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引退配信は365日後! 召喚された国から逃亡して年下勇者と年上副団長と気ままに冒険します  作者: ヴィオレッタ violetta
56ー99 キャラバン・ジゼニア

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第58話 冒険者ギルド まずはGランク

※□※※□※※□※1行×32文字で執筆中※□※※□※※□※

改行などで見辛くなる時はビューワー設定の調節してください

 天幕の奥へさらに入ると、木製のカウンターがあり、その前に白髪交じりの髭をたっぷりと蓄えた年配の男が座っていた。

 他にも4人ほど、忙しそうに冒険者の相手をしている。


「ウィルヘルムか! 久しぶりだな。もしかして、5年ぶりぐらいか? もうそんなにたってるのか……時の流れは早いもんだ。今回は長居してくれると嬉しいんだがな」

「今回は1カ月お世話になります」

「それは短いな……。引率か? 仲間でも連れてきたのか?」


 ウィルは、門の受付で支払い印が押された2枚のギルド加入用紙を差し出した。


「引率の方か。そりゃありがたいな。いつも人手不足だ。さてさて、人族のカミトと魔人族のヴィヴィオラだな。ウィルヘルムが説明してくれたら俺も助かるんだがな」


 年配の男は、ガハハと腹の底から大声で笑ったが、すぐに真剣な口調に変わった。


「ナザルだ。ここ、ジゼニアの冒険者ギルドでギルド長を務めている」

「神斗です。お願いします」

「ヴィヴィオラです。よろしくお願いします」


 それぞれが自分の名を名乗った。


「礼儀正しくて、いいじゃないか!」


 ギルド加入用紙には、氏名、種族、主武器しか記入する項目がない。

 ナザル・ギルド長はその用紙に日付と〖新人〗と書いて、隣の受付嬢に渡した。

 受付嬢は、「もう! 私も忙しいのに!」と怒りながら作業をしてる。


「よく聞けよ。まずだな。命は自分で守れってことだ。無理な依頼は身を滅ぼす。毎年、依頼から帰ってこない冒険者は、何人いると思う? 約100人だ。ここのギルドから受けた依頼だけでだ。だから、身の程知らずの初心者はGランクスタートって決まってる。Gランクで冒険者を続けるか考えろ。もしくは、Hランクっていうのもある。特にお嬢ちゃんだな」


 ナザル・ギルド長はおそらく、私は戦えないだろうと思っているに違いない。

 彼の目には、私が無力に見えているのだろう。

 まぁ、今のところほぼ当たりなんだけど。

 100人も亡くなるんだ、死者をむやみに増やしたくないという思いが伝わってくる。


「なるほど……命大事に、は、理解した。ところでHランクというのは?」

「Hランクは、安全な街中での依頼ですね。配達やら草むしり、掃除などの簡単な仕事です。Hランクの依頼はHランクしか受注できません」


 ウィルが丁寧に補足してくれる。

 もし旅にでないなら、その選択もありなんだけどな。

 

「あとは基本的なことだな。殺人を犯すとギルド追放処分になる。怪我や死亡は自己責任だ。前借りの治療も行うが金は、後で払ってもらう。その借金があるうちは依頼ランクを1つさげたものしか受注できない。まぁ、怪我はしないこっちゃな。あとは冒険者ってぇのは血の気が多い奴が多いので、時々私闘が起こる。ただし、ギルド内は禁止だ。物が壊れるからな」

「外なら構わないってことか?」

「まぁな。でも、殺しちゃいけないのはわかるな」


 やはり、常に武器を持っていると、瞬間の感情に任せて人を殺してしまうことに直結しちゃうんだ。


「殺人でギルド追放処分になるから?」

「そうだな。ただし、正当防衛は問題ない。といっても判断をするのは俺じゃないがな」

「ヴィヴィ、先ほど手を乗せた珠を覚えてますか? あの珠が反応するんです。赤色に光ります。それと同じものがギルドにもあります」


 ざっと説明された内容はこんな感じだった。


 1.依頼受注は堅実に

 1.怪我・死亡は自己責任

 1.私闘はギルド内禁止

 1,殺人はギルド追放処分

 1,税金無料・検問税無料

 1,国家戦争に加担しない

 1.素材の買取

 1.金の預かり


「さて、どうする? Gランクからでいいか?」


 私と神斗は、お互いに目を合わせてから、Gランクを選んだ。

 だって、旅を続けるつもりだから。

 戦いから逃げてもしょうがない。


「そうか。まぁ、気を付けるんだぞ。ウィルヘルムがいるから心配はないが……。しばらくは手出し無用だからな」

「手出し無用なの?」

「そうだ。もし引率する高ランクの冒険者が手伝ったら、低ランクの冒険者が実力以上のランクに上がるだろう? するとすぐに命を落とす」

「確かに」

「でも、血の気が多い冒険者は守らないんじゃない?」

「そうだ。だから、守らない新人が死ぬんだ」


「理解できたな。じゃあランクの説明だ」


 お試しGランクはGランク依頼のみ。

 しかし、他のランクはそのランクの下も受けることができるらしい。 例えば、Cランクが受注できる依頼は、CとDの依頼。

 

「ランクはHからAまで。その上は(ワン・スター)★★(ツー・スター)★★★(スリー・スター)までだ。魔物はGからAまでのランクがいる。その上は読み方が違うがS、SS(エス・エス)SSS(トリプル・エス)とある」


 ちなみに、ナザル・ギルド長は「ウィルヘルムは(ワン・スター)だな。俺はもっと上だと思っているがな」と言う。

 どうやらウィルはギルド長から高く評価されているようだ。

 

★★★(スリー・スター)

★★(ツー・スター)

(ワン・スター) ←ウィルヘルム・各ギルド長

 A

 B

 C

 D

 E

 F ←正冒険者ランク

 ↑

 G ←お試しランク 私と神斗

 ↓

 H ←安全圏の依頼のみ


「へぇ、俺も頑張らないと」


 神斗の瞳が輝きを増した。

 やる気スイッチが入ったようで何より!

