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第31話 -ケルンジリアside- 転移の日

※□※※□※※□※1行×32文字で執筆中※□※※□※※□※

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 転移の作業がようやく終わりを迎えた。

 地球への恩返しとしての行動は、おそらくこれが最初で最後になるだろう。

 5万年も寿命を延ばした地球。

 流石にこれ以上地球の寿命を延ばすことを神が許すとは思えない。

 

 終わってしまった。

 自分から計画に参加したが面倒で早く終わらせようとしていたのに。

 旅立ってしまった。

 以前星を救う為に転移してもらった1000年前のヴァイキング達も今回の日本人達も同じく送りだしたのに。

 

 この寂しさはなんだ?

 

 日本人達は、ルーウェン商業連合国に召喚された。

 この国は、異なる種族間のトラブルが比較的少なく、平和的に共存することができる場所だ。

 隣接する魔の森が徐々に居住地を浸食し始めたため、日本人達は連合軍として定期的に討伐を行いながらこの世界の生活に慣れていく手筈だ。

 ヴィヴィオラは旅がしたいと言っていた。

 ヴィヴィオラは大丈夫だろうか。

 私の所為で、人族としての存在を失ってしまった。

 なぜそんな事態になったのか、考えてみればヴィヴィオラの要求からだった。

 

 一つ目は配信活動がしたい

 2つ目はラッキー全振り

 

 LUK(ラック)全振りがしたいなんて!

 LUKは、運を向上させるパラメーターであり、その影響範囲や効果は広範囲に及ぶ、個々を形成するのにもっとも重要な要素である。

 このLUKを高めれば、生存率が上がるのは間違いないが、同時にトラブルも引き寄せることになる。

 谷があれば山が高くなるように、トラブルが深刻であればあるほど、それを乗り越えたときの幸運も大きくなる。

 重大な危機に直面しても、奇跡的な解決策を見つけたり、予期せぬ援助を受けることができる勇者は元々LUK値が高い。

 勇者以上のLUK値を設定してしまった。

 ヴィヴィオラのパラメータのLUK値をあげた段階で、何かが変わった気がした。

 生まれ落ちてから、感じたことのない感情だった。

 自分に無理を言うヴィヴィオラにいたずらするという言い訳を自分にして、彼女を作り変えてしまった。

 丁度、一つ目の配信活動がしたいという要求から、黒白くろしろヴィヴィオラという存在を知ったのもあった。

 ヴィヴィオラのLUKが私にも影響したようだ。

 

 生まれ落ちたその日から、生命の営みを見守ってきた。

 基本的には、気象や地質現象などの自然現象に少し手を加えるだけで、それ以上の干渉は控えていた。

 土を掘り返して水を与えるように、自然のサイクルを助けるだけの些細な手入れしかしなかった。

 この作業以外は、自然そのものの力を尊重し、余計な手出しは避けるよう心掛けてきた。

 ただし、魔物が強くなりすぎて、人族が絶滅の危機に瀕した時だけは例外で、その時は地球にお願いして北欧(ヴァイキング)系人種を頂いた。

 星の生命を慈しむ心は常に持ち続けていたが、私の心はどこか乾いたままだった。

 淡々と過ぎる時間を眺める日々が続いているだけだった。

 このまま、星の寿命が尽きるその日まで、変わることのない乾き。

 しかし、その乾きは、パラメータを上げた瞬間、潤いと同時に、更に強烈な渇望へと変わっていった。

 ヴィヴィオラが私の星に来たのも、結局は神の采配だ。

 私が作り変えるのも決められた運命なのかも知れない。

 それでも、この感情だけは作り物でないと断言できる。

 ヴィヴィオラに関わりたい、一緒に時を過ごしたい。

 時が来たらヴィヴィオラを迎えに行こう。

 彼女が異質な存在になってしまった今、私が迎えに行くのは当然のことだ。

 ヴィヴィオラの旅を十分に楽しみたいという願いが叶った時、迎えに行けばいい。

 幸い、時間は沢山あるのだから。

 ヴィヴィオラは私を許してくれるのだろうか?



ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー



 ヴィヴィオラは、日本人達は無事に召喚されるだろうか?

 初めてヴィヴィオラに会ったときに、〖桜〗だった彼女が座っていた芝生が少し色づいている。

 本当に変えられたんだなとヴィヴィオラが座っていた場所を眺められる椅子に腰かけた。

 鏡のようなものを呼び出し、その表面に波紋が広がり始めた。

 波紋が広がると、どこかの場面が徐々に映し出されていく。


「ん? この場所は……」


 ここはルーウェン商業連合国じゃない!?

 どうしてこんな場所に?

 一体どうしてこんなことに?

 レンギア王国は、人族至上主義を掲げる国だ。

 ああ、そうか、彼女が横槍を入れてきたのか。

 彼女の「そうかしら? あなたはできないわ」という言葉が脳裏に蘇った。

 星の管理者として私ができないことは、自分の命である星を破壊することだけだ。

 彼女を星から追い出す事はできる、なのにできないと言った。

 私の性格を熟知している彼女がやりそうなことだ。

 私の兄達が「彼女の痕跡を早めに消さないと大変な事になるぞ」「あれは危ないよ」と忠告をくれていたのに。


「仕方がない」


 重い腰を上げたといえる状況なのに、なぜか心は躍っていた。

 ヴィヴィオラと再び会える日が来ることを想像するだけで、胸の内に不思議な高揚感が広がっていく。

 少なくない対価を払うかもだが、向かい入れる下地を作ろう。

 たとえ少なくない対価を払うことになろうとも、ヴィヴィオラを迎え入れるための下地を作ろう。

【★大切なお願い★】

こんにちは、配信者のヴィオレッタです。

最後まで目を通していただきありがとうございます。


少しでも

「また読んでやるか」

と思っていただけましたら、


広告の下にある【いいね】や【☆☆☆☆☆】ポイントを入れてくださるとめっちゃ喜びます。


最後に誤字や言葉の意味が違う場合の指摘とかもお待ちしております。

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