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内務局員アンナはお掃除をがんばります!  作者: 朝日 橋立
二章 ヤウザ士官学校よりです!
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十話め 仲良くします!

「やっ、調子はどうですかね」


 後ろからドミトリー・ジェーヴシキンの手元を覗き込んだ。

 彼はナイフを整備していたようで、その灰色が目に映った。


「邪魔をするな」


 こういったのは勿論彼である。

 やはりというか、当然と言うべきか……。私は彼に嫌われてしまっているようである。

 たぶん私の能力に不安を覚えているのかなと思う。

 現に彼はマルファさんも同様に嫌悪しているようだ。


「ところで今日の授業って何するんでしょうね。近接だったら私は嬉しいですよ。頭を使うのも好きなんですけど、身体を動かすのも好きなので」


 この数週間で気付いたのは、思ったよりも他の隊員たちが有能だということだろう。

 ジェーヴシキンさんが疑問視しているマルファさんも同様だ。

 そして、誰かが特別抜きんでている訳でもない。

 強いて言うなら、カラーモフさんだろうか? まだあんまり会話の弾まない人だ。


「俺は頭の方が好きだ。お前とはあわん」


「へえ、何が好きですかね。私は基本どれでも好きですよ」


 これ以降ジェーヴシキンさんには無視されてしまった。

 どうやらこれ以上は会話に応じてくれないようだ。

 ああ、何て冷たい……。


 さて、ジェーヴシキンさんとの関りは今のところこれでよいだろう。

 わざわざ悪感情を引き出すのも得策ではないだろうしね。

 それに善い人なのかはまだ分からないが、彼だけに注視しているわけにもいかない。


 手が足らんよ、これは。

 でも、カレーニンさんから頼まれたのだしね。

 ……まだまだ頑張ってこ。





 空が青いなと思った。

 確かあの空は積乱雲というのだったろうか?


「ふふふ、私の勝ちだね」


 差し出されたマルファさんの手を掴む。

 これでもお仕事で近接格闘もやってるのにな、と少しの悔しさがあった。

 たぶん彼女の運動能力が優れているか、鈍ったのだろう。


「勝てると思ったんですけどね」


「アンナちゃんは軽いからね。そう軽すぎるんだよ」


 笑った調子で言われたことは少しショックだった。

 やはり年齢差というべきか、対格差というべきか……。これは埋めがたい。

 ……だとしても、そう易々と投げられるのは癪だ。


「もう一回ですよ。もう一回」


 他の部隊員を見る。ジェーヴシキンさんはケーレルさんと組んでいるようだ。カラーモフさんは他の分隊員とやっている。

 特に思うことと言えば、ジェーヴシキンさんは反射神経が強いのかなと思う。

 ケーレルさんはよく分からない。カラーモフさんは教本通りな感じだ。


「よし、今度も勝って見せよう」


 マルファさんの煽りに乗っかることにした。

 決して何か情動があった訳ではない。


 結局のところまた投げ飛ばされてしまった。

 ちょっと足を引っかけたりと小技を弄したのだが、対格差の前にはどうしようもなかった。

 そうだな……しいて言うなら魔法だろうか? 対格差に依存しない武器を有さないといけない気がした。

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