30 情報屋
休日もあっという間に終わり、その日はそれぞれ携帯電話を持ってダンジョンに向かった。
もちろん、攻めるのはリリカだ。
リリカは地下5階まであり、まだ、地下3階までしか制覇していなかったからだ。
相変わらずいたずらケットシーは頭に来るし、眠らせケットシーや陽気なケットシーなども中々面倒くさい。
眠らせケットシーはすぐに5円玉を振り催眠術にかけてくるし、陽気なケットシーはくだらないギャグばかりをやっている。
そんなケットシー達をミアと風助が一網打尽にして、俺たちは地下4階まで来た。
すると…
「あれ?
ルナティさんじゃないですか?」
ルナティさんがそこには居た。
「あら、衛輔じゃん!」
衛輔呼ばわりされてるし…
「ルナティさんお久しぶりです。
また、匂うんですか?笑」
俺がふざけて尋ねると、彼女は少し不機嫌に答えた。
「あら、バカにしてるでしょ!
でもね、32番目のダンジョンはあるわ!」
彼女は言う。
「…ルナティさんて情報屋さんでもあるんですよね?」
「あら…
何かほしい情報があるぅ?」
「どんな情報があるんですか?」
「そうね。
今出せるのは…
32番目のダンジョン…2000万円
対戦スペースについて…2500万円
DKについて…500万円
ってところかな?」
意外と高い…
「じゃ、じゃあ、DKについて、を買います。」
俺は500万円を送金した。
「OK、確かに受け取ったわ。
では…
DKというのは、ダイバー・キラーの略なのよ。
つまり、ダイバー殺し。
最近とあるパーティがダイバー殺し、つまりDKなのでは無いか?という噂が立っているわ。
噂に留まっているのは、ダイバーの死体が上がっていない事、見た者も居ない事、ダイバーを殺す理由がはっきりしてない事、などが挙げられるわね。
そのパーティの名前は華魔鬼凛よ。
リーダーは、佐久間由奈、副リーダーは東雲春。
特に副リーダーの東雲は超特殊な能力を持っていると噂されるけど、詳細は不明。
まぁ、このパーティに出会ったら、真っ直ぐに逃げる事をお勧めするわ。
パーティのランクはBに留まってるけど、実力はAランクだとも言われているしねぇ。」
ルナティさんは言った。
華魔鬼凛…
「ありがとうございます。
気をつけます。」
「うんうん、じゃ、500万円ありがとね!
また!」
ルナティさんは不思議なスケボーに乗って去っていった。
俺たちはそのまま地下5階を制覇して、ダンジョン・リリカを攻略した。
相変わらずボスの間は攻略されていて、仕方ないので俺たちは出口に引き返した。




