20 公認ダイバーへ
そして、会議室の椅子に相変わらず座ると、栗原さんが説明を始めた。
「月野衛輔君、君には正式に大和ダンジョン委員会公認ダイバーになってもらいたい。
どうだね?」
「いや、でも…
俺なんかが…?」
「君には十分な資質がある。
エルフのミア君や魔術師のジョーカー君、さらにはウィンドオウルの風助君、はたまたフェンリルのゼンファーファ君まで従えていると言うじゃ無いか!?
君を公認ダイバーとせずに誰をするのかね?」
「は、はぁ…」
情けない返事をする俺。
「公認ダイバーには、ある一定の特権が与えられる。
月に1000万円の給与。
タワマンや豪邸などの住居。
Cランクまでのダンジョンへの立ち入り許可。
などなどだ。」
ま、ま、まじか…?
「しかし、同時に義務もある。
君たちには、危険な仕事もしてもらう事になるだろう。
今は概要を明かせないのだがね。
とにかくこれは、提案ではなく、強制に近い。
有能な人材を確保する事は大和ダンジョン委員会の使命でもあるからね。」
「分かりました…
公認ダイバーになります…」
俺は言う。
「そうか!
いや、良かった!
では、契約に移ろう!
あぁ、不動産屋には公認ダイバーのバッチを見せれば好きな物件が手に入るだろう。
ランク上のダンジョンへも公認ダイバーのバッチを見せて入ってくれたまえ。
これが、契約書だ。」
俺は契約書にサインして、色々と説明を聞き、大和ダンジョン委員会を後にした。
とりあえずは不動産屋にリベンジしよう!
不動産屋に向かう。
「あら、先ほどのお客様?
どうされますか?
やはり賃貸になさいますか?」
受付の女性が尋ねる。
「このバッチを…」
俺は公認ダイバーのバッチを差し出した。
「こ、こ、公認ダイバーの方ですか!?
大変失礼いたしました!
こちらへ!
VIPルームでお伺い致します!!!」
俺はVIPルームに通されて、高級物件を大きなスクリーンで見た。
やはり、タワマンよりも、庭付きの豪邸かな?
風助やゼンファーファもいるしな。
そして、昼月区の広い庭付きの豪邸屋敷を買う事にした。
「あ、ありがとうございましたぁ!」
店員に見送られて、俺達はゼンファーファと風助を魔法ケージに入れて豪邸に向かった。
昼月区の高級住宅街の一角にある、広さ350坪の大豪邸だ。
屋敷部分は三階建で、部屋数は24個もある。
庭は広々としていて、ちょっとした運動場のようだ。
「わぁ!
ここですか!?」
「広々〜☆(^^)」
ミアとジョーカーが言う。
俺は門を鍵で開けると、ゼンファーファと風助を芝生の
庭に放った。
2匹ともとても喜んで走り回って遊び始めた。
良かった、良かった!




