
2話も再構成済み