56 COCOミーティング
その日、公認ダイバーの秘密基地COCOに呼ばれた。
重大な話があるのだと言う。
俺、ミア、ジョーカー、ゾードはCOCOに車で向かった。
COCOに着くと、すぐにミーティングルームに通された。
そこには、リンク、コノハ+、road、ルナティさんが揃っていた。
またしても、全員大集合だ。
そして、新人も居た。
「みんな聞いてくれ。
新しく公認ダイバーになったものの、大和ダンジョン委員会に不信を持っていたSanaの3名をCOCOメンバーに加える事にした。
三浦泰典くん、浜田未来さん、幸田美玲さんの3名だ。
よろしく頼む。
公認ダイバーとしての腕は保証するよ。」
みんなは、拍手し、3人をCOCOメンバーに迎えた。
「さて、じゃあ、3人も席についてくれ。
ここからは、重要な話があるんだ。
実は俺と白波で、大和ダンジョン委員会に直談判しに行ってきた。
内容は、ディアは変異体では無い、という事だ。
結論から言う。
大和ダンジョン委員会は最後まで、ディアは変異体だとして、覚醒体である事を認めなかった…
もちろん、俺と白波も覚醒体という名称は出していないがな。
それに、大和ダンジョン委員会は…
恐らく俺たちを殺そうとしている。
何の説明も無いまま、冥府ディア討伐を依頼したのも、その為だろう…
俺たちは亡くなった2人の為にも決断しなくてはならない。
それは、大和ダンジョン委員会からの離反だ。
つまり、公認ダイバーの特権を返上する、という事だ。」
仙道さんは言う。
みんなは僅かに騒めいた。
そりゃ、そうだ。
公認ダイバーの特権を返上する、つまり、平に戻るという訳だ。
そして、それは暗黙のうちに、大和ダンジョン委員会との対立を意味するのだ。
「ちょっと、それって急過ぎない?」
ルナティさんが言う。
「いや、俺は賛成だね。
だってさ、大和ダンジョン委員会は俺たちを消したがってる。
だったら、より強い覚醒体討伐を言ってくるはずだろ?
今のままじゃ、無駄死にだよ。」
桜波が珍しく正論を言った。
「しかし、離反なんてできるんですか?
契約があったでしょう?」
俺は尋ねる。
「契約書には、小さくこう書いてあった。
2億円の違約金を支払えば公認ダイバーの立場を返上し、平ダイバーに戻る事ができる、とな。
どうだ?
2億円は俺たちにとっては、そんなに難しい額じゃ無いはずだ。
もちろん、まだ決定した訳じゃない。
ただ…
離反も覚悟しておいてくれ、と、そう言う話さ。」
仙道さんが言った。
その日のミーティングはそこで終わり、俺たちは考え事をしながらそれぞれ帰路についたのだった。




