表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪徳令嬢、ドバトになる  作者: カメメ
7章 あなたのことを、愛している
28/28

4話 結ばれる、手

 眩い光に目を開けると、すぐそばにピジン副隊長がいた。


 なんと、抱きしめられているのだ。


「きゃ、きゃあ!!」


 わたくしはびっくりして彼から離れる。


「な、な、な、何をしているのですか! まさか、無体を働こうと!!」


 ピジン副隊長はぽかんとしていたが、すぐに噴き出す。


「どうやらお元気のようですね」

「元気って、そんなのあたりま……」


 わたくしは、ピジン副隊長が傷ついていたことを思い出す。


「ぴ、ピジン副隊長! お怪我は!」

「僕は大丈夫ですよ」


 彼は腕を上げる。


 あんなにも血があふれていた腕は、しっかりと包帯が巻いてあり、血も止まっている。悪かった顔色も、すっかり血色がよくなっている。


「よかった。薬、間に合ったんですね」

「ええ。あなたがハトになってくれたおかげで」

「……へ!?」


 ハトになってくれたおかげ……。


 ハトになってくれたおかげ!?


「ど、どうしてそのことを……!」


 そもそも、どうして今のわたくしは人間になっているのか。二度と人の姿には戻れないと魔法使いが話していなかったか。


 混乱するわたくしに、さらなる混乱の要素をぶち込んでくる。


「そこの男性のおかげよ」


 突然、女性の声が聞こえてきた。


 さっきまで部屋にいなかったのに、魔法使いが紅茶片手にベッドでくつろいでいたのだ。


「本当に、いつも急に出てくるわね、あんた……!」

「まあまあ、怒らないで。結果オーライなんだから」


 ピジン副隊長は不審そうに魔法使いを観察する。


「リルイア様。彼女は……?」

「わたくしをハトにした女よ」


 魔法使いはにっこりと微笑む。


「最初は無理やりだったけど、最後はあなたも合意の上だったんだから、いいでしょ? 人の姿にも戻れたんだからね」


 ぱちりとウインクをする。


「その男に感謝しなさいよ。彼があなたを愛してくれたおかげで、ハトになるまじないが解けたんだから」

「あ、あ、あ……!」


 わたくしの顔が真っ赤になる。


 思わずピジン副隊長を見上げる。


 違うと否定されるかと思ったら、彼はにっこりと微笑んでいた。


 肯定と捉えていいのだろうか……!


 魔法使いはくすりと笑う。

 

「いいわねえ、ラブラブで! いいものをみせて貰ったお礼に、怪我は治しておいたわ。私にも感謝しなさい」

「う、う、うるさい!!」


 ものを投げつけるが、彼女は「幸せにね」と笑って、消えていった。


「あ、あの女……!!!!」


 わたくしはわなわなと震えていると、ピジン副隊長はくすくすと笑った。


「では、リルイア様。結婚式の仕切り直し、いたしましょうか」

「へ、へ!? で、ですけど、ピジン副隊長は、わたくしのこと、」


 ピジン副隊長は、唇を重ねてきた。


 柔らかい感触に、わたくしはしばらく呆然となり、そして、叫んだ。


「ふぇええ!! な、な、な……!」


 彼はふっと笑い、膝をつき、手を伸ばした。


「リルイア様。好きです。私と結婚してくれませんか」


 彼の笑顔は、嘘偽りのないもので。


 ……わたくしは、その手をとった。


ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

またどこかで、お会いできたら飛んで喜びます。

それでは、皆様の素晴らしきなろう生活をお祈りいたしております。くるっぽー!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ドバトという設定が変わってるので読んでみましたがとても面白かったです 悪徳令嬢がいじらしく共感できました 未読の方にはお薦めします [気になる点] 副団長は強すぎだし、意味深な嗜好もあり、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