27 ローザ
sideミア
大和ダンジョン委員会の呼び出しから、4日後、私とジョーカーさんはダンジョン・ローザに向かいました。
ローザはコカトリスの巣窟で、Gランクダンジョンの中では最も危険である、とされています。
私とジョーカーさんがローザの入り口に到着すると、すでにメンバーは揃っているようでした。
討伐チームのリーダー・白波海人さん、副リーダーの桜波龍さん、そして、来栖ここあさんです。
「やぁ、ミアさん、ジョーカーさん。
久しぶりだね。
今回は僕がリーダーをやらせてもらうけど、何か困ったことがあったりしたら遠慮なく言ってね。」
にこやかにそう挨拶する白波さんとは対照的に、桜波さんは腕を組んでこちらを睨みつけます。
「龍、そんなに睨んだらダメだよ。」
「俺はさぁ、あの時の勝負に納得いってねぇからな。
ジョーカー、良い気になるなよ?」
どうやら、桜波さんはジョーカーさんに負けた一戦を根に持っているようです。
「まぁまぁ!
早くいきましょうよぉ!」
来栖ここあさんが言います。
彼女は、Roadという公認ダイバーパーティからの選出らしく、強いのには間違いありませんが、口調はのんびりしています。
「行くか…」
桜波さんが睨むのに疲れたようにやめ、私たちは白波さんを先頭にローザに入っていきました。
「目標の0011ログドは多分地下4階に居る。
とはいえ、ログドも生きているから、もしかしたら階を移動しているかもしれない。
変異体は普通のモンスターよりも、頭が良いんだよ。
それに、技や魔法も変異しているから、厄介なんだ。」
「ログドはコカトリスの変異体ってワケ?(^^)」
ジョーカーさんがトランプをシャッフルしながら、尋ねます。
「そうだよ。
ビッグコカトリスの変異体でね。
普通、ビッグコカトリスは、アースヒールや土塊、土嘴斬、などを使ってくるけれど…
ログドとして変異したビッグコカトリスの魔法や技ははっきり言って不明。
だからこそ、こうして、公認ダイバーが討伐チームを組み、向かう事が義務化されているんだよ。」
「ウイルスって風邪のウイルスみたいな物ですか?」
私は尋ねます。
「あぁ、それな。
ミアちゃん、それって大和ダンジョン委員会が適当に言ってるだけで、実際には変異体の体内からウィルスも見つかっていないんだぜ?
全ては仮定のお話さ。」
桜波さんが答えます。
「まぁ。
そうなんですか。
じゃあ、本当に変異した理由は誰にも分からないって事ですか?」
私は再度尋ねます。
「「…まぁね。」」
白波さんと桜波さんが何か含みがあるように同時に答えました。
???




