96 シャイマ
その日は、仕事デイだった。
俺たちは全員でDランク初のダンジョン・シャイマに挑んだ。
「さて、今日からDランクですね。
気を引き締めていきたいところです。
変異体、覚醒体、覚醒融合体が増え続けている今、どこでそれらと遭遇しても不思議ではありません。
今はまだ言えませんが、もっと酷い敵も隠れているのです。
Dランクのダンジョンでは…
一人で二階層をやってもらいます。」
ゾードが言う。
「まじかよ…」
日に日に厳しくなるゾードのしごきには付いていけねー。
「なぁ、ゾード?
俺たち十分強いじゃんか?
それなのに、隠れた敵がどうのってさぁ。
どんな敵だよ!」
俺は抗議する。
「あなたたちは本当のソウルの怖さを分かっていません。
地獄を経験した事のある私に従うべきなのでは?」
「にゃんか、わからにゃいけど、ゾードに従うにゃん!」
サニーが言う。
「強いに越した事ないヨネ♡(^^)」
ジョーカーもゾードに付く。
「私も…今は我慢の時だと思いますので…」
ミア。
「チェッ…
みんなしてさぁ…
分かったよ、二階層やればいいんだろ!」
「それでこそ我が主人です。
では、行きましょう。」
という訳で相変わらずの地獄の特訓が始まった。
俺たちはシャイマに着くと、風助、ゼンファーファ、ウラウサ、シャニルを魔法ケージから出した。
まぁ、この4体だけでもこのダンジョンの制覇は可能だろう。
「よぅし、行くか!」
「シャイマのダンジョンはダガードワーフが出ます。
俊敏で、隙のない奴らです。
武器の扱いに長けており、結構ダガー技は巧みです。」
ゾードが言う。
「ゾード、前の惑星のダンジョンとこの地球のダンジョンって一緒なのか?」
俺。
「そうですね。
ほぼ一緒ですね。
私たちもS〜Gまで区分を決めていましたし。
ただ…
侵食型のダンジョンはありませんでした…
ソウルの力もレベルアップしている、という事でしょう。」
ゾードは言った。
俺は一人でダガードワーフの相手をする。
マギで剣を振る速ささえ、3倍ほどにして、ダガードワーフに斬る隙を与えずに素早く剣を振り下ろした。
「ナイスです!
衛輔さん!」
ミアが声援を上げる。
「これで最後ぉぉ!」
俺は最後のダガードワーフを斬りつけた。
あと、一階層か…
結構しんどいな。
Eランクのダンジョンでも一人でダンジョン制覇などやっていたが、やはり敵の強さが違うのだ。
マギがなければ、俺は悪戦苦闘していただろう。
そして、二階層を制覇した。
へろへろだ…
次はミアの番だ。
ミアは一から五の型を変幻自在に繰り出して、自身を回復もしつつバランスよく敵を倒していく。




