第24話 いつも昼食は食堂で
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食堂棟についた。
鐘の音が鳴った直後行くと食堂の外まで列ができるけど、もう列が短くなっている。
「やっぱり、この時間ですね」
数回、直後チャレンジしたけど、もみくちゃにされそうになった。
副団長がいるから大丈夫だったけどね。
この世界の人族の成人男性は、平均180センチくらいありそうだ。
基本、見上げなくてはいけない。
副団長はもっと高くて2メートルは超えているのだろうね。
「今日は、骨付きもも肉のグリル、野菜スープとパンにします。ロング副団長は何にします?」
このホワイトドードーって、鳥だと信じて骨付きもも肉にした。
地球にも絶滅しちゃったけどドードーって鳥がいたはずだから絶対、鳥だ。
あとチキンチキンというのが頻繁にメニューにでてくる。
これもチキン、ニワトリなんだろうなと思って選んでる。
ロング副団長は、ファイヤーテールボアのステーキにしたみたい。
トレイによそって貰った皿を乗せ、空いている席を探す。
すると遠くで手を振っている人が見えた。
あれはジェイクさん?
トットットと駆け足でジェイクさんに近づいていく。
「ジェイクさん、こんにちは」
昨日や王都外出の時はお世話になりましたとペコリと頭をさげる。
「ヴィヴィオラさん、あれは仕事なので! 遊びではないので! いやーでも久しぶりに王都にでました」
後ろから、副団長が歩いてきた。
「そうだ!、ロング副団長こちらで食べませんか?」
テーブルはジェイクさんの隣が1人、その反対側が2人分の席が空いていた。
「いいですか?」
ロング副団長に確認をする。
ロング副団長がうなずいたので、ジェイクさんの隣に座ろうとする。
「ああぁ、ヴィヴィオラさん、反対側に座ってください!」
えっ? なんで?
ロング副団長にゆったりと座って欲しいのに。
「何でもです」
ふーんとジェイクさんの言うとおりに反対側に座り、副団長も隣にすわる。
ギューと隣の人に身体がぶつかる。
あっ、すいませんと謝る。
「そいつは、俺と同じ騎士のレンタス。俺の隣は門番のロベルト」
「ヴィヴィオラです。初めまして」
レンタスさんは陽気に笑い親しみやすそうに手を振り、ロベルトさんは一見不愛想に見えるが口元にわずかに微笑みを浮かべた。
彼らも魔人族に偏見がないから同席しても大丈夫らしい。
私は内心、ほっと胸を撫で下ろした。
「ジェイクさんは何食べてるの?」
ジェイクさんの食べ終わりかけの皿を見た。
ホワイトのスープみたいなメニューあったかな?
「シチューですね。デメロンが珍しく入っていたので。ラッキーでしたよ」
「デメロン?」
デ、メロン? デメ、ロン? 首をかしげる。
メロン入りクリームシチュー……。
「魚ですよ。めったに口にできないおいしい魚なので取り合いなんですよ」
「そうそう、メニュー表に書いていなくてさ。シチューの具になる事が多いから、シチューを頼んだ奴がデメロンが入っている! っていった瞬間になくなる」
ロベルトさんも同じものを頼めたらしい。
確かに食堂で魚、魚介類が出たことはないかも。
「珍しい魚なんですか? そのデメロ、ン」
「レンギア王国は海に面していないので魚は川魚なんですが、おいしくないんです……」
レンタスさんが小さい声で「俺は頼めませんでした」としょんぼりしているのでアハハと笑った。
確かに地図を見たら他国に囲まれていて海なし国だった。
レンタスさんは私の手をガバッと握る。
ジェイクさんとロベルトさんが斜め右からの鋭い視線を感じてビクッと驚いたように跳ねた。
「今度、一緒に魚料理食べに行きましょう、イゲッ!」
「だ、大丈夫ですか? 何があったんですか?」
レンタスは急に顔をしかめて「イゲッ!」と声を上げた後、そのままテーブルに突っ伏した。
私は驚いてすぐに彼の背中をさすった。
下腹部を抑えてる。
え? 突然の食中毒とか?
「魚料理ですか? いいですね、ぜひ行きましょう。でも、突然どうしたんですか、レンタスさん?」
心配しながら声をかけるとロベルトさんが冷静に言った。
「ヴィヴィオラさん、レンタスの為に放っておいてください」
「そうですよ。こんなやつと魚料理に行ってはダメですよ。川にレンタスが浮かんじゃうんで」
私は一瞬戸惑いながらも、ロベルトさんの言葉に従い「えぇ?
そう?」と手を止めた。
不思議に思いつつも、京都の川床を思い出した。
レンタスさんはテラス席から川に飛びこんじゃうパーティー・ピープルなんだろか?
小さい声で「ロ、ベルト……覚えていろよ」「お前のためだ」とか聞こえてきたが、何のことか全く掴めなかった。
「ヴィヴィオラさんはホワイトドードーにしたんだね。食堂だとしても、城のシェフの腕前はいつも期待を裏切りませんね。とってもジューシーでしょう?」
ジェイクさんは、私の皿を見てちょっと声を張り上げて言う。
それに合わせて、ロベルトさんも同意する。
「グリル。おいしいよな。それにホワイトドードーは、癖がない鳥でおいしい」
「よかった、鳥だと思って頼んだの。賭けだったよ~。他に鳥料理で出てくるチキンチキンはチキンでしょ?」
「チキンチキンはチキン? ヴィヴィオラさんの世界にもチキンチキンがいたんです?」
「チキンチキンは魔物なんですよ」
レンタスさんが復活したようだ。
その顔はまるで何事もなかったかのように話し始めた。
「チキンチキンは、デカくて繁殖力が強くおいしいから、よくメニューに出てくるんですよ。捕獲がめんどくさいがどんくさいので慣れれば小遣い稼ぎになる良い魔物です」
小遣い稼ぎになるんだ! 良いこと聞いた!
それなら、一度挑戦してみるのも悪くないかもしれない。
魔石もあれば一石二鳥じゃない?
スライムは、クズ魔石であまり高く売れそうもなかったので普通の魔石だったら高く売れるだろうし、肉も売れそうよね。
効率よく倒せる魔物
肉として売れる魔物
くず魔石でない魔物
この3つを備えた魔物だったら、小遣い稼ぎどころかしっかりした収入源になるかもしれない。
「知らない生き物が多くて、むぐっ」
話を続けようと思った矢先、口の中にお肉が差し込まれた。
驚いて目を見開きながら咀嚼し、そのおいしさに思わず頬が緩んだ。
咀嚼して飲み込むと、再び話をしようとしたが、ロング副団長がじっと見てくる。
「もう、ロング副団長! あっ、早く食べろって事ですね?」
ロング副団長の皿の上はあと一口、二口分しかない。
私も急いで切り分けて、口の中に突っ込んだ。
「ヴィヴィオラさん、ちょっと違う気が……」
「んん? 違う……? ゆっくり食べても?」
ジェイクさんの言葉に何か意図があるのかと少し考えたが、特に深い意味はなさそうだ。
やっぱり食事時が情報収集にもってこいだもんね。
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