ただいまサンタ逃亡中
今日はクリスマス。
聖なる夜にサンタクロースがいい子のみんなにプレゼントを持ってきてくれる日。
白い雪が舞い落ちる中、みんな静かに眠りについたこの町にもサンタがやってきた。
シャンシャンシャンシャン
遠くのほうからサンタとトナカイがやってきた。そして、ある一軒の家の前へと降りてくる。
「ハイ、止まれ〜」
グイッ
「イテッ!!イテテテテ!!痛てえって言ってんだろうがこんの老いぼれじじいが!!そんなに引っぱらなくてもわかるっつの!!」
「家畜ごときがご主人様に文句いうなタダ飯食らいめ!!」
「どこがタダ飯だどこが!!ちゃんとこうやって超肥満不健康体を運んでやってんだろうがよ!!」
多分サンタクロースのロースは霜降りだ。
「てめえは今日を抜かした残りの364日はただ食っちゃ寝してるだけだろうが!!少しは働けニートめ!!」
「それはてめえのほうだろうがよ!!証拠がその体だよ!!ヒゲも剃らねえわ動かねえわでただのデブじじいになってんじゃねえか!!」
「いいんだよ!!痩せてるサンタなんてサンタじゃねえんだよ!!子供たちはみんな小太りサンタがお好きなのさ!!」
「小太りじゃなくて関取だろおまえの体はよ!!スモウレスラーじゃねえか!!ちゃんと働かねえからまともなおもちゃが買えねえんだよ!!」
「うっさいっつの!!こっちは年金暮らしなんだよ!!いくらヨーロッパでも世界中の子供達に買う金なんてねえんだよ!!」
「とか何とか言っていつも数人しかプレゼントあげてねえじゃねえかよ!!」
「しょうがねえだろ!!時間がいくらあっても足らねえんだからよ!!普通に考えてみて世界中なんて無理なんだよ無理!!」
「それはてめえがいつも途中で『やべ、気持ち悪くなった。チョット止まって』とか『待って、ここのお母さんきれいだ。もっと見てたい』とかバカなことほざいてるから時間がなくなんだよ!!」
「だったらてめえだって『あ、ここの雑草うめえ。もうチョット食わせて』とかほざいてるだろ!!それにウンコしすぎなんだよ!!いくらなんでも飛んでるときすることねえだろ!!あくびしてたときなんて最悪だったぞ!!」
ご愁傷様でした。
「下が海だから仕方なかったんだよ!!それにてめえは一歩間違えば捕まるぞ!!若奥様見て興奮すんじゃねえよ!!年考えろ年を!!だから結婚で出来ねえんだよ!!」
「ああ!!それ言っちゃう!?言っちゃうんだ!!ああ言っちゃうんだ!!言っちゃうんだ!!」
「言うよ!!変体老人!!エロガッパ!!古だぬき!!」
「わかった。もういい。今からトナカイの肉が安くほしいって言ってたフランス料理店に電話するから」
携帯電話を取り出した。結構、最新機種だ。
「ちょっと待て!!それは考えたほうがいいと思うぞ。うん。おまえどうやって帰るつもりだ?俺がいなかったら大変だぞ〜」
トナカイが少し苦笑いをして言う。
「タクシーで帰るからいいよ」
携帯の番号を押している。
「待て待て、お金持ってる?タクシーは高いからな〜。それに結構遠いよ。飛行機乗らなきゃ。そんな金ないよねえ。さっき言ってたもんねえ。年金暮らしだって」
携帯を耳に当てている。
「おまえ売った金で帰る」
「いやいやいや、俺そんな高くないって。やっすいやっすい。筋とか硬いと思う。うん」
「じゃあしょうがない」
携帯を耳から話す。トナカイ胸をなでおろす。よかったね。命拾いだ。
「剥製にして売るか」
トナカイ再びピーンチ!!
