4話 結ばれる、手
眩い光に目を開けると、すぐそばにピジン副隊長がいた。
なんと、抱きしめられているのだ。
「きゃ、きゃあ!!」
わたくしはびっくりして彼から離れる。
「な、な、な、何をしているのですか! まさか、無体を働こうと!!」
ピジン副隊長はぽかんとしていたが、すぐに噴き出す。
「どうやらお元気のようですね」
「元気って、そんなのあたりま……」
わたくしは、ピジン副隊長が傷ついていたことを思い出す。
「ぴ、ピジン副隊長! お怪我は!」
「僕は大丈夫ですよ」
彼は腕を上げる。
あんなにも血があふれていた腕は、しっかりと包帯が巻いてあり、血も止まっている。悪かった顔色も、すっかり血色がよくなっている。
「よかった。薬、間に合ったんですね」
「ええ。あなたがハトになってくれたおかげで」
「……へ!?」
ハトになってくれたおかげ……。
ハトになってくれたおかげ!?
「ど、どうしてそのことを……!」
そもそも、どうして今のわたくしは人間になっているのか。二度と人の姿には戻れないと魔法使いが話していなかったか。
混乱するわたくしに、さらなる混乱の要素をぶち込んでくる。
「そこの男性のおかげよ」
突然、女性の声が聞こえてきた。
さっきまで部屋にいなかったのに、魔法使いが紅茶片手にベッドでくつろいでいたのだ。
「本当に、いつも急に出てくるわね、あんた……!」
「まあまあ、怒らないで。結果オーライなんだから」
ピジン副隊長は不審そうに魔法使いを観察する。
「リルイア様。彼女は……?」
「わたくしをハトにした女よ」
魔法使いはにっこりと微笑む。
「最初は無理やりだったけど、最後はあなたも合意の上だったんだから、いいでしょ? 人の姿にも戻れたんだからね」
ぱちりとウインクをする。
「その男に感謝しなさいよ。彼があなたを愛してくれたおかげで、ハトになるまじないが解けたんだから」
「あ、あ、あ……!」
わたくしの顔が真っ赤になる。
思わずピジン副隊長を見上げる。
違うと否定されるかと思ったら、彼はにっこりと微笑んでいた。
肯定と捉えていいのだろうか……!
魔法使いはくすりと笑う。
「いいわねえ、ラブラブで! いいものをみせて貰ったお礼に、怪我は治しておいたわ。私にも感謝しなさい」
「う、う、うるさい!!」
ものを投げつけるが、彼女は「幸せにね」と笑って、消えていった。
「あ、あの女……!!!!」
わたくしはわなわなと震えていると、ピジン副隊長はくすくすと笑った。
「では、リルイア様。結婚式の仕切り直し、いたしましょうか」
「へ、へ!? で、ですけど、ピジン副隊長は、わたくしのこと、」
ピジン副隊長は、唇を重ねてきた。
柔らかい感触に、わたくしはしばらく呆然となり、そして、叫んだ。
「ふぇええ!! な、な、な……!」
彼はふっと笑い、膝をつき、手を伸ばした。
「リルイア様。好きです。私と結婚してくれませんか」
彼の笑顔は、嘘偽りのないもので。
……わたくしは、その手をとった。
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
またどこかで、お会いできたら飛んで喜びます。
それでは、皆様の素晴らしきなろう生活をお祈りいたしております。くるっぽー!




