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嘘をやめるまで、あと3秒

作者: 雨宮 凪
掲載日:2026/04/06

短いお話です。

初めて書いた小説になります。

私の実体験をもとにしたお話です。

気軽に読んでいただけたら嬉しいです。

心春は、よく話を少しだけ盛ってしまう。


本当は大したことじゃないのに、

「昨日ね、テスト満点やってん!」

「この前、駅で芸能人見たかも!」

そんなふうに、つい言ってしまう。悪いことをしてるつもりはないのに、言ったあとに少しだけ胸がチクっとする。


ある日の昼休み。親友と三人で話していた。


「この前の数学のテストどうやった?」

「え、私?98点やった!」


本当は、84点。でも気づいたら口が動いていた。


「えー!すごいやん!」

「ほんまに?今回むずかったのに」


そのとき、後ろの席の男子が言った。

「え、84点やろ?テスト返ってきたとき見えたで」


一瞬、空気が止まる。


「……え?」

「98点って言ってなかった?」


「あ、えっと…その…」


言葉が出てこない。


「また?前も似たようなことあったよな」

「なんでそんな嘘つくん?」


「……ごめん」


「もう、何が本当かわからん」


そう言って、二人は去っていった。教室に残されたのは、心春ひとり。


(なんで言っちゃうんやろ…)

嘘をつくつもりなんてないのに、気づいたら口から出ている。(もうやめたいのに)


放課後、一人で帰り道を歩く。スマホを見ても連絡はない。(嫌われたかも…)胸がぎゅっと痛くなる。


「もう嘘つきたくないのに…」


そうつぶやいて、公園のベンチに座った。


そのとき、後ろから声がした。


「それ、嘘ついちゃうやつ?」


振り向くと、同じ学校の制服を着た女の子が立っていた。


「…聞こえてた?」

「ちょっとだけ」


その子は隣に座る。


「私、紗奈」

「…心春」


「さっきの話やけど、私も同じ。つい盛っちゃう。ほんとはそこまでじゃないのに」


「……わかる」


「で、あとから後悔する」

「めっちゃする」


二人は少し笑った。


「今日もやらかした?」

「友達と喧嘩した」

「うわ、それはきつい」

「もう嫌われたかも」


少しの沈黙のあと、その子は空を見ながら言った。


「私さ、嘘つくの直そうと思って一個だけやってることあんねん」

「なに?」

「“盛りそうになったら、三秒黙る”」


「三秒?」

「口が勝手に動く前に止める。そしたら、意外と本当のこと言える」


「……できるかな」

「最初は失敗するで。私もまだ普通にやらかすし。でも、一人で悩むよりマシやろ?」


心春は小さくうなずく。


「……やってみる」

「じゃあ今練習な」

「え?」

「今日のテスト何点やった?」


心春は口を開きかけて、止めた。


一秒。二秒。三秒。


「……84点」


「普通やん」


二人で笑った。


「なんか…ちょっとスッキリした」

「やろ?嘘つかん方が楽なんよ、ほんまは」



次の日の朝。教室に入ると、二人はもう席に座っていた。目が合っても、少しだけそらされる。(やっぱり怒ってるよな…)


昼休み、二人が席を立つ。


「……待って」


振り返る二人。心春は深く息を吸う。


一秒。二秒。三秒。


「昨日…ごめん。私、ほんとは84点やった。98点って言ってもうた。気づいたら言ってしまうねん。でも、直したい。ほんまにごめん」


少しの沈黙。


「……うち、正直ムカついた」

「うん…」

「信じてたし」

「……うん」


ため息がひとつ落ちる。


「でもさ、今ちゃんと言ったやん」

「前やったら誤魔化してた気する」

「……たぶんしてた」


「じゃあ、次また盛ったらその場で言うわ。“はい嘘〜”って」

「それいいやん」

「めっちゃ恥ずいやん!」


少しだけ、空気がやわらぐ。


「その代わり、正直に言う努力して」

「……うん」


「84点普通にすごいやん」

「なんで98に盛るねん」


思わず笑ってしまう。


「ほんまやな」


胸の奥の重たいものが、少し軽くなる。



その日の帰り道、公園の前を通ると、あの子がいた。


「どうやった?」

「……84点って言えた」

「お、三秒作戦成功やん」


夕焼けの中で、心春は少しだけ前に進んでいた。

この作品はAIと一緒に作成しました。

自分の中の気持ちや体験をもとに形にしています。



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