57 隠しダンジョン
大和ダンジョン委員会離反の話は一旦保留として、俺たちはその日もレベッカのダンジョンを攻めていた。
今日は俺は後衛で補助・支援気味で、ミアとジョーカーとウラウサが主にユニコーン族と戦っていた。
地下9階まで進み、このダンジョンもボスは討伐されているので、引き返そうとすると…
ルナティさんと遭遇した。
「あれ?
ルナティさん?」
「やっほー、ツキノッチー!
と、愉快な仲間達!」
「誰が愉快な仲間ですか、誰が!」
ゾードが反論する。
「ルナティさんって今はBランクですよね?
こんなFランクのダンジョンに何の用ですか?」
「あぁ、それね。
相変わらず隠しダンジョンの捜査よー。
つまり、32個目のダンジョンね。」
「はぁ…
こだわっていますねぇ…
しかし…」
「ん?」
ルナティさんは首を傾げる。
「32個目のダンジョンって本当にあるんでしょうか…?
どうしてみんな噂話に夢中になるんですか?」
「噂話なんかじゃ無いわよ。
あのね、32個目のダンジョンは必ず存在するわ。
もっとも、状況証拠としか言えないかもしれないけれど、32個目のダンジョンが存在するという動かぬ証拠があるのよ。」
ルナティさんは言う。
「えぇ?
どんな証拠なんですか?」
「仕方ないわねぇ。
本当は有料の情報だけど、COCOメンバーのよしみで教えてあげるわ。
特別よ!」
「はいはい、で?
何なんですか?」
ゾードがめんどくさそうに言った。
「性別よ。」
「「「「は?」」」」
俺、ゾード、ミア、ジョーカーはキョトンとする。
「ねぇ、4人さん?
このダンジョンのモンスターの性別って何か分かる?」
「そりゃ…
モンスターに性別あんのかなぁ?
あったとしても、メスもオスも居るんじゃ無いですか?」
俺は言う。
「不正解よ。
答えはレベッカ始め31個のダンジョンの全てのモンスターの性別がオスだってこと!」
「えぇぇぇぇぇ!?」
俺は驚いた。
「ちょっと待ってください。
では、メスが居ないという事ですか?」
ゾード。
「そう!
そ・こ・で!
32個目のダンジョンよ!」
「つまりー☆
32個目のダンジョンにメスが居るってコト?(^^)」
ジョーカーが言う。
「ビンゴ!
その通りよ。
だってダンジョンには常にモンスターが溢れている。
どこかで増やすメスが居なきゃ無理でしょう?
32個目のダンジョンにはメスが居る。
もちろん、オスもいるかもしれないけどね。」
ルナティさんは言った。
「なるほど…」
「じゃあ、私はこれで!
何か面白い情報があれば買い取るわよ!
じゃね、ツッキー&愉快な仲間達!」
そう言ってルナティさんは去っていった。