「それも考え直したほうがいいな。うん。剥製って時間かかるじゃん?そんなすぐには出来ないっしょ。いいか。冷静になって考えて見てくれ。どうだ?あ?俺を売ったところでなんも価値がないだろ?な?」
トナカイ必死の形相だ。
「そうだな」
携帯をしまう。
「お、わかってくれたか」
トナカイほっと肩をなでおろす。
「家に帰ってからだな」
「ってめえわかってねえじゃねえかコルラァ!!!そしたら海に振り落としてくれるわ!!!!」
「なんだと食用の分際で!!やれるもんならやってみやがれってんだべらんめえ!!!」
「なんで江戸っ子なんだかわからんがやってやろうじゃねえかべらぼうめ!!!」
ふたりがつかみあったその瞬間!!
ガチャッ
ドアが開き
「うるせえよ!!!!子供が起きちまうだろうが!!!!」
外人特有のガタイのいい怖いお父さんが出てきて怒鳴った。するとサンタとトナカイ
「あ、これは、ども、すみません」
「あ、すいません。こんな真夜中に。常識がありませんでした」
悪いことをしたら謝る。これ基本。
「わかればいいんだよわかればよ。今日はクリスマスだしな。許してやるけど。今度うるさくしたら承知しねえぞ!!」
「あ、はい。承知しました」
「肝に銘じておきます」
「じゃあな。メリークリスマス」
「あ、メリークリスマス」
「メリークリスマス」
ガチャッ
「ふー。ったくもともとはてめえが強く引っぱるから」
「なんだよ。おまえが口答えするから」
ガチャッ
お父さんがこちらを無言でみつめる。
「さ、帰ろうか。トナカイくん」
「そうだね。おじいさん」
肩を組んで言った。
ガチャッ
無言のままドアは閉められた。
「もうココはダメだ。10件くらい隣の家に入るぞ」
「わかっとるがな。ったくめんどくせえ」
ソリを引く。
「ああ重い。やっぱり雪道はすべりにくってこんのビチグソじじいがなに乗ってんだよ!!!てめえも押すんだよこら!!」
「腰痛がひどいんだからいいだろがい!!てめえはトナカイならトナカイらしくおとなしく引っぱってればいいんだよ!!」
「てめえそりゃ人種差別だぞこら!!!キング牧師に言いつけるぞオラ!!!」
マーティン・ルーサー・キング牧師のことだ。知らない人はお父さんに聞いてみよう。
「てめえは人じゃねえだろうがよバカが!!!てめえの場合動物愛護協会だろがい!!」
「動物虐待だって立派な罪だぞバカヤロー!!訴えたら俺が勝つ!!!」
「その前に食ってやるって言ってんだよアホンダラ!!!」
「ムキー!!だったらこっちも食ってやろうじゃねえか!!!」
ガブー
「イテァーー!!!!ぶざけんじゃねえぞコラ!!!」
ガブー
「グアムッ!!いてえって言ってんだろうがよ!!!!」
ガブリンチョ
「くはっぱ!!昇天させちゃるわ!!!!」
ジタバタジタバタ
昔のマンガみたいに煙の中から体の一部が飛び出てる。
「フーフーフー!!」
「ハーハーハー!!」
「な、なかなかやるじゃねえか・・・。へへっ」
「そ、そっちこそ。フフッ」
「ヘヘヘヘヘヘヘッ」
「ハハハハハハッ」
ハタから見たら完璧にイっちゃってるヤツらだ
「まあここは友好の握手ということで」
「まあいいだろう」
サッ
トナカイが右手?いやいや右前足を差し出す。するとサンタも右手を前へ。
「オイ」
「どうした?トナカイ君」
「後に隠してるもう片方の手を見せてくれないかな?サンタ君」
確かにサンタ君は左手を背中へ回している。はて、何をしてるのかな?
「な、なにをそんなに警戒してるんだい?神経質だなチミはハッハハー」
目がキョロキョロしてるぞサンタ君。
「そうなんですよねえ。神経質でねえ。気になっちゃってねえ。だから見せてくれませんかねえ」
「ははは。だから何も気にすることなんてないって言ってるだろ?」
なんか汗が出てるぞサンタ君。
「いいから見せてくださいよ死に損ないじじい」
トナカイ君が笑いながらサラリと言った。
「はは、だからなにも・・・・・・・死にさらせええええ!!!!」
左手を振り上げて襲い掛かった!!