 ナザル・ギルド長は私と神斗に出来立てホヤホヤの木製タグを差し出してきた。

 これがギルド証。

 それは地球で言う軍用のドッグタグのような形状で、首に掛けることを前提に作られていた。

 そこには、Gランクと名前が刻まれており、冒険者としての証明。

 そして、この世界にいる、〖存在〗証明のようだと実感した。


「首からしっかり下げておけよ。このタグは仮のものだが、Fランクに上がれば銀製の本タグが支給されるからな」


 チラッとウィルをみると、首からギルド証を見せてくれた。

 ★ランクと名前が刻まれている。

 ★の形の宝石が埋め込まれていて、高そう……。


「やる気があるのは素晴らしいが、まずはGランクからだぞ。ところで、Fランクに上がったらお前たちはパーティを組むつもりか?」


 ナザル・ギルド長がウィルの方を見た。

 

「ええ、もちろんです」


 ウィルはうなずきながら答えた。


「そうか、ではパーティを組む際のルールがある。Fからパーティを組むことができる。その時はお前たちのパーティランクはDランクだな」


 話を聞くと、このような内容だ。

 

 ★★★ランク=9ポイント

 ★★ランク=8P

 ★ランク=7P

 Aランク=6P

 Bランク=5P

 Cランク=4P

 Dランク=3P

 Eランク=2P

 Fランク=1P


 ウィルは(ワン・スター)ランクなので7P、私と神斗はFランクで1Pづつ。

 (7+1+1)÷3=3P

 その結果、私たちのパーティのランクはDランクとなる。

 パーティで受注できる依頼は、パーティランクからパーティ内で一番低いメンバーの個人ランクまで。

 つまり、私たちのパーティであればDランクからFランクの依頼を受注できるということだ。


「依頼は、そこの掲示板に張ってあるからそれを持って受付で受注してくれ。早いもん勝ちだ」


 掲示板には、数十枚の紙が貼ってある。

 中には赤字で緊急と書かれたものもある。


「あとは、ジゼニアの義務がある。ジゼニアの護衛は、拒否権なしだ。もちろん報酬はでるがその間の1週間ほどは護衛任務以外の依頼はない」


 長く、とても重要な説明が終わった後、掲示板を見るように言われた。


「お試しGランクの依頼はどんなものがあるのかな?」

「ここにFランクへの昇級は薬草採取・Gランク魔物討伐を各1回。魔物捌き実習1回が必要って書いてある」


 これがお試しGランク依頼らしい。


「ホントだ。Gランクの討伐はチキンチキン2羽、薬草採取は指定された薬草10本5束の集めることだね」

「討伐対象のチキンチキンって、いつも食べてるやつかぁ」

「やっぱりニワトリの魔物なのかな? ニワトリ、ニワトリ。でも、ここに来るまで見かけなかったよね? どんな姿だろう? どこかで情報がないかな」

「えっと……草原でたくさんいた白くて丸々した魔物だと思うよ? ヴィヴィオラ」

「え? いた?」


 ジゼニアに向かうために、野営場から街道を歩いている時に見かけた白くて丸いのがいたけど……それだ!

 こっちに襲って来なかったから、家畜だと思っていた。


「良いですね。初めて討伐する魔物について調べることはとても重要です。その場で【鑑定(アナライズ)】することもできますが、前もって知識を持っていれば、対策が立てやすいでしょう」


 ギルドの一角には、本棚が設置されている。

 その本棚には、[立ち読み専用]と書かれている。


「俺とヴィヴィオラは、魔物についてほとんど知らないから調べる必要があるね」

「依頼の途中で見知らぬ魔物に襲われることもあるので、その土地に出現すると思われる魔物について、頭に入れておくことが一番です」

「勉強になるぅ」

「知らない魔物が現れた場合、特に【鑑定(アナライズ)】のスキルを持っていない人は、撤退も念頭に置いておかなければなりません」


 冒険者も楽な仕事ではないね。

 ゲームを攻略本を見て、プレイする感じに近いのかもしれない。

 ゲームと違って死んだらおしまいなので必要な行動だ。


「どんなに調べても、個体差があるので臨機応変に対応していく必要はあります」

「どうすればいいの?」

「ごり押しじゃないか?」


「それは、2人にしかできないでしょ!」

【★お願い★】

こんにちは、作者のヴィオレッタです。

最後まで目を通していただきありがとうございます。

少しでも 「また読んでやるか」 と思っていただけましたら、

広告の下にある【いいね】や【☆☆☆☆☆】ポイントを入れてくださるとめっちゃ喜びます。

最後に誤字や言葉の意味が違う場合の指摘とかもお待ちしております。

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