70 Eランク初
その日はEランクのダンジョンを初めて攻める事にした。
ダンジョン・セシルだ。
ダンジョン・セシルはリザードマンが出るダンジョンで、怒りのリザードマンや悲しみのリザードマン、喜びのリザードマンなどが現れる。
どう言う特性を持っているか?と言うと…
怒りのリザードマンは怒りの感情を伝播する事がわかっており、悲しみのリザードマンは悲しみの感情をダイバーに押し付けてくるのだ。
喜びのリザードマンなら、では良いではないか?と言うと、そうでも無い。
喜びの感情を伝播されたダイバーは頭の中がお花畑になり、戦闘どころでは無くなる。
ミアの精神破壊で防御するのが有効だろう。
そんな訳で、ダンジョン・セシルに向かった。
「さぁ、今日からEランクですね。
今日はジョーカーさんと衛輔さんとウラウサだけでやってもらいましょうかね。」
相変わらず偉そうにゾードが指示する。
「へいへぃ。」
俺は剣を構えて言う。
「はーい(^○^)/」
ジョーカーは素直だ。
ミアの精神破壊の防御だけは発動してもらい、俺、ジョーカー、ウラウサは確実にリザードマンを倒していった。
地下4階までやってきて、そろそろ引き返そうか?とした時、スマホがけたたましい音で鳴った。
「緊急音だ!
誰かがこのダンジョンで襲われてるぞ!!!」
俺は言う。
ゾードも携帯を確認して言った。
「地下5階のようですね!
行きましょう!」
俺たちは走って地下5階に降りて行った。
そこには、リザードマンの覚醒体と血まみれのダイバーが4人居た。
「ノーネーム覚醒体です!
ミアさん、回復を!
衛輔さんとジョーカーさん、ゼンファは覚醒体に総攻撃!」
ゾードが言う。
「よっしゃぁ!
やるぜ!」
俺はマドンナソードを構えて気合を入れる。
リザードマンは錆びた剣を振り回している。
俺はマドンナソードでリザードマンの剣を弾くと、空いた懐に高速剣を叩き込む。
リザードマンの腐れた肉を削ぎ落とし、リザードマンは叫び声をあげる。
「ジョーカー!」
俺が言うと…
「サイコロ、サイコウ!
出た目は…
6!(゜ω゜)
マジカルボム!」
ジョーカーがマジカルボムをリザードマンに投げつける。
黄色と黒の煙が上がり大爆発するマジカルボム。
リザードマンの覚醒体は跡形もなく消えて行った。
「我の出番が無いではないか!」
ゼンファーファが怒ってる。
「おとなげないぞ、ゼンファ。
それより、大丈夫か…?」
見ると4人のダイバーはミアのスキルでかなり回復していた。
相変わらず血は付いているが…
「ありがとうございました…
ナンバーズが近くに居て良かったです…
まさか、ノーネーム覚醒体に遭遇するとは…」
リーダーらしき男が言った。
そして、4人をCOCOダイバー局に連れて行き、俺たちのEランク初ダンジョンは終わった。




