74 覚醒体ジャック
その日、俺とジョーカーはCOCO基地に呼ばれていた。
俺とジョーカーは朝飯を食うと、COCO基地に向かった。
COCOダイバー局ではなくて、COCO基地だ。
ここは、ナンバーズしか立ち入れない。
いつも通りに本棚の裏側の隠し階段を通って地下のミーティングルームに降りた。
そこには、仙道さん、白波さん、桜波、ルナティ、古賀さんが居た。
「やぁ、来たな。
ジョーカー、月野。」
仙道さんが椅子に座るように促した。
「どうかしたんですか?」
俺が尋ねると…
「あぁ、実はナンバーズで、覚醒体を討伐してもらいたいんだ。
これまでは、大和ダンジョン委員会に言われて討伐していたが…
覚醒体を放っておく事は、他のダイバー、そして、一般人へのリスクに他ならないからな。」
「はぁ…
一般人…?
覚醒体がダンジョンの外に出る可能性があるという事ですか?」
俺はまた尋ねる。
「あぁ、それが、あり得るんだよ。
何故か覚醒体は入り口に向かう習性がある。
もしも、扉を破れば…
外に出る可能性は否定出来ない。」
「…分かりました。」
「今回の討伐メンバーは、ナンバーズのジョーカー、ルナティ、桜波、古賀、月野、の5名だ。
場所は、ダンジョン・モナリザの地下5階辺り。
覚醒体0055ジャックだ。
覚醒体は動いているから、正確な階は特定出来ない。
ただ、先ほども言った通り、入り口に向かう習性があるから、浅い階で遭うかもしれないな。」
仙道さんは言う。
「なるほど…」
「今から討伐に向かってくれるか?
もしもの時は緊急信号を発してくれ。
俺と白波が駆けつける。
今回のリーダーはナンバーから言ってジョーカーだ。
副リーダーはルナティ。
頼んだぞ?」
そうして、俺たちはダンジョン・モナリザに向かった。
討伐対象の覚醒体は、低空ロック鳥の覚醒したものらしい。
まぁ、俺たちで事足りるだろう。
「じゃ、がんばろー(^○^)/」
という気の抜けたジョーカーの号令により、ダンジョン・モナリザに入っていく俺たち。
順調にロック鳥を倒して、ついに地下4階に着いた。
いた!
覚醒体だ!
すぐに分かる。
異臭を放ち、ズルズルと触手を引きずる音がする。
それは、もはや、ロック鳥では無かった…
「総攻撃ぃ♡」
ジョーカーが言い、俺たちはロック鳥との間合いを詰める。
ジャックは破れかけた翼をはためかせて上昇していく。
「来るわよ!」
ルナティさんが言うと同時に、ロック鳥は急降下する。
狙いは…
俺だ!!!
俺は、ジャックが眼前に来たタイミングでマドンナソードを思いっきり横に振る。
ほとんど感覚的にやっている。
覚醒体ジャックの胸に亀裂が走った。
青の毒液が飛び散る。