「やはり鈍器かっ!!!!殺れるもんなら殺ってみやがれ!!!」
ピーピピピピッ!!
どこからともなく笛の音が。
「そこの一人と一匹、やめなさ〜い」
「あ、これはポリスメンさん。おこんばんは」
「な、なにかごようでございましょうか?」
「あのね、苦情が来てんのよ。なんかケンカしてるってさ」
「あら、そうでございますか。いやーすいませんねえウチのバカトナカイが」
「いやいや、ホント申し訳ありません。ウチの大バカサンタが」
顔を見合わせる。
バチバチバチッ
火花を散らせる。
「ああもういいから。サンタもトナカイも仲良くして。今日はクリスマスなんだから。速くしないと夜が明けるよ」
「あ、ホントだ。速くしなきゃ」
「もうバンバンくばりまくりますから。あ、ポリスメンさんはお子さんとかは?サービスしときますよ」
「いま、クリスマスの夜に、こうやって来れるってことは。わかるでしょ?」
「あっ、おっ、かっ、こ、これは失礼しました!!」
きれいな敬礼だ。
「んじゃ、もうケンカしちゃだめだよ。ね。」
「はい、しませんしません。絶対しません」
「ほんと、大丈夫ですから」
「ん。じゃあね。メリークリスマス」
「メリークリスマス」
「メリクリー」
チクビのずれてるポルスメンは去っていった。
「ふー。なんとか捕まらなくてすんだ」
「もう留置所の飯は食いたくねえやな」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
二人は遠い眼をして何かを思い返しているように見えた。
「さ、配るべえ!!」
「んだな。んだな」
「まずは一軒目!!はいっ、煙突がない!!」
「古き良き時代を大切にしろバカヤロー!!!」
「よし、いつもので行くか。ガムテープ」
「はい」
ビーッ
ビーッ
ビーッ
「よし。石」
「はい」
石を受け取り窓ガラスを
バリッ
「お見事です。音もほとんど出さずに窓を割りましたね。成功です」
「うむ。このように鍵の周りをガムテープで囲ってその中を割るんだよ」
「わ〜まるで泥棒さんみたいだ〜」
「良くこのみんなは真似しちゃダメだぞっ。さ、それじゃ不法侵入開始」
ガチャ
ガラガラガラ
「ここはリビングか。子供部屋は2階だな」
「おっ、なんかいい匂いがしますぜ旦那」
「おおっ、まことじゃまことじゃ。少しキッチンに行ってみよう。もしかしたら子供が寝てるかもしれないからねえ」
寝てるはずねえだろ。
「そうですねえ。もしもってこともありますからねえ。それじゃあトナカイも失礼させてもらって」
しかも土足だ。
「結構広いな。こりゃ期待できるぜ。ジュルリ」
「隊長ー!!発見しました!!」
「こ、こ、こ、こりは!!」
「ケーキだあぁ!!」
そして一斉にかぶりつく。どうもこいつらためらいと言う言葉を知らないらしい。
ガツガツ
バグバグ
「コラッ!!トナカイの分際でイチゴをそんな食うな!!」
「年なんだから胃もたれ起こすぞ更年期障害ジジイ!!」
「ん?ありゃシャンペンじゃねえだか?」
「ほ、ほんまじゃけえのう!!」
シュポンッ
「メリーサンタクロース!!!」
「メリークリスマース!!!」
「ワハハハハハハ!!!愉快じゃ愉快じゃ!!」
「ブヒヒヒヒヒ〜ン!!!爽快爽快!!!」
パチッ
突然部屋の電気がついた。
「ま、まぶちっ」
「ミーピカラシャン!!」
“ミーピカラシャン”とは沖縄の方言で“まぶしい”って意味だよ。
「ぬあにやってんのよ!!!!」
「ヒイィ〜!!奥様あぁ」
「あなた、すぐにポリスメンへ電話して!!」
「OKマイワイフ」
