87 スタートン討伐
その日、いつものようにダンジョンに向かおうとしていた。
しかし、その時、ニュース番組を見ていたジョーカーが、あっ!と声を上げた。
「どうしたー?
ジョーカー?」
俺はベルトを締めながら、のんびりとそう尋ねたが、返ってきた答えは結構真剣だった。
「覚醒体が…
南月区で暴れてる!☆(゜ω゜)」
「はぁ?
何言ってるんだよ?
覚醒体がダンジョンから出るわけ…」
と言ってリモコンを取って音量を上げると…
『みなさん!
逃げてください!
見た事もないモンスターが南月区に現れました!
ダイバーに聞いても、あんなモンスターは見た事がないとの事です!
多数の死者が出ており、今!ダイバー達が決死の討伐を行なっています!』
と、アナウンサーが叫んでいる。
見るとそこには、4メートルほどの巨大な覚醒体がいた。
「アレは…!?
リザードマンの覚醒体ですね!?」
ゾードが言う。
「何だって南月区なんかに覚醒体が!?」
俺は狼狽する。
「そんな事言ってる場合じゃないですよ!
このままじゃ、犠牲者が!」
ミアが言う。
「行くにゃ!」
サニーだ。
「よ、よし!
ゼンファーファ達は置いて俺たちだけで行こう!
リザードマンの覚醒体なら俺たちで退治できるはずだ!」
俺は言い、マドンナを手にした。
ゾード、ジョーカー、ミア、サニーも用意は出来ているようだ。
俺たちは車を飛ばして南月区へ向かった。
COCOダイバー達が必死にリザードマンの覚醒体と戦っているが、中々倒せていないようだ。
「行くぞ!
ゾード、ミア、ジョーカー、サニー!」
俺たちは五方向からリザードマンの覚醒体を囲んだ。
「よろず♾️だ!」
「良かった!」
「これで、倒せるわ!」
「月野さん!
気をつけてください!」
戦っていたCOCOダイバー達が俺たちに声をかける。
「後はまかせろ!
COCOダイバー達は一般人の避難を!」
俺は言いながら、マギ高速剣を発動した。
剣がすごい勢いで回転し、俺はその勢いを殺さずにリザードマンの覚醒体に一閃する。
リザードマンの背中から生えた触手を3本斬った!
「ナイスです!
衛輔さん!」
ゾードが横からリザードマンの脇腹に剣を突き刺す。
『ぎゃぎゃぎゃぎゃ!』
リザードマンは叫びを上げながらも、コンクリートの瓦礫を持ち上げてミアに投げつける。
「ミアーーー!!!」
「大丈夫…ですっ!」
ミアはそれをバク転で避けると、ウォーターアローの水魔法を発動した。
無数の水の矢がリザードマンの覚醒体に向かって飛んでいく。
一本はリザードマンの鼻に突き刺さり、1本は腕に。
しかし、リザードマンの覚醒体は身震いしてそれを振り払うと、ジョーカーに突進していく。
「おかしい…!
普通の覚醒体よりも強い!」
ゾードが言う。
「そんな事言ってもとにかく倒すしかないだろ!」
俺が言い返す。
ジョーカーはマジカルウィップでリザードマンの覚醒体の首を締め上げた。
「今だよん!( ̄^ ̄)」
「やるにゃ!」
サニーがリザードマンの腕を取り、渾身の背負い投げをした!
リザードマンは腹部が破裂し、死んだ。




