13 歓迎会
そして、その日スライムドオムレツを大量にポチり、ミアの歓迎会をした。
スライムドオムレツはスライムの形をしているものの普通のオムレツで、中にはチーズやキノコやミートやポテトなどが入っていてとても美味しかった。
その日、とりあえず俺はアパートの居間に古い布団を敷いて、ミアに寝室を譲った。
しかし、こうなってくると、広い家に引っ越したいよなぁ。
とか、欲が出てくる。
しかし、そんなお金はもちろん無い。
家となれば3000万円はするだろうし…
月都市ならば、5000万円くらいはするのかも…?
とてもじゃ無いが、買えない。
そんなことを思いながら眠りについた。
♦︎♦︎♦︎
翌朝、良い匂いがするな…
と、思ったらミアがミートソーススパゲッティを作ってくれていた。
程よい茹で加減のパスタ赤いミートソースがたっぷりと乗せられ、緑の葉っぱが上に添えられている。
何と言う葉っぱだろうか…?
「ミア、そんなに気を使う事なかったのに!」
「いえ、少しでも衛輔様のお役に立てれば…
お口に合うか、分かりませんけど…」
「いや、めちゃくちゃ美味しそうだよ!
じゃあ、食べよう!」
俺はフォークに巻き付けて食べた。
う、う、うまい!
酸味と甘味とコクの黄金比!
これは、美味しいぞ!
「うまい!うまいよ!」
「良かったですぅ!」
「食べながら聞いてくれ。
ミア、この世界にはダンジョンがあるんだ。
俺はそのダンジョンでダイバーという戦士として金を稼いでる。
だから、ミアにも手伝って欲しいんだ。」
「はい。
それは構いません。
でも…」
「?
どうした?」
「ここは、地球という惑星ですよね?
私たちの惑星は科学が発達していて、宇宙にも手を伸ばしていました。
地球の存在も知っていましたが、私が習ったところによると、ダンジョンやモンスターは存在しない平和な惑星、という事でした。」
「うーん、それが、7年前にダンジョンがいきなり現れたんだよ。
誰にも理由はわからないけどね。
まぁ、とにかく地球にもダンジョンはあるし、モンスターもいるって書き換えておいてよ。」
「すいません!
余計な事を言いました!
分かりました。
そうします。」
「いいよ。
じゃ、行こうか。」
ミアの格好はザ・異世界って感じだったけど、幸運な事にこの月都市ではコスプレが流行っている。
だから、みんなコスプレだと思うだろう。
俺たちはミッシェルのダンジョンに向かった。
ミッシェルのダンジョンへは、地下鉄に乗らなくちゃいけない。
通り過ぎる男はみなミアに振り向き、にやけた表情を見せる。