「ヘイヘイ!!ストッププリーズ!!」
Reindeer said、,(“Reindeer”はトナカイって意味だよ)
「ヒーイズアサンタクロース!!!」
「マイネームイズサンタクロース。ナイストゥーミーチュー。ハウアーユー」
「もしもし?ポリスメン?ウチに泥棒サンタクロースが潜入しました」
「無視!!??もうちょっとリアクションしてよ〜。サンタの面目丸つぶれだよ〜」
8行目あたりですでに丸つぶれだ。
「警察だけは!!警察だけはなにとぞご内密に〜!!!」
謝るんだったら最初からしなければいいのにねえ。
「マミー。どうしたの?」
2階から目をこすりながら子供が降りてきた。
「あらあらかわいい坊っちゃんだこと。よ〜しプレゼントをあげよう。ほら、トナカイ。袋」
「どうぞ」
白くて大きな袋をサンタに渡す。
「プレゼントくれるの?うれしいなあ!!」
子供は純粋だな〜。
「いい子にしていた君にはいいものをあげよう。サービスしちゃう。もう飛び切りのプレゼントしちゃうから。だからね、これから来るポリスメンには何も言わないでね。わかったね?」
汚い!!汚すぎる!!不潔!!
「うん!!」
「OK!!プレゼントフォーユー!!」
プレゼントを渡す。
「わーいプレゼントだ〜。うれしいなったらうれし……ってなんだよこれ」
「え?どした?いきなり口調変わっちゃったけど。どした?」
「プロマイドカード?」
「そうだよ。これは全部で30種類プラス5種類のレアカードがあるんだけどね。もうキミには大大大サービスってことで超レアとされてるサンタの入浴シーンをあげちゃう!!」
「きゃっ!サンタのおじさんったら大胆。って世界中の子供達に撲殺されろよ」
「きゃー怖いわ〜。この子怖いわよトナカイさん」
「ホントね。ホントね。これが最近の子供ってやつね」
おまえらは最近の大人ってヤツだ。
「うるせえよ!!いいものくれると思って下手にでてみりゃこの始末だよ。やってられるかってんだ!!」
「うひ〜!!そんなこと言われてもお金がなくてえ」
「お母さんからもなんか言ってやってくださいよ〜」
「さすが我が息子。もっと言ってやりなさい。このクソ以下のアンダーザクソサンタに!!」
ちなみに英訳すると“Under The Shit Santa.”。略してUTSSだ。外国に行ったらみんなも使ってみよう。
「もうだめだ!!こうなったら逃げるしかない!!行くぞトナカイ!!」
「おまえが指図すんな!!てめえこそ遅れるんじゃねえぞ!!」
一気に玄関に向かって走り出した。
「サンター!!カムバーック!!」
ガチャ
「ま、まぶちっ」
「マジラッポエ!!」
“マジラッポエ”とは茨城の方言で“まぶしい”という意味なんだ。
ライトが一人と一頭を照らし出す。
「そこの存在自体がわいせつ物陳列罪。これ以上夢を壊すな!!ということで器物破損罪も追加!!ついでにソリの駐車違反だ!!」
「うるさいうるさい!!わいせつ物陳列罪は否定できないが器物破損はどっちだバカヤロー!!」
「そうだそうだ!!夢を壊してるのはおまえら大人じゃないかコンチキショー!!」
「だから激レアサンタプロマイドを貰っても涙を流して喜ばないんだ!!」
「それは絶対に違うと思うぞ!!!あまりの恐怖に泣き出す子供はいるだろうけどそれ貰って喜ぶ子供なんて世界中、いや、宇宙中探したっていないぞ!!」
「そんなもんやってみないとわかんねえだろうがよ!!」
そう言うとトナカイにまたがった。
「行けえ!!トナカイ!!」
「軽々しく乗るんじゃねえ!!だけど、今回はこれしか方法はねえみたいだから仕方ねえ!!」
トナカイが力強く地面を蹴った。
「と、飛んだ〜!?」
「に、逃げたぞ〜!!撃てー!!!」
パキューン
バキューン
ズキューン
「けっ!!そんなもんに当たるかってんだ!!」
「このプロマイドを貰った子供はうれし泣きする証拠を見せ付けてやる!!そりゃああ!!」
サンタは花咲か爺さんみたいにプロマイドを撒き散らし始めた。
「枯れた心に花を咲かせまショー!!」
バラバラ
「あ、あのサンタ……や……りやがった……」
この年、全世界の良い子、悪い子、大人、おじいちゃん、おばあちゃん、植物、動物、昆虫、魚、この地球上に存在するすべての生物へサンタからのクリスマスプレゼントがあった。
世界中が涙した。
「おいじじい!!手紙が来てっぞ!!」
「あ?持って来いよそれじゃあ」
「なんだとコラ!!こんなにあんだぞ!!オラ!!」
両手一杯抱えた手紙の山をサンタに向かって投げた。
「ブワッシ!!もっと丁重に扱わんかぶわくあもん!!」
「ああうるせい、うるせい。これだから古い人間は」
「ったく、昔はこんなにモノが溢れてなくて大変だった、む、ん?なかなか封筒が開けられんな。むむ?糊が強すぎて」
ビリッ!!
「てめえが丁重に扱えってんだ」
「くっ、無念」
「で?なんだって?」
「ええっと、”もういらない”、こっちは“名誉毀損で訴えますよ?”、こっちは“損害賠償5000万円を要求します”などなど」
「…………」
「…………」
ドンドンドン!!
ドンドンドン!!
「警察だ!!おまえには逮捕状が出ている!!今すぐ開けろ!!」
『!?』
顔と顔を見合わせる。
「よし、突入!!」
バギッ!!
「ん?どこ行った?……これは?」
見るとそこにはクリスマスプレゼントが。手にとって箱を顔に近づける。
チッチッチッチッチッチッチッチ
「総員退避!!!総員退避!!!」
ズドキュ〜〜〜ン!!!!
「クックックック!!そう簡単に捕まってたまるかってんだ」
「ケッケッケッケ!!サンタクロースは永遠に不滅なのだ〜あっはっはっは〜!!」
「ガッデム!!」
すすで真っ黒になった顔で小さくなる極悪サンタ&トナカイを見て言った。
「こちらチクビのずれてるポリスメン。サンタ一味はソリにまたがり西へ逃亡中、どうぞ」
「了解。よし、出撃する!!」
ゴオオオオオー!!
エンジンがうなり声を上げる。
ウィーンウィーンウィーンウィーンウィーン
警報が鳴り響く。
ガガガガガッ
前方の扉が開く。
ズドオオオオオオオ!!
ズドオオオオオオオ!!
ズドオオオオオオオ!!
ズドオオオオオオオ!!
ズドオオオオオオオ!!
轟音と共に5機の戦闘機が出撃した!!
ある街に警報が発せられる。
「ただいま、逃亡中のサンタがこの地域に侵入した模様。住民の皆さんは直ちに避難してください。繰り返します。ただいま、逃亡中のサンタがこの地域に侵入した模様。住民の皆さんは直ちに避難してください。繰り返します。ただいま、逃亡中のサンタ」
ヒラヒラヒラ
ピラッ
じ〜。
「コラ、早くしなさい」
「ママ〜。サンタの気持ち悪いカードがね。落ちてきたよ」
「そんなものいいから、早くしなさい」
子供はきしょいサンタのカードが落ちてきた空を見上げた。
上空では、音速の戦いが繰り広げられている。
すでに子供はいなかった。
吐き気がするサンタのカードと共に。
tHe EnD
サンタを信じている人は見ないでください。
あ、これを見てる人はもう見ちゃったのか。
それじゃあサンタを信じてる人に見せないでください。
全力で阻止してください。